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16話:レベル9999が本気でダンスを覚えると

 現代日本で生き、こっちの世界に転生しても平民だった俺にダンスの知識があるわけがない。

 それにどうして俺が王族主催のパーティーなどに出なくてはならないのか。


「出なくてもいいよな?」

「できれば出てほしいと思っているよ」


 俺がどうしてだ? という表情をしていたのを見たのかレグルトが答えてくれた。


「陛下と私はいわゆる幼馴染ってやつでね。陛下もリディアのことは娘のように可愛がってくれたんだ。助けてくれたことを話したら是非、主催する舞踏会にって」


 納得した。だが彼は俺が陛下や他の貴族に無礼なことをするとは考えないのだろうか?

 先ほどの会話で俺が貴族相手に気を使いことなどできないと理解しているはずだ。


「言っとくが、俺は貴族だろうが王族だろうが、敬うことなどしないからな?」

「陛下には君たちが冒険者ということは伝えている。それにリディアから聞いたことを話している。その上で、招待していると理解してくれ構わない」

「わかったよ。それを理解しているなら。エイシアスはどうする? お前が嫌だというなら参加するつもりはない」


 その質問にエイシアスは面白そうに笑う。


「ふふっ、愚問だね。面白そうじゃないか」

「なら参加というこでいいのかな?」

「ああ。だけど俺は踊れないぞ?」


 するとリディアが「私が教えましょうか?」と提案してくる。公爵のリディアから教わればすぐに上達するだろう。しかし、たかが一回だけのために無駄なリソースを使う必要があるのだろうかと思ってしまう。


「私は踊れるが、主は踊れないのだな」


 エイシアスが馬鹿にしたような、それでいて面白そうな表情で俺を見ていた。

 思わず殴りそうになっていたが、俺はジェントルマンなのだ。落ち着け。落ち着くんだ……

 深呼吸をし、エイシアスを睨み付け「後でお仕置きな」と言ってやったが、嬉しそうな表情で「楽しみだ」と言っていたのは見なかったことにしよう。


「リディア。教えてくれ」

「はい。その間エイシアス様はどうなされますか?」

「そうだね、のんびり主の痴態でも見るとしよう」

「くっ、覚えていろよ……!」


 そう言うのが精一杯だった。

 その後はレグルトに衣装がないことを言うと用意してくれるとのことで、お言葉に甘えておいた。

 今日は泊まり込みで練習とのことだったので、宿の方には戻らないことを伝えといてもらった。

 現在、俺はリディアとダンスの先生らしき人からレッスンを受けていた。


「違いますよ。ここはもっと、こうしないと!」

「こ、こうか?」

「はい! いい感じです!」


 数時間で俺のダンスは上達していた。

 だがエイシアスは俺を見てワインを片手に笑っていた。


「あっはっは! 主、下手くそなのだな!」

「エイシアス、テメェ! なら見本ってのを見せてくれよ」

「ふむ。いいだろう。リディア、相手をしてくれ。キミは女性役のままでいい」

「え? あ、はい」


 数分後、俺はガックシと床に膝と両手を突き、敗北感を味わっていた。

 まさか数千年も城に引きこもっていたエイシアスが、ここまでダンスが上手いとは思ってもいなかった。

 リディアやダンスの先生ですら「これ以上にないほど見事です」と感嘆の声を漏らしていた。


「で、どうだったかな? 主よ」

「く、悔しい……! 初めてだよ、ここまでの敗北感を味わったのは……さすが、歳のこ――ッ」


 ゾワゾワッと背筋が泡立ちエイシアスを見ると、表情が笑っているのに笑っていなかった。

 エイシアスに歳の話しは禁句であり、地雷である。


「ではこの私が特別に(・・・・・)ダンスを教えてあげようじゃないか」

「へ? いや、あの……エイシアス、さ、ま?」

「さあ、始めようではないか」

「は、はひ……」


 俺は地獄とも呼べるダンス練習をさせられた。

 リディアの先生も笑っていない。むしろ小声で「こ、ここまで厳しいのは初めて見ました……」と戦慄していた。

 翌日も、俺はエイシアスに連れられてダンスの練習をさせられる。

 レグルトも流石に同情してくれていた。


「王族でもここまで厳しくないよ」


 とはレグルトもリディアも言っていた。

 だがエイシアスのお陰なのか、俺はパーフェクトとも呼べるほど上達した。

 元々のレベルカンストの影響なのかスペックが高く、言われたことはすぐに実行できていた。

 なので当日までには完璧な仕上がりを見せていた。

 リディアも「これは貴族や王族でも顔負けですね」とお墨付きをもらった。

 エイシアスは終始楽しんでいたので夜にお仕置きしておいた。

 


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