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繰り返すけど、カンジダ菌がうつ病の原因だとする話は日本の医学界では全く認知されていない。

そして、そのメカニズムとされるダイオフ反応や、ダイオフ症状という用語も同じように日本の医学界では全く知られていない。


つまり、これらの話はインターネット上にのみ存在する都市伝説レベルの信頼性の薄い情報だ。

現に僕はたくさんの医師たちにこの話を聞いて回ったけど、誰一人としてこの話を知っている人はいなかった。


知らないどころか、叱られることすらあった。

インターネット上のデマに流されるなってね。


さて、話を元に戻そう。

彼らの主張には続きがある。


彼らによると、カンジダ菌によって生じるうつ病には治療法があるらしい。

それは、大腸粘膜上のカンジダ菌を殺菌することだ。


まぁこれは当然の理屈だろう。


カンジダ菌が作る毒素が原因で憂鬱感や倦怠感が出現しているのならば、その毒素を産生するカンジダ菌を駆除してしまえば、問題は解決するだろって話だ。


仮にこの病態メカニズムが真実であるのならば、その結論に異論はないだろう。


彼らによれば、カンジダ菌を殺菌する作用のある食材はたくさんあるらしい。

そして、たくさんある食材の中でも、ココナッツオイルは特に効果があるらしい。

なんでも、ココナッツオイルの中に含まれるカプリル酸という成分が含まれていて、このカプリル酸がカンジダ菌に対して、とっても強い殺菌作用を持っているらしいんだ。


僕は、すぐに近くのドラッグストアに行き、人生で初めてココナッツオイルという代物を買ってきた。

そして、小さじ1杯飲んでみたんだ。


ココナッツオイル実験は当たりだった。


ニンニクの時と同じように、数時間経ってから、倦怠感や憂鬱感が増したんだ。

強烈に苦しかったことを覚えている。


つまりこういうことだ。

ニンニクやココナッツオイルが持つ抗真菌作用によってカンジダ菌が死滅し、カンジダ菌の中にある毒素が体内に放出される。

この毒素によって僕の体調不良が増悪する。


彼らの話は、僕の身に起きた奇妙な体験のメカニズム(理屈)を説明して見せた。

*真菌→カンジダ菌は真菌と呼ばれる微生物のグループに分類される。細菌とは異なるけど、細菌の親戚みたいなものだと考えてくれたらいい。

*抗真菌作用→真菌を殺菌する作用のこと。


「これがダイオフ症状なのか…?」


僕はこのあたりで、インターネット上に書かれてる内容が全くの嘘であるとは思えなくなった。

少なくとも現在の日本の医学界で認知されていない、未知なる病態があるのかもしれないと疑うようになったんだ。



(つづく)



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