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プロローグ
深い深い森の中。
夜、この静かな場所にいるのは僕と野良犬三匹。
「ハッハッハッハッ」
鳴り響くのは犬の荒い息遣いと食事の音。
視線の先は犬とエサ。
周囲には、土のにおい、唾液のにおい、そして…
血のにおい
そう、僕が殺した"エサ"の血のにおい。
「……………」
彼はさっきまでは僕と同じ"人間"だった。
僕が殺した瞬間に腹をすかせた野良犬のエサとなった。
ああ、一体これで何人目だろう。
もしも叶うのなら誰かこの頃の僕に教えてあげてください。
殺人がどうして罪になるのかを___




