ステータス確認
三回目の投稿です。
まだまだ主人公の覚醒は始まりません。
出来れば辛抱強く待っていただけると、有り難いです。
あの後僕達は、今まで食べた事の無いような豪華な食事をして、自分達に割り当てられた部屋で休んでいた。
「あー何かいきなりの展開に少し付いていけてないや」
まるで困ったことのように言っているが、多分僕の顔は少しにやけているだろう。
「まさか異世界に呼ばれるなんて思ってもなかったしなー」
元の世界に居た頃から、漫画や小説の中にあるような世界に一度行ってみたいと考えていた僕にとっては夢にまで見たような展開だった。
「しかも勇者だよ! 勇者! 嬉しくないわけがないよ」
そういって僕はまた少し顔をにやけさせた。
他の人が戸惑っていても僕にとっては憧れていた世界だったせいか、今のところ恐怖心よりも、好奇心の方が勝っていた。
「そういえば明日から訓練だって言ってたっけ? どんなことするんだろ? 付いていけたらいいけど」
いくら憧れても、自分は元々運動があまり得意な存在ではなかったのだ。
流石に浮かれてばかりはいられない。
「僕が情けないところ見せちゃうと、大山くん達は心配するだろうし、何より坂田くん達が何か言ってくるだろうしなー」
元の世界でも坂田くんを含む三人組は、何かある度に絡んできたのだ。
実際先程も絡んできていたのが、動かぬ証拠である。
「てか、あの三人むしろ今まで以上に絡んでくるだろうな。 結構喜んでたっぽいし」
只でさえ、人を馬鹿にするのを楽しんでる三人が、
大きな力を手に入れたのだ。
それを自分より弱いものに向ける可能性はとても高い。
「はー、これじゃ元の世界と変わらないよ」
あの三人も一緒という状況に思わず溜め息がでる。
「ま、言ってもしょうがないか。 異世界来てまでこんなこと考えてもしょうがないし、こっちの世界では出来るだけ頑張ろ」
そう自分の中で決めてから、僕は行動を起こした。
「やっぱまずは自分がどんな能力があるか確認しないとね」
僕はステータスプレートを取り出して、自分がどんなスキルを持っているのか、確認を始めた。
「うーん? 元々のステータスが低いのも問題なんだけど、この職業:弱虫ってほんとなんなんだろ?」
気になったので、僕は詳細を確かめることにした。
職業:弱虫
[能力]
気が弱いものが就ける職業
敵との距離が近いほどステータスが下がる。
逆に敵から一定距離離れる、もしくは敵が視界にいない場合、ステータスが上昇。
???????を満たすことにより、上位職に変更可能。
完全に駄目な職業だった。
「こんな職業でどうやって戦えばいいんだよ。 これ前衛完全に無理だし、後衛もギリギリじゃないか」
自分の職業のあんまりな能力にちょっと落ち込む。
「これじゃ折角ある格闘技のスキルが全く意味がないよ」
というかそもそもなんで僕にこんなスキルがついてるんだろうか?
小学生の時に、少しでも強くなりたいと空手をやってたせいかな?
多分そうだろうと自己完結して、もう一度職業を見てみた。
「でも、ここにあるこの?????ってなんなんだろ? これさえ分かれば上位職になれるのに」
少し考えてみたが、何のヒントも無いので、分かるわけもなく、仕方なく次の確認に移った。
「えーと、次はこれにしよ」
そういって僕は次の低級魔法の確認を行った。
スキル
[低級魔法]
基本属性である火、水、風、土、雷の魔法を扱える。どの属性が使えるのかは本人の能力次第。
「お、やったこれはまともそうだ」
純粋に自分に使える能力があるのが嬉しかった。
「でもこれ僕どの属性が使えるんだろ? 出来れば2つか、3つは使えたらいいな」
少し希望を見出だしたが、ある事実に気付き、その希望は直ぐに潰えてしまった。
「そうだよ、どんだけ適正があっても、僕の職業のせいで殆ど使えないじゃないか」
そう、例え全属性が使えても、敵が視界に居たり、近づくだけで駄目なのだ。
これでは戦うこと事態が厳しい。
「くそー。 せっかく使える能力だと思ったのになー。 これじゃ意味ないよ。 まあどうしようもないし、諦めて次にいこう」
どれだけ自分の職業を妬ましく思っても、変わることは今のところ無いので、諦めて、次の確認に移った。
「次はどれにしようかな? 治癒魔法はその言葉通りだろうし、アイテムボックスも鑑定も多分考えてる通りのものだろうから調べる必要なさそうだし」
伊達に元の世界で色々な本を読んでいたわけではない。
魔法などが出てくるファンタジーものも読んでいたので、そこら辺は見なくても分かった。
「うん、やっぱり次はこれかな?」
そういって僕はユニークスキルの欄を押した。
ユニークスキル
[?????]
効果
?????が?????したとき解放。
うん、これ完全に分かんないや!
てか、なにこれ!全然説明になってないよ!
そもそも効果どころか名前すら分からないのだ。
これは本格的に放置するしかない。
「しょうがない、諦めよ。 機会があったら解放されるだろうから、その時に見よ」
結果としてどうしようもないので、僕はこのスキルを放置することに決めた。
「このスキルのことは忘れて、次は加護を見てみよ」
そんな風に半ば諦めながら、次の確認に移った。
[勇者の加護]
異世界より召喚されし者たちに贈られる女神の加護。
[効果]
経験値倍増。成長補正。全属性耐性。自動言語翻訳。
「うん、これが一番まともだな。 でも、一番まともなのが皆持ってるやつなんて、僕ホントにどうやって戦っていけばいいんだろ?」
少し悩むが、悩んだところで解決するわけでもないので、明日からの訓練などで解決出来るようになることを祈るしか出来なかった。
「まあいいや。
明日から訓練だって言ってたし、今日は早めに寝よ!
明日にでも僕がどうすれば強くなれるか、調べよ」
僕はそう結論付けると、与えられたベットに入り、深い眠りについた。
こうして、僕の異世界生活一日目は何とも微妙な感じで終わった。
やはり初めて書くので、地の文等を書くのが難しいです。何か不満な点や、改善してほしい部分があるなら、ぜひ言ってください。