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11本目 御供物を捧げられました、ドロボーです。

13話目!毎日更新途切らせてしまいました……。

すいません。よろしくお願い致します。


 私の目の前に広がる世界は私の手によって何十年も手入れをされた結果、初めに見た2色からなる綺麗な光景を超えて遥かに素敵な世界になりました。


 はるか遠くまで続く広い地面には植物の力強さを感じさせるような濃い緑が広がっており。

 そんな深い緑が基調の地面には、絵の具袋の全ての色を使って書いたんじゃないかってほどカラフルな花が咲き乱れています。


 それだけではなく、ところどころ全く別の植物が群生していたり、不思議な形をした大きな木が生えていたりします。


 中空には細かい葉をつけた枝が草木を守るように広がっていますし、空には風船に括り付けられてしまったような花がふわふわと浮かび、天には大きな光が存在していて、此処にある全てを輝かせています。


 私の能力をフル活用したことによってさまざまな特殊能力が備わった植物が創られ、伝説になりそうなほどの植物しかない秘境となっています。


 そんな秘境の植物を目当てに遠く見える森から動物達が沢山集まってきて、至る所に巣を作り、草を喰み、敵もいない。そんな動物の楽園になりました。


 私の腕からは、体長5メートルをも超える大きな青い鳥が猛々しく飛び立ち、風を切って飛び去って行きます。

 それは凄い勢いで黄金色の畑に突っ込み獲物を獲りました。


 遠くの土地では、二股の尻尾を大きく揺らしながら歩く金色の毛皮をしたキツネがこれまた雷のような速さで黄金色の畑に入っていき、獲物を漁っています。


 小熊のような体躯の素早いウサギ、でっぷりと大きくなり力強くなったタヌキ、木と見間違えるほどの大きく立派な角を生やしたシカが黄金色の畑に入っていき獲物を漁ります。


 私が創った完全栄養食の麦は動物達に蹂躙されていました。


 訂正します。私の目の前の世界はモンスター達の楽園になっていました。

 

 これだけ強そうな動物ばっかりですけど、みんな温厚でこちらに被害を与えてくるわけじゃないので、見ていて楽しいです。


 ほら。私の創った植物達もなんだか嬉しそう……いや、食べられているだけですから寧ろ生きにくくなっているような。

 やっぱり草食動物は私達の天敵なんですね。


 肉食獣が居ない世界では、草食獣がここまで猛威を振るうんですね。


 あっ。また間違えてしまいました。

 肉食獣がいないのではなく、肉食獣より草食獣が強すぎる世界でした。

 オオカミやクマの嘆きが聞こえてくるような。そんな世紀末がここでは起きています。

 食物連鎖は何処かに逝ってしまいました。


 そんなことを思いながら自分の世界を見守っていると、蜂が私にアピールするように周囲を飛び回っているのに気づきました。

 蜂と言っても体長30センチは軽く超えているような化物です。蜜蜂なはずなんですけどね。


 化物蜂が何かを手に持ちながら、ブンブンと8の字を描きながら飛び回っています。

 これが本物の8の字ダンスですか。餌の方向を指し示すために行うと聞いたことがあります。

 つまり君の今日の餌は私だと……。やる気ですか?はたき落としますよ?


 手に持っているのは……金色に煌く蜜蜂の巣。まさか……巣蜜ですか!?

 もしかして、私にくれるんですか?さっきは勘違いしてすいませんでした。


 蜂蜜ですよ!蜂蜜!!パンケーキにたっぷり掛けて食べたいです。実は甘いものは前から大好物なんです。

 チョコレートとか飴とか、ラムネとか。

 ……今は味覚が無いんですけどね。


 パンケーキは材料と機材の関係で無理だとしても、レモンを創って漬けておくだけで美味しそうですね。

 クッキーやケーキなんかの生地に練り込んで焼くだけで……。


 なんとかなりませんかね。


 とりあえず貰いますね。貢ぎ物ありがとうございます。

 御供物を来たるべき日のために厳重にしまえるように綺麗にうろが空いた木を創りましょう。


 うろの中の空間はコンテナぐらいの大きさまで広げて、うろに入れたものは状態保存されるようにしましょう。


 ポンっと。私にアピールを続けていた蜜蜂の隣に、そんなに大きくない木、うろの空いている木が現れました。もうすっかりこの能力には使い慣れましたね。


 自分のそばに木が現れたことに気づくと、私の意図が通じた様子で蜂はそのうろの中に入っていき、奥の方に持っていた巣蜜を置きました。


 一応神眼で巣蜜を見てみましょうか。もし食べれないものとかだったらこの期待感が一気にゼロになりますけど。

 巣蜜は一時期買ってみたいと思って見てたことがあるんですけど、実物を見たことないのでもしかしたら違うかもしれませんし。


 金色に輝いている巣蜜をロックオンして、ずっと見ているとスプーンで掬い取って食べたくなってしまう。


 えーっと、命神の蜂蜜ですか。私の名前がついているんですね。私の創った花から出来ているからでしょうか。


 それに何か追加効果がついているみたいですね。

 なになに……この蜜をひと舐めするだけで寿命が100日延び一口食べれば10年寿命が延びる。と。


 なるほど?寿命増加ですか。



 いや、チートすぎません?


