18本目 宴会をしました、お休みです。
基本的に月曜更新にします。無理だったら無理って言います。
よろしくお願い致しますm(_ _)m
目の前にあるのは、野菜や果物で出来た山。酒臭い樽の山。火が通った肉の山。……うーん。流石にお腹いっぱいです。
食べ過ぎて胸焼けがしてきました。
これらはどうすればいいのでしょうか?
そんな今は生誕130年ほど、この世界は地上よりも時間の感覚がおかしいのでステータスの年齢が私専用の時計になりつつあります。
ですから……えっと、最後に確認したのが……ここに来る前ですね。
120歳でした。
つまり、移動時間含めて10年間食事をしていた訳です。
移動時間が結構占めていると思いますけど、良く食べましたね。
美味しいものをたくさん食べることがこんなに幸せだとはこの100年間考える事しかできませんでした。
この体はいくら食べてもなかなかお腹いっぱいになる事が無かったので怖かったくらいです。
メートル級の実をいくら食べても膨れることのなかったのに何故今は膨らんでいるのでしょうか?
私の腹に何が詰まっているのか怖くなってきたところです。
右側から、そんなに食べると太りますよ!主神様の歓迎用に自然神様から聞いて特別な肉と魚、酒を用意しているのですから!もうやめて下さい!
左側から、この実はぁ、中央大陸群の都市の一つで生産されていたのを改良したものでぇ。
なんていう声が定期的に聞こえていたような気がします。
鈴の音のような美しい声と眠気を誘うような優しげな声が両側から聞こえていました。
新手のASMRですね。正直内容は覚えてないので似たようなものでしょう。
その後、2人とも少しいなくなったと思うと、100人乗っても大丈夫!な大きな船を引いてきて、そのまま食事会になりました。
イズが地面ごと植物を動かして場所を作ると、エイルがその場で豪快に調理を始めて、それをイズが手伝って。
見ているだけで面白かったのですが、私の入る隙が無くて少し悲しかったです。
料理なんてレシピがあってギリギリ作れるかどうかレベルの女子力しかない前世男子なので仕方ないです。
ですが、あると便利そうな道具を生産して俺スゲーする男子心は持ち合わせています。
流石ご主神様!なんて言われながら、みんなで料理して!ドキドキしながら樽を開けて!食べて!飲んで!
そっからの記憶が……。
「どうしたんですかぁ?ユグ様ぁ」
あっ、野菜の山の陰にイズーナ。まだ食べてるんですか。
「いや、なんでも。おはようございます」
「おはようございます〜」
「あれ?イズだけですか、エイルは?」
そこにはイズーナしか居ませんでした。エイルは何処にいるのでしょうか。2人とも仲良いから一緒にいるものだと。
「イズなら、あそこでまだ寝てますよぉ」
イズーナの指差す先には、丸まって眠るエイル……っ。可愛すぎませんか。何かくらっとしました。鼻血とか出てなくてよかった。
酒の山の近くで丸まってふるふると震えながら、寝ています。
エイルさん実は酒豪……とかじゃ無くてコップに掬ってゆっくり飲んでいたらすぐに酔って寝ちゃったんですよ。
神様は状態異常に強いみたいで私は結構余裕でした。まぁ寝てたんですけど。
私の隣にいる娘は最終的に樽から直接豪快に飲んでいたので別格ですね。
それが結構初めの方だった気がするんですけどまだ寝ているようで……。
「もしかしなくてもあれ魘されてませんか?酒の匂いで」
「ですねぇ」
「ですよね。……ですよね!?」
急いで座らせて揺すります。大丈夫ですか?
長い間あの状況でしたから……全然気づかなかった私達が悪いんですけど。
あっ、よかった。起きたみたいです。
「ユグ様ぁ……」
目をうるうるさせて私の名前を呼ぶエイル。……っ、……さ、最近この娘KAWAIIムーブが多すぎませんか?
ちょっとぐらい手を出しても大丈夫でしょうか?
「はい、」
「気持ち悪いです」
はい。申し訳ございませんでした。
「水を出して貰っていいですか?」
水?
……あぁ、気持ち悪いっていうのはそういう。
私の心を読まれた訳じゃ無いんですね。よかった。
その後、香りの良い薬草を浮かべた水を用意したことで事なきを得ました。
「改めて命神殿の案内をいたします!」
余った食料は船に詰め込んで案内は再開しました。
あの船、特定のものだけの時間を停止させるなんて能力がついた時空神の手が掛かったものらしく、容量もかなりのものでした。
私も劣化版ぐらいなら作れるんですけどね!
私の宝物庫は今頃どうなっているでしょうか……。
それから宙にぷかぷかと浮かびながら上に進んでいます。
「命神殿は四層からなっています。二層は浴場、厨房、書庫、遊戯室などを用意してあります」
今いるのが二層で、なんか色々あるらしいです。
でも、見た感じそれぞれが国でも起こせるんじゃないかってほど広くとってありますし、まだまだ土地が利用出来てない雰囲気があります。
それに、絶対管理しきれてないでしょうから本当に用意してあるだけって感じですね。
「本があるんですか?」
それよりも本が気になります。この世界の巨大な書庫!本棚の壁!憧れます。
「はい、勿論」
「書庫寄って行きましょう!」
「書庫は……その、本棚は用意したんですけど、本は数十冊しかないので、それも自室に置いてます」
「そうなんですか……」
ちょっと残念です。
「あっ、本は後で全部持っていくので」
遊戯室も似たような状況だそうです。
「三層はぁ、私達の仮部屋がありますぅ」
三層はエイルとイズーナの部屋。一応自分の社はあるようなのですが、眷属神は大体主神の社に住んでいるみたいです。
そういう説明をされました。
そのまま上へ。ぷかぷか。
地面はすり抜けます。実体があったり無かったりするので。
「四層全体がユグ様の自室となっていますので、好きに扱って下さい。いや、勿論この社全て貴方様のものなので何しても良いですよ」
ここが私の部屋ですか。
見事に何も無いですね。いや、家具はあるんですけど。
少し期待していたのですが、流石に主神の部屋を魔改造はしてないみたいです。
さっき2人の部屋を見たら色々飾ってあったので期待したのですが。
とんでもなのはサイズ感だけだったみたいです。
広い部屋にあるのは、巨大なクローゼット、箪笥、棚、押し入れ。
収納が充実していますね。入れるものは何も無いのに。
あ!ベッドがあります!
早速ダイブ!あっこれいい布団ですね。
もふもふで眠くなってしまいました。
「おやすみなさい」
「えっ、ユグ様!?」
ユグ様!えぇ、寝ちゃいました。
えぇ、ユグ様寝ちゃったんだぁ。
じゃあ、私も寝てくる〜。
そう、ですね。お休みなさい。
……………………。
どうしましょう。寝過ぎたせいで寝れません。
そもそも睡眠は必要無いですし。
……!
そういえば、他の神々に連絡してませんね。
あの方々も主神様に会いたいでしょうし!
主神様……ユグ様。ふふっ、名前で呼んでしまいました。
これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。
平和な松ノ樹




