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それからも毎日僕はインターネット上を徘徊した。
そして、あるとき1人の医師を見つけることになる。
彼はこのカンジダ菌によって生じるうつ病に対して、診療を行っていた。
カンジダ菌によるうつ病に関する記述は、英語で書かれたものが多い。
恐らく海外の人が書いているのだろう。
日本人によって記述されたものは少ない。
中でも、はっきりと医師を名乗る日本人の記述は、この時初めて見つけることになった。
彼のことをドクターAと呼ぼう。
僕は彼に対して、自身の体調不良を相談することにした。
ひとしきり、僕のこれまでの過程を聞いたドクターAは、僕の体調不良にカンジダ菌が関係しているかもしれないと話した。
カンジダ菌の抗体検査の結果は陰性であったが、彼のこの考えは変わらなかった。
「検査が陰性でも体内にカンジダ菌が増加していることは経験上あります。」
そして彼は、ナイスタチンというカンジダ菌を殺菌する薬剤を僕に与えたんだ。