 この蜂蜜を食べるだけで寿命が伸びちゃうんですね。さまざまなチート植物の花の蜜を集めるとこんなものが生まれてしまうと。


 秘宝とかいうレベル物ですよね。ラストダンジョンの宝箱とかに入ってそうな……。

 怖いです、蜂との共同作業ではあるんですけどこんな物を生み出せてしまう私の能力が怖いです。

 しょうがないので、これらは私が責任を持って処分しましょう。

 蜂蜜♪





 あれからいくつかの年が過ぎ、私の年齢が60を超えまだ何も精力的な活動をしていないのに老後を考える年になってしまいました。


 あの蜜蜂を見習ったのか、他の動物達も私に御供物を毎年のようにくれるようになりました。


 やっぱり、知能が進化してますよね。此処を見守っている私という存在を認識してくれているのでしょう。

 こんなことをされると嬉しくなってしまいます。つい絶滅しかけてた穀物を増量してしまうぐらいには気分があがりますね。

 動物なので話が出来ないことだけが残念ですね。


 此処に巣を張っている動物や虫達が私の御供物倉庫の樹に物を収めるので、沢山のスペースを創ったはずなのに埋まりかけています。


 蜂蜜、花、きのみ、草、果物、花、鳥の羽、などなどのものが詰まっています。

 嬉しいんですけど、嬉しいんですけど、蜂蜜ぐらいしかいらないかなーなんて。


 ありがたいんですよ。こうやって供物を捧げてくれるだけで心が満たされるんですけど。

 そこにある全ては私の作品なので下手な話いつでも作れますし。

 地味に綺麗で大きな羽は何故か心躍るので、ありがとうございます。


 それを眺めながら、動物達のためにのんびりと次はどんな植物を作ろうかなと考えていたらふと遠くから何かが飛んでくるのを見つけました。

 デジャブでしょうか。


 それが前世を含めても初めて見るような不思議な生き物だったので、つい気になって見つめていると、ふらふらと色んな木やカラフルな花畑に寄り道をしながら私に近づいて来ます。

 私のところに来るんじゃないかなとドキドキしながら待っていたら、私を無視して私の宝物庫に入っていきました。

 沢山の御供物が詰まった私の宝箱に無断侵入です。


 しばらく経った後、それはその中から蜂の巣を取り出して来て、私に腰掛けながら、それにゆびを突っ込んで舐め始めました。

 

 その蜂蜜は私のなのに!です!

 

 蜂達はその人に近づきたくないのか、我関せずとそこらを舞っています。

 

 進化した蜂さんたちです。

 決して気づいていないわけでは無いのでしょうが、いや、所詮虫なので気づいていない可能性も確かにありますが。

 それに、鳥達は一目散に逃げ出しました。

 

 蜂蜜泥棒です。

 その泥棒は小さい人間の形をしていました。

 ですけど明らかに普通の人間ではありません。なぜなら背中から蝶のような羽が生えているのですから。

 

——ドロボー!!

 

「木が喋ったのじゃ?」


 私の心の叫びにその生き物は反応したみたいに見えました。

 言葉が通じているのでしょうか。

 

——え?声が聞こえてるんですか?


「聞こえておるよ。お主は何者じゃ?」


 私?私は……


——私は命の神ユグドラシルです


「神樹だとは思ったのじゃが、神が憑いているとは思わんかったのじゃ」


——あなたは何者なのでしょう?


「わしは原初の妖精の1人じゃよ!」

 

 のじゃろりだ!しかも妖精だ!

 すいません。ついテンションが上がってしまいました。

 

 私の異世界でのはじめての話し相手はそんな不思議な生命体なのでした。



のじゃ?


皆様方!はじめましてなのじゃ!


わしはこの世界ができたそのときに生を受けた原初の妖精の1人なのじゃ。


先の展開が気になったお方はブックマーク登録をして欲しいのじゃ。


少しでもこの作品を面白いと思ったのなら、感想、評価よろしくなのじゃ〜!


これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。

                 平和な松の樹

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