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僕は元々、過敏性腸症候群持ちだった。
過敏性腸症候群っていうのは、「ちょっとしたことでお腹を壊しやすい体質」ってイメージで考えてもらえたらいい。
でね、僕はうつ病になってから、お腹を壊す機会が増えた気がしていたんだ。
というか、気づいた時にはもう、毎日下痢をしていたんだ。
確かに子供のころからお腹は弱かったけれど、流石に毎日下痢ってのはおかしいなって感じてたんだ。
「もし、大腸内にカンジダ菌がいるのなら、この下痢という症状はそれによるものなのかもしれない。」
「大腸粘膜を見てみたい。」
そう考えた僕は、次に消化器内科を受診したんだ。
ちなみに前回外来受診のために作成したレポートは消化器内科には持っていけなかった。
現代の医学の常識とは異なる内容を話せば、多少なり白い目で見られるかもしれない。
もう既に十分弱っていた僕は、その怖さに耐えるための精神的な余裕がなかった。
「大腸粘膜を見れば明らかになるはずだ。そうすれば、僕の仮説を書いたレポートなんて必要ない。」
そう思っていたんだ。