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このあんこ事件は極めて重要な意味を持っている。
今まで僕らは、"明らかにカンジダ菌に効きそうなもの"を食べて試してきた。
唐辛子、胡椒、オリーブオイル。
見るからに体に良さそうで抗菌作用もありそうだろ?
梅干し、漬物、納豆、ヨーグルト。
発酵食品の中にもカンジダ菌を死滅させる作用のある物質があるっぽい。
この辺もまぁ理解しやすい。
しかし、あんこは違う。
僕らはあんこは完全にノーマークだったんだ。
あんこは大好きだったし、カンジダ菌を殺す作用があるなんて微塵も思わなかった。
これがダイオフ症状の原因になっているなんて思いもよらなかったんだ。
つまりどういうことかっていうとね。
このダイオフ食材によるダイオフ症状の出現は、プラセボ(思い込み)のせいではないってことだ。
2人ともそんなこと起こるわけないと思っていたのに、実際には"起こった"わけだから、これは気のせいなんかじゃないって、そう思ったんだ。
今まで僕らは、全て僕らの思い込み、妄想なんじゃないかっていう不安があったんだ。
このあんこ事件をきっかけとして、僕らはプラセボにとらわれているわけではなさそうであると考えるようになったんだ。