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もふもふ

ᓚᘏᗢ 午前2時の…… ᗢᘏᓗ

作者: 山目 広介

 そのとき私は眠っていた。

 ふと気付くと猫が近くにいたので布団を(めく)り、猫を誘う。

 猫は空けた場所へとやってきて向きを反転し、もぞもぞっと尻尾を自分の良い様に体に巻いてから丸まる。

 布団を降ろし、瞼を閉じた。


 しばらくすると、なんか気になって目を薄く開く。

 大きな瞳ががこちらを見ている。

 じっと見ていたが瞼が重い。再び眠った。

 だが意識は覚醒を始めた。

 もう一度重い瞼を持ち上げると、まだ猫がこちらを睨んでいる。


 そのまま眺めていると猫が左に体勢を崩し、右前足をそろりと持ち上げた。

 掌を返してこちらから肉球が覗くようになる。次第に近付きポチっとな。唇に押し付ける。

 すぐにまた持ち上げて、私の鼻の頭に再度、ポチ。

 右を引っ込めたら重心を右へ動かし、左前足が持ち上がる。

 私の頬も押されるのだった。


 私の顔は起動ボタンじゃないッ!


 そう言いたい思いを堪えて、布団を捲る。

 猫が体に乗り、私は起き上がれない。

 起きるんだから退いてと意思表示で背中を撫でる。

 可愛い鳴き声を漏らし私の胸から重みが消えた。

 スリッパを履き、階段へ向かう。猫は先に行くと私が再び寝るので後ろから追い立てる。

 階段の電灯を点け、足元に注意。

 階段を降り始めると猫が駆け下り、私を抜いていく。

 そして一番下からこちらを見上げてちゃんと来ることを見張っている。

 何度か自分で行くのなら私は必要ないとここで引き戻ったりしたら学習された結果だ。

 台所からではなく反対の廊下へ猫が行き、玄関側の戸を開けると居間へと飛び込む猫。

 私は引き戸を閉め、回り込んで台所から居間を覗く。

 家族が餌をやって放置しているのでそこで猫が餌を食べている。

 私がいないときは自分でやってきて餌を食べているらしいので、付き添いは必要ではないはず。

 なのに私を起こしてまで餌にありつかなくても、と思う。


 時計を見ると2時10分ぐらいだった。

 眠いはずだ。


 猫は餌を食べたら、戻って来る。洗面所に連れて行くとコップに水を注ぐ。

 水を舐め始める猫。


 私は踵を返す。布団で二度寝だ。

 階段を登り始めたら猫がまた追い抜かして駆け上がる。踊り場にトイレがありそこでじょじょじょじょと音がし始める。

 階段を登り終えると砂を掛けてる猫が逃げていく。

 壁にくっ付いているため巧く砂を掛けられない。

 砂を掛けて固まった物を捨てる。


 布団に入る私。

 当然の如く猫は再びやってきて、もう一度小脇に納まる。

 今度は頭を降ろして腕枕だ。

 ぬくぬくしている。憎めない寝顔。






たぶん2021年 11月13日ごろ作成

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