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退魔師の事件簿  作者: 灯些季
5/5

桂男ー5

「そういう事ですか。降参しますよ。」

 地面に足を着くと呆れた顔を向ける。

「ナイフを隠し持っていたのはいいですが少しは恥じらいを持って下さい。スカートは堂々とめくるものじゃないです。それで私はこれから本部にでも突き出されるのですか。」

「別にめくったところで減るものじゃねぇしいいだろ。まぁ報告はするがどう対処するかはこっち任せなわけで・・・なあ俺と組まねぇ?桂の記憶操作って便利だよな。俺の監視下って事なら問題ないんだ」

 高明を見つめ妖しい笑みを見せる。

「良いのですか?刃向かうかもしれませんよ?」

「それならもっと酷い事しているだろ。桂は争うよりも共存を選んだからここに来たんじゃないのか?」

「そうですね。ただあなたに協力するにしてももう一押し欲しいんですよね」

「何が望みなんだ」

「倒れるほどじゃなくていいので時々少し生気をくれませんか。普通に食べ物で栄養は補えるのですが一番の栄養は人の生気なのですよ。」

 姿は自分と同じようなものなのに生気が栄養と言葉にされると自分とは異なる存在なのだと思わされる。

「少しならいいけどどうするんだ?」

「この容姿で今まで女性からしかもらわなかった事で察しませんか」

「えーとイケメンだったら何やっても許される的な非道なのか!」

「酷い事じゃないですよっ」

 どうやら高明にはサッパリ思いつかないらしい。

「わからんから実践してみろ。」

「では殴らないで下さいね」

 桂は高明の頭を引き寄せて唇を合わせる。

 途端に高明は力が抜けていくのを感じた。

 が、何をされたのか理解できた途端に目の前の優男の頬を力一杯殴っていた。

「自分の言動に責任持って下さいっっ!」

「知るかっあんな事されたら普通は殴るだろっっ」

 高明を睨んでいたがため息をつき呆れた顔になる。

「だから察しろと。でも恋愛事に疎そうなあなたに言った私がバカでしたね。それでこれからどうすればいいですか」

 恋愛については確かに鈍いと言われているため文句は口に出さなかったが面白くない気持ちはある。しかし今は個人的な感情は出す時でないと頭を切り替える事にする。

「桂は今から俺が管理する妖になる、つまり俺の専属の妖怪だ。退魔師が自分の為の妖を持つことは別に珍しいことじゃないからな。そういうわけだから勝手にいなくなったり誰かの所有物とならないために耳にこのイヤーカフスをつけてもらう。これは俺しか取り外しが出来ない特殊な物だ」

 説明後に桂の左耳に青いカフスをつける。

「これ命令違反したら痛くなるのですか」

「ああそういうことだ。ただお前がよっぽどの事しない限りは力は試行しない」

「なるほど。ではこういう事は許されますか?」

 何を、と聞く前に高明を壁に押さえつけるが腹部に痛みが走り痛みを感じた所を押さえながらのたうち回る。

「試行しねぇ代わりに制裁はするからな。男の急所を蹴り上げられなかっただけでもありがたいと思え。」

「ど、同性相手によくそんな無慈悲な事考えられますね」

「手段は選ばねぇんだよ覚えとけ。あと今のは客観的に見るとか弱く可憐な乙女が時代錯誤のイケメン気取りの変態に襲われているようにしか見えないからな」

 これはキスされたことを相当怒っているのだと理解出来た。

「自分でか弱く可憐てずうずうしくないですか。まあ私は大人しく帰ります。今後もよろしくお願いします」

 そういうと起き上がった桂は姿を消した。

 目的の場所に瞬間移動できるのだとわかった。これでは人間である自分が必死に足取りを探ろうとしても無駄なのだと納得してしまた。 

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