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2話:森で生き抜くために

本日二話目です!

 母さんはそもそも俺に興味なんてない。

 父さんですら金のために俺を売り払った。

 親とは思えない行動にしばらく絶句していたほどだ。


 そして俺は奴隷になった。

 兎にも角にも奴隷紋などを入れられなくて助かった。

 俺がそれ位になってから一週間経過したが、その環境は酷いものだった。

 そこからは雑用をやらされる毎日。

 睡眠時間は五時間とれれば多い方だ。過酷な毎日で、昨日話した人が死ぬことだってある。

 過酷な環境下で俺は三年耐え抜いた。

 俺は売れ残ったのだ。しかしやせ細った俺に抵抗など出来るはずもなく、三年耐えただけでも奇跡である。

そんな中、奴隷商人が俺たちの下にやってきた。


「来い」


 連れ出された俺たちは馬車に乗せられて街を出た。

 半月ほどが経過した頃、突然の衝撃に俺は気を失った。


「うっ……」


 目が覚めると辺りは真っ暗で、いつも聞こえていた喧噪も聞こえてこない。

 程なくして視界が慣れ始め、今いる場所が森だということが分かった。

 つまりは……


「今度は捨てられたのか……」


 しばらくして周囲から人の悲鳴が聞こえた。

 俺と同様に森に捨てられ、急いで逃げ出したが魔物に襲われたのだろう。

 同情などしない。

 この世界では人の命など軽いのだから。

 しかしこのままでは俺もいずれは食われてしまう。


「まずは身を潜めるか」


 起き上がりなるべく音を立てずに移動し、寝られる場所を探す。

 小一時間ほど移動すると直系三メートルほどの樹木の根元が腐り空洞が出来ていた。

 俺は木や落ち葉などを使い空洞を隠し、身を潜めるようにして寝るのだった。


 疲れが限界だったのか、気付けば陽が暮れそうになっていた。

 丸一日寝ていたことに驚くも、過酷な奴隷生活をしていたのだから解放されたこともあり気が緩んだのだろう。

 しかし、気を緩めには早い。

 ここは森の中で、魔物が蔓延っている危険な場所だ。


「とはいっても食料か……」


 今の俺に戦う力はない。

 いくら不死に近い力があっても、空腹では力がでないのだ。

 要は車を動かすガソリンがないのだ。


「なんでもいいから食えるものを探すか」


 俺は隠れ家を出て食料を探す。

 途中魔物を見つけるが隠れてやり過ごす。そんな感じで探し回っていると果物があった。

 毒がないかを齧って確認する。

 舌が痺れることはなく、逆に甘く瑞々しい。


「あたりだな」


 そのまま採れるだけ取って隠れ家に戻り腹いっぱいになるまで食べ、久しぶりの満足感なのか睡魔が襲ってきた。


「明日から本格的に動くとしよう」


 翌朝。

 例の名前も分からない果物を食べながら考える。

 まずはステータスだ。


 名前:テオ

 レベル:1

 年齢:13

 性別:男

 種族:人間

 スキル:重力

 称号:転生者


 雑魚もいいところだ。

 戦略を立てようにも俺には戦闘スキルなどない。

 そう言えばジジイがスキルを詳しく見れるようにしといてくれたはずだ。

 転生してすぐに確認してないかだって?

 したわ! 検証しようにもできる環境じゃなかったんだよ!


【重力】

 あらゆる重力を操ることが出来る。

引力、重力拡散etc…


 うーん。あのクソジジイふざけているのか⁉ この説明のどこが詳しくだ!

 戻って殴り飛ばしたい。

 そもそもあの環境でスキルの練習なんてできるはずねぇよ!

 十年間クソ親の奴隷みたいなものだぞ!

 睡眠時間削って練習していたら習得する前に過労で死んでいたわ。

 本格的にスキルと向き合わなければならないのだ。話を戻そう。


 まず、重力とは天体、このような岩石惑星などから受ける引力で、物体の重さの原因となっている力のことだ。

 引力はものを引き寄せたり。

 重力拡散か。昔動画で見たことあるな。

 たしか重力の小さい天体が、重力の大きい天体が通って元々の軌道から離れることだったはず。


 ファンタジー世界なのだ。魔法があるなら魔力がある。

 重力とは万有引力。

 魔力や魔法を引力で収束させたり、魔法を拡散させることで消すことができるのではないだろうか。

 他にも一カ所に重力を課すことで敵を拘束。引力を利用すれば移動や攻撃にも転用できるはずだ。

 このスキルと体術を極めれば、本当に最強になれるだろう。

 今の俺にはこれを理解しなければならない。じゃないとこの森で生きていけないからだ。


「よし。まずはスキルを使ってみよう」


 まずは地面に手のひらを向け、砂が一カ所に収束するように意識を向ける。


「収束!」


 すると一カ所に砂が集まった。

 次に拡散するように意識する。


「発散!」


 集まっていた砂が弾けるように散らばった。


「発動方法は意識すれば大丈夫みたいだ。次は――」


 そこから俺はスキルの練習をしていくのだった。


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