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僕はそれまで、夜さんにサプリメントを勧めることは躊躇していた。
真白先輩にサプリメントの実験結果や考察を報告するのは簡単だった。
それは彼女が医師だからだ。
医学的知識で言えば、彼女の方がはるかに格上だ。
医師免許だって持っている。
だから、僕がどのような実験をしているか話すことに全くためらいはなかったし、それを彼女が真似ると話しても全く気にも留めなかった。
お互いにお互いの行為に、責任を持てると思っていたからだ。
しかし、夜さんは違う。
医学的知識に関しては、全くの素人だ。
彼女を僕の妄想に巻き込んでもいいのか…。
でも、僕も真白先輩も、夜さんも。
みんな、その体調不良に疲弊していた。
三人とも、この先どれくらい生きていけるだろうって。
そう思うくらい、疲弊していた。
恐る恐る、僕は夜さんにキレート剤を勧めた。