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人化とダンジョン攻略へ

「これから宜しくね。アレス」

 僕がそういってアレスに手を差し出すと、突如としてアレスの体が光を放ち、そこには見覚えのない少女が立っていた。

「はい! これから宜しくお願いしますね! 勇気様!」


 その少女は笑顔を浮かべながら、僕の手をとり、握手を交わした。


「? どうかなさいましたか? 勇気様?」

「えっと、君アレスだよね?」

「何を仰ってるんですか? そうに決まってるじゃないですか」

 少女改め、アレスは僕の言葉を聞いて、不思議そうに首を傾げた。


「いやだって、君。 何で人間になってるの? てか女の子だったの!?」


 そう何と今のアレスはまごうことなく女の子の姿をしているのだ。


 頭にはハイミノタウロスの時にもあった角が生えており、身長は僕より少し小さいくらいだから恐らく150の後半くらいしか無いだろう。

 全体的に小柄であり、髪は腰に届くか届かないか位の長さの綺麗な白髪であり、瞳はルビーよりも紅く綺麗に輝いていた。

 そして、その肌は白雪のように白く、顔立ちは今まで見てきた中では最も可憐といっても問題ないくらい美しかった。


 そして、体には肌の色とは対照的に黒を基調としたジャケットと胸当て、短パンのようなものを身に付けていた。



 正直いって、この子が本当にアレスだとしても何であのハイミノタウロスの姿からこのような美少女に変化したのか、分からなかった。

 ぶっちゃけあの姿と同じなのは角ぐらいである。


「え? 何言ってるんですか勇気様? 私はハイミノタウロス何ですよ? 人間の様な見た目のはず無いじゃないですか」


 どうやらアレスは自分の体の変化に気付いておらず、僕が冗談を言っていると思っているようだ。


「これ見てもそんなこと言えるの?

 水よ。 我が命により、その身を万物を映す鏡と成せ。 ウォーターミラー」


 僕は水魔法で鏡を作り出し、アレスをその前に立たせた。


「さあ、アレス自分の姿をよく見るんだ」

「はあ……分かりました。

 て、え!? な、何ですか!? 本当に人間に成ってます!」


 アレスは鏡に写る自分の姿を見てやっと自分の体が変化したことに気付いたようだった。


「勇気様、これどうゆうことなんでしょう? 何で私が人間に成ってるんですか?」


 アレスの言葉を聞き、少し考えた後であることを思い出した。


「あ! そういえば、アレスのスキルに人化ってのがあった!」


 僕はステータスプレートを取り出して、調べてみることにした。


 スキル:人化


 契約が完了すると使用可能。

 自由に人間の姿に変化することが出来る。なおその際の見た目は所有者の願望から決められる。一度決定すると、変えることは出来ない。


「えーと、アレス。君の見た目どうやら僕の願望によって決まったみたい。 何かごめんね」


 僕が申し訳なく思い、アレスを見ると、何故か顔を紅くしていた。


「いえいえ! 問題ないです! 寧ろこんな可愛い見た目にして頂いて嬉しいです。 ……それに今の姿は勇気様の願望から決められてるんですし……」


 後半はよく聞こえなかったが、どうやら気に入ってはくれているようなので、一先ず安心した。


「そう? ならいいけど。 じゃあアレスそろそろ行こうか。 何時までもここにいるのもなんだし」

「はい、分かりました。 すぐに行きます。 て、痛っ!」


 アレスが僕の後を追って追い掛けようとしたとき、カン、という音が不意にアレスの足元から聞こえてきて、そのすぐ後にドンッと倒れるような音がした。


「どうしたのアレス?」


 その音を聞いて、僕が後ろを振り返ると、そこに前のめりになっているアレスがいた。


「いたた、すみません。 勇気様。 足元に何かあったみたいで、それに躓いたみたいです」


 僕がアレスに近付くと、アレスが言った通り、足元に何かが落ちていた。


「? 何だろこれ」


 手に取ってよく見てみると、それは全体的に黒く、どちらかといえば漆黒に近い色合いをした斧だった。

 それと刃の部分は両刃になっていて、此方は対照的に真っ白だった。

 アレスの今の姿と何処か似ているようにも思えるけど。


 僕は徐ろにそれを、鑑定してみた。


 神珍鉄の戦斧


 従魔術により、産み出された武器。

 質量や大きさを所有者の意思で変更可能。

 所有者、及び許可されたものしか持つことが出来ない。

 所有者:アレス


「アレス。 これどうやら君の専用武器みたいなんだけど」

「え? 私専用の武器……ですか?」


 僕はやっと立ち上がったアレスにその斧を手渡した。


「これが私の武器ですか。 確かに手に馴染みますね」


 アレスは手に持った斧をニ、三度振り、自分に扱えるかどうかを確かめていた。


「折角手に入ったんだから使いなよ。 どのみちアレスにしか使えないみたいだし」

「分かりました。ですが、これどうやって持ち運べばいいんでしょう? 結構大きいですよ? 私の服に仕舞うところなんてありませんし……」


 アレスがそういうと斧が輝き、アレスの中に入っていった。


「ちょっ!? アレス!? 大丈夫!? 何とも無い!?」

「はい、大丈夫です。 どうやら私の意思で出したり、消したり出来るみたいです」


 アレスが証明するように僕の前で出したり、消したりするのを確認した後、問題ないと判断し、今度こそ歩き始めた。


 ~~~~~~~~~~

 ダンジョンの中を二人で警戒しながら、歩き続けた。

 途中魔物とも遭遇したが、特に苦戦することなく、倒すことが出来ていた。


「あ、勇気様。 あれを見てください」

「あれ?」

 不意にアレスが指を指したのでその方を向くとただ暗闇が広がっていた。

 手元にあるトーチを移動させるが、それでもよく見えない。


「アレス。 何も見えないんだけど。 何があるの?」

「え? そうなんですか? 私にはちゃんと見えてますよ?」


 僕は必死になってそこを見ようとしたが一向に見えるようにはならず、諦めかけていると、

 [条件を満たしました。スキルを覚醒します]


 頭の中でアナウンスがなった。


「え? このタイミングで?」

 僕の疑問を余所にアナウンスはスキルの説明をし始めた。


 スキル:暗視


 暗闇の中でも目が見えるようになる。


 アナウンスが終わると、僕の視界がいきなり明るくなり、さっき迄見えてなかった色々な物が見えるようになった。


「やった。 これで見える」


 僕は今まで出していたトーチを消して、辺りを見回すと、しっかりと何があるのかが分かるようになっていた。


「よし、これで問題なしっと。で、どれを見ればいいの?」


 僕がもう一度アレスが指差した方向に目を向けるとそこには下の階層に行くための階段らしきものがあった。


「どうしますか?」

「どうするっていっても……やっぱ降りるしかないんじゃないの?」

「……ですよね」


 僕が当たり前の事を言うと、アレスは僅かに苦笑しながら、頷く。

 僕たちはお互いに顔を見合わせた後、何も仕掛けがないことを確認しながら、階段を下っていった。






すいません今回は殆ど説明ばかりであまり面白くなかったと思います。

次からはしっかりとダンジョン攻略します。

御意見、御感想等をいただけると今まで以上に頑張れると思うので出来ればお願いします。

それではまた次回

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