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【書籍9巻&ジュニア文庫2巻発売中】この世界の顔面偏差値が高すぎて目が痛い【web版】  作者: 暁 晴海
第二十章 帝国との対決編

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結界の修復と強化

皆様、新年あけましておめでとうございます!

昨年は本当に色々とお世話になりました!お陰様で一年楽しく更新&書籍作業をする事が出来ましたし、更なる続刊も決まりました。本当に有難う御座いました!!


今年も頑張っていきますので、どうぞよろしくお付き合いくださいませ!(๑•̀ㅂ•́)و✧


「――……以上が、母を通して知らされた情報です」


「……マジか……」


キラキラと発光した白いカメを腕に抱き締めた状態のベネディクトから語られた、エレノア達の状況及びオリヴァーが発案した作戦内容に、クライヴが青褪めながらドン引きする。


「なんというか……。我が弟ながら、どうしてこうもえげつない作戦をポンポン打ち出せるのか……。つくづく、あいつが俺達側で良かったってそう思うぜ。女神様に感謝だな!」


クライヴの言葉に、アシュル達だけでなく、ベネディクトを通じて自分達の魔力を送っていたアーウィンとシーヴァー、そしてジルベスタ、そして周囲にいた騎士や学生達までもが頬を引き攣らせながら首を縦に振った。


「うん、流石はオリヴァーだ。まさか『闇』の魔力(イーサン)をそんな風に使うとは思わなかったよ」


「使いどころ、よく分かってるよなー!あのワイアットが、自分の部下にあいつを欲しがる訳だぜ!」


そう言い合いながら、アシュルとディランが冷や汗を流している傍らでは、自分の魔力の有用性を改めて知ったフィンレーが黒い笑みを浮かべていた。


「……ふーん。『闇』の魔力が『魔眼』の天敵なのって、そういう理由(わけ)なのか。それじゃあ、僕もイーサンに便乗しちゃおうかな?」


だが、そんなフィンレーの言葉に対し、すかさずリアムがツッコミを入れた。


「フィン兄上!そもそも今は、エレノアの『結界』の所為で、魔力も人も外に出られないよね?それに大叔父上(学院長)だって、『お前は絶対に余計な事をせず、与えられた任務に集中しておれ!』って釘刺していたじゃん!」


「フィン。リアムの言う通りだ!大叔父上が老体に鞭打ちながら奔走されている今、余計な行動を起こして負担をかけるな!!それに、いざという時の為に魔力を温存しておくようにとも言われただろう!?」


兄弟二人のダメ出しに、フィンレーは不服そうに顔を顰めた。


「アシュル兄上!でも、僕の『闇』の魔力はイーサンよりも多い!だからこそ、より『邪神』を弱体化出来る筈だ!それに、結界が破損した箇所からなら攻撃が届くだろうし、『邪神』に直接ダメージを与えられるのであれば、それが最善……」


「駄目だ!!」


鋭い一喝に、フィンレーだけでなくリアムや周囲に控えている者達までもが肩を跳ねさせる。


「イーサンは、自分のすさまじい『負の感情(恨み)』でもって、『闇』の魔力を覆っているからこそ、『邪神』に気が付かれずに済んでいるんだ。お前にあの男以上の負の感情はあるのか!?」


「そ、それは……。オリヴァー・クロスへの感情とか……」


「お前は、オリヴァーを嫌ってはいるが憎んではいないだろう?そこが、お前とあの男(イーサン)との違いだ」


「――……」


「それに今現在、結界が壊れた個所から、次々と帝国の刺客達が侵入してきている。それらを『影』達や教師陣が迎え撃っている状況で、もし万が一お前の放った魔力が味方まで傷付けてしまったらどうするつもりだ?」


「……ッ!……それは……」


「フィン。お前だって分かっているんだろう?母上やエレノア……。『邪神』の最大の脅威たる『聖女』がこの場に居ない今、対抗出来る魔力を持つ者は、僕とお前しかいないって事を」


