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18話:最高の相棒と最高のダンスを

 国王エルセリオスの挨拶によって舞踏会がスタートした。

 エヴァレット公爵家以外の公爵家が王族へと挨拶をしている。

 するとレグルトが一緒に挨拶に行くように言ってきた。


「俺もか? 平民なのに他の貴族より先に挨拶していいのか?」


 レグルトは目を見開いて驚いており、リディアも同様に驚いていた。

 どこに驚く要素があったのかと言いたい。


「まさかテオ殿がそのようなことを言うとは思っていなかった」

「お父様の言う通りですよ。テオ様がこのような場面で常識なことを言えば当然ですよ」


 いつも非常識だと言いたのか?


「客人だとしてもこれくらいの常識は持ち合わせている」

「主らしくない」

「エイシアス。お前は黙ってろよ……」


 呆れる俺を見てリディアたちは笑っていた。

 程なくして順番が回ってきたので、レグルトが「行こうか」と言ってエルセリオスの下へと進む。

 家臣の礼を取るエヴァレット公爵一家だが、俺はいつも通りにしている。

 だって俺は家臣になった覚えはないからね。

 王国民だが、捨てられた時点で関係ないと思っているし、命令にも従う気はない。

 そんな家臣の礼を取らない俺とエイシアスを見て。周囲の貴族たちは「不敬だ」とヒソヒソと話し始めた。

 しかし、エルセリオスは「構わない」と俺とエイシアスを許したのだ。

 その光景に貴族が驚いていた。


「三人も楽にせよ。それに私とお前の仲だ。前置きなどいらんよ」


 エルセリオスの言葉に顔を上げた。

 そしてエルセリオスだけではなく、王妃、王子、王女が俺とエイシアスに視線が向く。

 王子のレオルドなんて、エイシアスを見て頬を赤らめている。

 もしかして惚れちゃった?

 でもごめんね、もう俺のなんだ。


「こちらが我が娘を助けてくれたテオ殿とエイシアス殿です」

「テオだ。冒険者をしている」

「エイシアスだ。主と同じく冒険者だ」

「国王のエルセリオスだ。親友の娘を、リディア助けてくれて感謝する。リディアは私の娘のような存在だと思っているのだ。だから感謝してもしきれない」

「公爵にも言ったが、助けたのはたまたまだ。気にするな」


 俺の敬う気がない言葉遣いに周囲の貴族がギョッとした。

 護衛の騎士も武器に手をかけ、今にも襲い掛かってきそうだ。


「あ? やるのか?」


 俺が騎士に向かって殺気を飛ばすと、「ひぃっ」と情けない声を漏らして尻もちを着いてしまう。

 その光景に場が静まり返り、すぐに他の騎士が武器を引き抜こうとしてエルセリオスが手で制した。


「テオ殿、すまないな」

「気にしてない。相手が誰であれ、売られた喧嘩は買う主義だ」

「さすが冒険者というべきか。国王の私にそのように接してくれるのはテオ殿が初めてだ。家族ですら敬語で話されるのだ。昔は可愛かったのにな……」

「ちょっ、父上⁉ 昔の話はしないでくださいよ!」

「そうですよ! は、恥ずかしいです……」


 王子のレオルドと王女のイスティリアが恥ずかしそうな表情で父であるエルセリオスに苦言を呈すが笑っていた。


「護衛が失礼いたしました。王妃のセリーナです」

「はじまして。王太子のレオルドです」

「王女のイスティリアです」


 自己紹介をする三人に、俺とエイシアスも改めて自己紹介をした。

 エルセリオスは後で話そうと言ったので頷いておく。

 後がいるので俺たちは下がって、挨拶回りが終わるまで食事を楽しむことにした。

 しばらくして国王へのあいさつ回りが終わった。


「んじゃあエイシアス、踊りにいこうか」

「エスコートを頼むよ、主殿」


 エイシアスの手を取り会場に向かう。

夜の静けさに包まれた大広間は、煌びやかなシャンデリアの下、柔らかな光に満たされていた。高貴な人々が集う舞踏会の中、床にはまばゆいほどに磨かれた大理石が広がり、足音さえも美しく響く。


音楽が流れ、俺とエイシアスは踊り始める。

エイシアスはふんわりと広がるドレスを軽やかに揺らしながら、まるで風に乗るかのように優雅にステップを踏んでいた。足元に目を向けることなく、彼女の視線はパートナーである俺の瞳にしっかりと結びついている。

微笑みを交わし、指先が触れる度、まるで時が止まったかのような瞬間が訪れる。俺の手がそっとエイシアスの背を支え、音楽に合わせて二人の体が完璧な調和を保ちながら動き出す。


ワルツの旋律が甘く響き渡り、周囲の貴族たちは二人のダンスに息を呑んでいた。優雅な旋回、軽やかなステップ、まるで夢の中の情景のように、俺とエイシアスは舞い続けた。


 音楽が終わり告げ、俺とエイシアスが見事に踊り切り優雅に一礼すると、周囲から万雷の喝采を浴びた。


最後までお読みいただいてありがとうございます!


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