0本目 神様に会いました、転生です。
第二話です。
よろしくお願し致します。
『おーい?』
「うわっ!何!?」
急に誰かの声が頭の中へ届き、気が付いたら目の前に光の塊があった。
この永遠に続いていると思われた暗闇のあたり一面を明るく照らし出すほどに、煌々と輝く光の塊だ。
それなのになぜか、眩しく感じることはなくその光は暖かくてどこか安心感がある。
それは何故か人のような形をとっていて、僕に向かって話しかけているように感じた。
さっきまでの暗闇の世界は、1人だけの、自分だけの世界でゆっくりと人心地つくような安心感があったんだけれど、今のこの空間には両親に優しく抱きしめられているような暖かい安心感で満たされている。
この中なら溶けて消えていってもいいと思えるような。
『ちゃんと僕のこと見えてるよね?』
おっと。その何かに話しかけられてる最中だった。
「目の前にあるこの光のことですよね?」
『うん、そうだよ。良かった〜、ずっと話し掛けてたのに全然反応してくれないから、もしかしたら君には僕のことが見えてないのかと思ったよ』
いやー、焦ったよ。という風に自分の頭をかく光の人。
こんなよくわからない状況でこんな様子でいれるなんて、一体どういう存在なんだろう?
神様的な存在だとか?それにしてはフレンドリーすぎるんだよなぁ、なんか少しイメージと違うから……。
『うんうん、それでね、僕は簡単に言っちゃうと、君たちで言うところの神だよ。世界の絶対的存在って言えばわかりやすいかな?』
正確には違うんだけどね。とか言いながらニコニコとしているように見える。
「か、神様?」
え?このなんかふよふよしてる光の塊が?
『失礼だな〜。君も同じようなもんじゃないか』
そう言われたので、自分の体がどうなってるのか見ようとしてみる。
本当だ、体を全然動かせないと思ったら、淡い光の球になってる。
しかし、目の前の存在と比べると、もう消えてなくなっちゃうんじゃないかっていうレベルの淡い光。
死後の世界に淡い光。もしかして今の僕って、魂みたいな状態なのかな?
『魂か〜。まぁ、そんな感じ?それでね、君の事が気になったから見に来ちゃった!』
来ちゃった!なんて友達みたいなこと言われても腑に落ちない。
それに、そんな友達が今生でできた試しが一切ないのだけれど。
『なんか悲しいね、まっ、細かいことは気にしないでよ』
「あれ?今喋ってないですよね?」
『あのね〜、僕は神様なんだよ?心を読むぐらいのことはできるに決まってんじゃん』
「そ、そうなんですか」
この神様の悪口とか、フレンドリーすぎて少し気持ち悪いとか、変なこと考えたらやばいよね、絶対。
『伝わってるからね?』
「そ、それで、何で僕のところに?そもそもここはどこなんですか?」
目の前の彼が、本当に神様なんだとしたら、きっと、この世界のこととか、僕の最後のこととか、色々知ってるんだよね。
『そうだね、まず、ここはさっきまで君が思ってた通りの場所さ。人の、死んだ人のっていうか魂の行き着く先ってところかな。ここで魂はその生を振り返ってこの世界に溶けて消えてゆくのさ、そしてそのエネルギーから新しい魂を作り出す。そう、そういう場所だよ、ここは』
そうなんだ、やっぱりここで僕の存在が消えていくという考えはあってたってことか。
というか、さっきまで考えてたこと全部知られてるの?
思いっきり自分語りとかしてたんだけど……。
『まあまあ、ここはそういうところだから大丈夫だよ。他の人はもっと深くまで、それも自分の存在が消えるまで、周りを気にせずその生を振り返ってるものだしさ』
「他人に知られたのが恥ずかしいんです。」
『大丈夫、大丈夫、だってほら僕は神だし?』
「だいしょばないです。」
そう言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。
それに、それだと他の人と比べて薄っぺらい人生だって言われてるもんじゃないか。
あっそうだった。
「あのっ、僕の最後とかは?」
僕が死んでしまった後、家族とかはどうなったんだろうか。
不謹慎だけど、みんな悲しんでくれただろうか。正直気になる。
『いや、知らないよ。君に会うのこれが最初だもの。全部を全部見てられるほど、僕は全能じゃないんだよ。ごめんね』
「そうですか……」
『それでね、僕がここに来たのは、そうだね、なんとなく思いつきだよ。せっかくだから、君にそのまま次の生を与えてあげてもいいかなぁって思うくらい?』
まさか、そのまま次の人生ってことは、記憶を保ったまま転生できるってことかな。
「えっ!いいんですか?でも、何で僕なんですか、僕なんてそんなに楽しい人じゃないかなって」
『何でって言われてもね〜。何と無くとしか君のことが目に付いたんだよね、こんなの滅多にないことだから誇っていいよ!』
「そうなんですか」
『そう!それで!新しい生を送るとしたら何をしたい?英雄?王様?魔法の世界でそこの支配者になるっていうのは?もちろんだらだら遊んでいるだけの生活もいいんだけど』
急に軽やかな喋りになったので、少し怖く感じる。
あれ?今魔法の世界って言った?
