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【11月コミックス2巻発売!】ちびっ子転生日記帳~お友達いっぱいつくりましゅ!~  作者: 沢野りお
完結編 前編

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最後の精霊楽器 10

光の森とは名ばかりの暗い陰鬱な森で、闇の上級精霊ダイアナと光の上級精霊であろうソールと遭遇した。

レンやアリスターたちとも逸れて、不案内な森に一人だったからダイアナと会えたことにホッとしてもいいはずなのに、悪い予感しかしない。


ダイアナは、今までウィル殿下の側にいたときのような静謐な雰囲気を拭い去り、どこか獲物を見るような、それでいて敬愛するような複雑な顔で僕を見ていた。


しかも……僕のこと依代とか言い出した。


何か、僕が知らないうちにとんでもないことに巻き込まれている気がする。

レンがブルーベル家に来たときから、とんでもないことに巻き込まれ過ぎているけど、今回は事情が違う。


「逃げないで、ヒュー!」


「逃げても無駄だよ~」


走っている後ろからダイアナの制止する声と、間延びして気の抜けるソールの声が聞こえる。


「うわっ!」


突然、目の前に光の柱が五本立ち、左右にも一本ずつ、後ろにも三本、光の柱が僕をすっぽりと包んでしまった。


「ごめんねぇ。でも君にいなくなられると困るんだぁ。それに、()のお方も困るでしょ?」


ニコニコ顔の胡散臭い精霊ソールが僕の顔を覗き込んで、わけのわからないことを言う。


「な……()()の人?」


「うん!」


子どもみたいな無邪気な顔で答えてくれたけど……どういうこと?

僕は、すべてを知っているだろうダイアナへ視線を向ける。


「手荒なことはしたくないのよ? でも、目覚めの刻はあちらのお方と同時でないと……我が君が不機嫌になられるのよ」


さっぱり、わからない。


「……僕の()に誰かいるのか?」


そんなバカなと思いたいが、ダイアナとソールは僕を見ているようで、僕ではない誰かを見ている。


「ええ……。貴方とウィルは依代としてその身にとっても尊い方を……」


尊い方? 待って、闇の上級精霊ダイアナと光の上級精霊ソールが尊いとするって……。


「まさか、光と闇の精霊王たち?」


信じられないと否定しつつも、ダイアナに確認すると、彼女は嬉しそうに笑った。


























えっぐ……。


やっと涙が止まってきました。

パンパンッとタンバリンをリズミカルに叩いていたぼくでしたが、やっぱりちょっと心細かったからじんわりと涙が溢れてきちゃって……。


ぐしぐしと泣いてたら、紫紺がバビューンと走ってきてくれました!

白銀も眠ったままだけど真紅も一緒です!


うっうっ、よかったよー。

ひとりぼっちから解放されました。


ペロペロと紫紺と白銀が舐めて慰めてくれたし、もふもふとスベスベでぼくもかなり癒されました。


だけど……よかったよかったで終わらないのが紫紺です。

ぼくが泣き終わってニコッと笑ったら、紫紺のお説教タイムが始まりました。

なんでぇーっ!


「いい? まず森の中であちこち動かない。危ないでしょ。それと……また楽器に触ってしまったのね……」


「あい。でも、まりょく、ながちてない」


いつも、ぼくが楽器を演奏するときに魔力? 浄化の力を使ってしまい紫紺たちを心配させていたから、今回はタンバリンを叩いて音を出しただけです。


「はぁーっ。でも、楽器の形は変わったんでしょ?」


紫紺の追及は緩みません!


「あい……。えっと……こういうのが、これ」


ぼくは両手で最初に見た楽器の形をなぞるような動きをすると、紫紺が興味深そうにじっと見る。


「んで、いまこれ」


チリンチリンとタンバリンのシンバルを鳴らしてみます。

かわいい音がするよね。


「またトンチキなものに……。どうするんだよ、紫紺。これ、またダイアナが嫌味を言ってくるぞ」


「いいのよ、ダイアナなんて。それに……まぁ、演奏しやすい楽器でいいんじゃない? 音楽のセンスがなさそうなアルバートでもできるわよ、これ」


ぼくは怒られなかったけど、アルバート様に被弾してしまいました。

ごめんなさい。


さて、白銀たちと合流できたし、精霊楽器の話もしたし、ちゃんと怒られたし、あとの問題は……。


「にいたま、さがしゅ!」


ここは不思議な森で、瑠璃も桜花も助けにきてくれないけど、白銀と紫紺が一緒なら大丈夫!

暗い森の中でも頑張って兄様を探します!

アリスターも探すけど、ディディと一緒だからあとでね。

兄様はチロがいないので、早く探してあげないとこの森のせいで妖精さんになってしまいます!


「にいたま、よーせー。たいへんなの!」


兄様は妖精になってもカッコよくて強いと思うけど、ぼくの兄様なので! ブルーベル伯爵家の嫡男なので!


「そうね……ヒューも心配だわ」


「いや、紫紺。お前も気づいてんだろう? あっちの明るい森の方にヒューがいるって」


んゆ?

白銀の顔が向いている方向の森は確かに明るい。

キラキラしている。


「あっちに、にいたま、いるの?」


だったら、あっちに行かないと。


「ヒューもいるけど、あいつ()もいるわね」


「んゆ?」


「ああ……ダイアナと、もう一人は……同じくらいの強さ、上級精霊か?」


白銀がフンフンと顔を上に向けて鼻を鳴らします。

ダイアナさんと同じ上級精霊で、あっちは光がキラキラする森……それってもしかして!


「ひかりのせーれーさん!」


そうだ! きっとそうだ! も、もしかして、兄様は光の上級精霊と契約するのでは? そうしたら兄様にも封印のお役目ができて、ぼくと兄様は一緒に神獣クラウンラビットの封印に立ち会えるんだよね!



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◆◇◆コミカライズ連載中!◆◇◆ b7ejano05nv23pnc3dem4uc3nz1_k0u_10o_og_9iq4.jpg
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