表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頭がデカ過ぎてVRMMOのヘッドギアが入らなかった件  作者: 山田の中の人
プロローグ
1/76

プロローグ

 

 平成××年。

 人類史上初のVRMMOがついに世界中のゲーマー達へと販売される事となった。

 実用不可能とされたフルダイブ技術を開発し、さらに一般ユーザーの手に届くレベルでの生産、販売を可能にしたのは、VRMMO研究に希望と情熱、持てる知識の全てを捧げた一人の天才科学者の功績によるものだった。

 その天才科学者が作り上げたVRMMO『OPENオープン OFオブ LIFEライフ』は、ヘッドギアタイプのゲーム機を直接頭に被って装着して、ゲーム機と脳を直接リンクさせる事により、自分自身がゲームの世界に存在しているかのように体感出来るというものなのだが、詳しい技術はその科学者以外には誰にも理解、説明する事が出来ない代物であった。

 生産、販売を手掛けたのは、同科学者が所属するゲーム開発会社の最大手であり、世界のゲームソフトシェアでもトップを走り続けているエンテンドウ・サニー社。

 同社の開発プロジェクトチームにも、勿論優秀な科学者やプログラマーが数多く在籍しているのだが、誰もがその天才科学者の独自の視点、理論、知識の前について行く事すら出来なかった。

 しかもその天才科学者は技術の確立は勿論の事、安全面においても各分野で完璧に実証しており、事故が起こる事など到底あり得ないとまで言われるデータを全て公表した。

 この事により、脳とゲーム機を直接リンクさせるという、普通に考えれば少々危険な方法であるにもかかわらず、世界中で『安全なVR技術』として不動の地位を手にする事となった。


 通常であればVRMMOの開発ともなると莫大な費用が掛かってしまうのだが、その天才科学者が独自に開発してしまった為、エンテンドウ・サニー社からしてみれば、その莫大な金額であった筈の予算が丸々浮いてしまった。

 しかしこの天才科学者、少々考えや行動が突飛であるが為に、同社が尻拭いをさせられるような場面も多々発生するのだが、経営陣は『天才とはいつの時代でも得てしてそういうもの』と割り切っており、そのような尻拭いも会社が得る莫大な利益に比べれば微々たるものであった。


 しかし世界中のゲーマー達からすれば、技術がどうだとか、科学者がどうだとか、そんな事はほんの些細な事にすぎない。

 ゲームの世界に自分自身が入り込んでいるような感覚が得られるゲームが実際にプレイ出来るのであれば、RPGであろうが、FPSであろうが、アクションゲーム、ギャルゲ、エロゲといったゲームのジャンルですらも些細な事となってしまう。

 世界中のゲーマー達が待ち望んでいたVRバーチャルリアリティの世界とは、それほどまでにも魅力的な物であり、夢の世界だったのである。


 そしてゲーム機の販売価格が日本で一台二十万円という高額であるにも拘らず、初回先行予約の国内販売分で一万台、海外販売分で二万台が瞬く間に完売し、更には予約が取れなかった大勢のゲーマー達が世間に溢れ返った事で、その期待度の高さが立証されたのである。



 さて、『OPEN OF LIFE』を求め彷徨うゲーマー達が世界中で出没する中、運よくこのゲームを手に入れる事が出来た少年がいる。


 その少年こそがこの物語の主人公、山田健やまだたけるである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