「……うん」


意気消沈した様子で素直に頷くフィンレーに対し、アシュルはきつい表情と口調を和らげた。


「だったら、お前はお前の成すべき事を果たせ。同じこの帝国の地で、魂になってなお苦しみ続けている女性達や、僕達全員を助ける為、全力で戦っているエレノアやオリヴァー達の為にも」


「……うん。ごめん、兄上。僕が間違っていたよ。……でもさ」


「うん?」


「アシュル兄上が言っていた『老体に鞭打ちながら』って台詞、大叔父上密かに怒っているっぽいよ?」


「……本当か?」


「うん。どうやらこの魔法陣、魔力と一緒に思念や会話も筒抜けになるみたいだね」


フィンレーの言葉に、アシュルは頭痛を抑えるように頭を抱えた。


実は今現在。アシュルとフィンレーは共に、大叔父である学院長が展開させた魔法陣の上に立ち、ある目的の為に魔力を放出している最中なのである。


「ああ、もう大叔父上!まーた魔法陣に余計な機能付けて……!本当に研究バカなんだから!!」





◇◇◇◇




「……全く。アシュルの奴、私を『老体』などと……。昔と違い、随分可愛げが出てきたものだ」


そう呟きながら、学院長は小さく口角を上げた。


幼い頃から次代の国王として自分を律し、王家の為、そして弟達の為に奔走し、全ての責任を背負って生きてきた、孫同然の可愛い子供。


足早に大人にならざるを得なかったあの子が、年相応に肩の力を抜けるようになったのは、間違いなくあの小さな『聖女』のおかげなのであろう。


「良い子に出逢えたものだ。アイゼイアも喜んでいような」


「ダリウス様?」


「いや、何でもない。にしても、想像以上に破損させられている箇所が多いな。まだ未熟とはいえ、『大地』の魔力による結界を、この短期間で……。流石は『邪神』と言ったところか」


自分直属の『影』を左右に従え、まるで疾風のように建物内を駆け抜けながら、学院長(ダリウス)は、破損された箇所を己の魔力で一瞬にして修復した後、エレノアが付与した野花へと魔力を上掛けしていく。


アシュルの『光』の魔力とフィンレーの『闇』の魔力は、自身が編み出した魔法陣を通し、ダリウスの元へと流れていく。


その魔力を一つに編み上げ、学院中を『影』達と共に身体強化で駆け抜けながら、エレノアの付与したペンポポスミレ(結界)に上掛けして回っているのだ。


ダリウスの持つ魔力属性は『土』であり、エレノアの持つ『大地』の魔力と相性が良い。また『土』属性は他のどの属性とも融和性が高い事から、『光』と『闇』という、相反する魔力をまとめて使用出来るのである。


だがそれであれば、同じ『土』属性を持ち、父親譲りの実力をも有するセドリックがその任を負うべきでは?という声が上がった。


高齢の……。しかも、王家直系であるダリウスが、最前線とも言えるこの役目を請け負うというのは、確かに本来であれば有り得ない事だろう。


だが、ダリウスの魔力操作における実力は、王家直系随一と言われているのだ。しかも、「ここが我が終の棲家」と豪語し、実際に王立学院に自身の居住スペースを持っている事から、誰よりも王立学院内を知り尽くしているのである。


結界の修復は、一分一秒でも早く行わなければならない。


それゆえ、ダリウス本人たっての希望もあり、こうして危険と隣り合わせの任務に就いているのである。


「可愛い『孫』達や、アルバ王国の未来を担う若者達の為にも。そして、我らが『大地の聖女』を悲しませない為にも、この老骨が踏ん張らねばな。……にしても、お前達の副総帥。あの馬鹿、どうにかならんのか?」