剣と魔法の世界ってことは、つまり、ファンタジー世界ってことかな、そんなゲームみたいな世界本当にあるのだろうか。
「ちょっと待ってください!魔法の世界なんてあるんですか?」
『もちろん!そもそも魔法の世界って作りやすいしね、ちょっといい加減に作っても魔法っていう御都合主義でなんとかなるから、それに神様の奇跡とかポンポンあるからね』
「いい加減に作ってもって」
ちょっと怖いけど魔法の世界があるんだ、もしかしたら小説みたいな活躍ができるのかな?
『もちろん!何だっていいよ!世界を壊さない程度ならね。どんな力でもあげよう。さぁ、君はどんな世界で何を為すんだい?』
急に口調がハキハキとしだして、僕に選択を迫ってくる。正直やっぱりちょっと怖い。
「なんでもいいって言われても……。元の世界とかは?」
一応聞いておく、それが1番いいし、正直元の世界に未練しか残ってないから。
幽霊にはなれない程度にはだけど。
『出来なくはないけど、元の体とかは無理だよ。もう死んじゃったんだろうし、魂を戻してもね。すぐなら大丈夫だったかもしれないけど、死後に蘇るのは君の世界のルールに反するし……』
ここの世界時間が経つのが結構速いんだよ。少し先の別の人になるなら出来るけど。
目の前の神様は少しぶつぶつと考え込んでしまった。そんなに考えさせるつもりはなかったのに。未練はあるけど、せっかくなら全く違う別世界で面白おかしく過ごしたいし。
でも、それはつまらないしって聞こえたのは気のせいですかね?気のせいならいいんですけど、最初に気まぐれって言ってたのはちゃんと聞いてたんですけど、完全に僕で遊ぶつもりですか?
「あのっ!」
『あくまで転生しか出来ないんだよ、ごめんね。君が死んでなければ転移とかも出来ないことは無いんだけど』
話しかけると、そうはっきりと言われた。最初は、復活が出来なくはないけど……。みたいな話だった気がするけど、それはなくなったらしい。
それに死んでなかったら、この人と会うこともないし、元の世界から離れる理由もなかっただろうから完全に机上の空論になってしまうだろう。
『それで?どうする?』
急にそんなこと言われても本当にどうしようかな?断るのはあり得ないし。
そうだね、とりあえず思いついたことを全部言ってしまおうか、ダメなところは諦めればいいし。
「えっと、まず、その世界で十分に活躍できるような力が欲しいです。それと、初めてやる事でもある程度上手く出来てちゃんと鍛えればどんどん上達するような才能を下さい」
『それで?』
まだ大丈夫なのかな?それじゃあ。
「えっと、それで、前世だと結構すぐに死んじゃったので出来るだけ長く生きたいです、いろいろやってみたいですから」
『もう一声!』
「じゃあ最後に、その世界の歴史に名前を残すようななんか凄いことをしたいです!」
楽しそうに僕にそうやって聞いてきた神様は、そこまできくと、僕に向かってビシッと指を差すと言った。
『了解!わかったよ、強い体と高い能力と長い命ね、最後のは行ってから頑張りなさい!』
「あ、ありがとうございます!」
そのあと神様は、数秒悩んだように顎に手を当て頭を傾げると。
『それじゃああの世界にしようかな、まだ作ったばっかりでね1000年も経ってないかな?その世界の中で色々な神様達が存在している世界だよ、そこの最高神の一柱にしてあげよう。神にふさわしい能力をつけてあげるから頑張ってね〜!』
自慢するように早口でそう言った。そして僕がお礼と返事をする前に辺りは白く染まり始めました。
「それじゃ〜、行ってらっしゃい!」
えっ!あれ?僕神になるんですか?
すぐに意識はブラックアウトしました。
おーい!
あれ?見てるよね?
おはこんばんにちは!今日ぶりだね!
合ってるよね?挨拶がおかしい?そんなはずは……。
まぁ、いいや。
我ながらいい案でしょ、この間作った世界に送っちゃうの。
条件は完璧だしね。
まだまだ未完成だからやることいっぱいあるし、神達も個性的な子達ばっかりだったからすぐに仲良くなれると思うよ。
先が気になるって思った人、ちょっと気になって開いちゃったって人は、よければブックマークして行ってよね。
なるべく頑張るけど、忘れられるのは辛いから。
"まだ"始まったばっかりだから評価はしない方がいいと思うよ。
一応、念のためにね、下の方にある五つの星が評価欄で押すだけで評価できるっていうことは、情報として必要な人がいるかもしれないから言っておくけど、"まだ"押さなくていいからね。
それじゃあ。
これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。
平和な松の樹