「……それは……」


「うちの副総帥(バカ)がやらかしてしまい、本当に申し訳御座いません」


ダリウスの言葉に、並走していた『影』達が全員恐縮したように頭を下げる。


実は『影』の講師ならぬマロウであるが、エレノアがこの帝国内のどこかに放り出されたという事実を知るや、『姫騎士様がー!!』と、外に出ようと半狂乱になってしまったのである。


その結果。なんとたまたま、エレノアの付与が甘かった箇所が一部破損してしまい、そこから『魔眼』持ちの暗部や騎士達が雪崩れ込んできてしまったのだ。


だが、幸か不幸か。その侵入を許してしまった張本人が、荒ぶる魔力を大放出して刺客達を壊滅させたので、結果的に大事には至らなかったのだが……。


「なにが大変だったって、敵の襲撃や、あやつが破壊した箇所の修復ではなく、破損した穴から、あ奴(マロウ)を外に叩き出そうとしたヒューバードを止めねばならんかった事だな」


そう。破損個所の修復の為、アシュルやクライヴ、そしてヒューバード達と共にマロウの元へと駆け付けた瞬間、ブチ切れたヒューバードは「貴様なんぞ、『邪神』の餌食になってしまえー!!」と喚きながらマロウをぶちのめし、実際に外へと放り出そうとしたのだ。


そんなヒューバードを、「こんな奴でも最強戦力の一人だから!!」「せめて処すのは全てが終わってからにしてくれ!!」と言いながら、アシュル達と共に必死に宥めすかすのは本当に大変だった。勿論、いの一番で破損個所は修復したけれども。


今現在。マロウは罰として、一年生から三年生の学院生達全てを守る結界を張らされている。かなり魔力を使う為、魔力切れに陥る可能性もあるが、それはそれで自業自得と言えよう。


ダリウスは窓から見える『邪神』の魔力を目の端にて確認する。


「……どうやら、オリヴァー・クロスの策が功を奏しているようだな……」


怖気が走る程に禍々しい『邪神』の力。それが微細ではあるものの、確実に削がれていっているのが、アルバ王家直系たる自分には感じ取る事が出来た。


「だが、それを感じ取れるのは我々だけではない」


例えば、我々アルバ王国の者達と帝国の王侯貴族。双方を『互換』するなどといった、まるで悪夢のような攻撃を仕掛けてきた人物。

今現在、父である皇帝をその手にかけ、帝位に就いたとされる第三皇子セオドア。


『邪神』復活の立役者たる彼であれば……。遅かれ早かれ、この違和感に気付いてしまう可能性は高い。そして、その原因が何であるのか推測するだろう。


「……女神様。どうか、我らアルバ王国全ての『希望』をお守りくださいませ……!」


そうダリウスが独り言ちていた頃。時を同じくして、黒城の謁見の間では、玉座に座るセオドアの前に傅くシリルの姿があったのだった。

イーサン:「私は憎んでいるのではない。恨んでいるのです」

アイザック:「どっちも同じじゃない!?」

エレノア廃の病み(闇)は深い……。



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◇書籍1巻表紙です◇
i697676

◇書籍2巻表紙です◇
i707529

◇書籍3巻表紙です
i775851

◇書籍4巻表紙です
i806366

◇書籍5巻表紙です
i835027

◇書籍6巻表紙です
i890730

◇書籍7巻表紙です
i921558

◇書籍8巻表紙です
i979601

◇書籍9巻表紙です
i1009541

― 新着の感想 ―
新年そうそう更新と言うお年玉ありがとうございます 今年もこの世界の顔面偏差値が高すぎて目が痛い推しです 今年も1年よろしくお願いします
新年あけましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いいたします(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎) イーサンの恨み節、根が深過ぎて…フィン様では到底及ばない感情なのか!!恨みつらみが改めて怖いよ〜(⌓︎⍢︎⌓︎…
あけましておめでとうございます! 新年早々、更新ありがとうございます。 今年も楽しみにしています。
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