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10本目 鳥が来ました、大量発生です。

12話目!時間がかかってしまった。

お願い致します!


 私が木になってから50年もの歳月が過ぎ去って行きました。

 普通にこの世界の人として生活していたらもう子供がいて、孫がいたとしてもおかしくないような年齢ですね。


 この世界の人は生きて80歳、平均寿命は30年とかいう世界なので、もう年寄りなのかもしれません。

 平均寿命が低いのは……さもありなん。元の世界でも昔は子供は死にやすいって話でしたし。


 やっぱり元の世界は生活しやすかったんですね。美味しいものもあって、娯楽もあって、長く生きれる。素晴らしい世界でしょう。


 それに反して私は、味覚がない、娯楽もない、前世は短命。

 はぁ……。自分にダメージを与える系ブラックジョークでした。


 ここにきてすぐの時は小さくか弱かった私ですが、今の身長は500mをも越え、自分よりも大きいものを探すことが難しいほど大きく立派になりました。

 そして、子沢山です、なんて言ったってここ周辺全ての植物の生みの親ですからね。


 子供って可愛いですよね。


 何故急にそんなことを言い始めたのかというと、ついこの前、私は次にどういうファンタジー植物を作ろうかと目の前の花畑に想いをはせていたのです。

 7、8年ぐらい前のことでしょうか。


 目の前に広がる景色を眺めていたら、2羽のつがいの鳥が向こうの森からやっていたのが見えました。


 その鳥は青と銀が混ざったような美しい色をした大きな翼をした、決して小さくない鳥でした。

 この世界に来て初めて見る動物だったので、それはもう興味津々で見ていました。


 その鳥は色々な木を止まり木にしながらも私のところまでやってきて、わたしの1番下の枝にとまったのです。

 そしてすぐにそこに巣を作ると、卵を産んでしまいました。


 私は戸惑いもしたんですけど、私から見たら小さな鳥が頑張って巣を作っているところについ見入ってしまって、気がついたら卵ができていたので、流石に手出しが出来なかったんです。


 鳥が頑張ってそこら中から枝を運んで編み込んでいく様子はなかなか見れるようなものじゃないでしょうし、見ていて楽しかったですよ。


 そんな鳥たちを暫く見守っていると、卵が割れ始め、中から白い雛が出てきました。


 可愛い。生まれたばっかりの雛たちはずんぐりむっくりですが、愛嬌があって可愛いですね。

 生まれたばっかりで白なんて目立ちそうな色合いをしていますけど……可愛いから大丈夫でしょう。


 生まれて初めて目にするものを親と認識するのであれば、絶対目にするはずの私のことを親と認識してくれてもいいはずです。可愛い。


 私が鳥の一家に夢中になっているうちに、うさぎやたぬきなんかの動物もこの平野に来ていたみたいで、結構な穴ぼこが出来ていたのがわかりました。

 親鳥が餌を取りに行ったのを見てやっと気がついたんですけど。


 それだけじゃなく、蝶や蜂なんかの前までは姿を見せなかった虫たちがどこからか現れて花畑で新たな生活を送っていました。


 私が創ったこの世界は私の願い通り沢山の動物達が住み着いていて、さらに楽しいことになったのです。




 それが今はどうなっているかというと……。


 鳥達はあれから毎年新しい子を作りました、ねずみ算のようにどんどん数を増やしていきました。

 鳥だけじゃなく、その他の動物たち昆虫たちも増えていきます。

 ここが我が世と言うように。


 鳥達は増えすぎて、私の腕はマンションのような体様にまでなっていました。

 巣立った子供が隣の木に乗り移り新たな巣を構えたのを見て実はナマケモノなのじゃないかと疑ったほどです。


 元々成鳥だった親鳥ですが数年経っても死ぬことはありません。だって、彼らが食べているのは私の創り出した植物を食べているのですから。


 そのおかげで、普通の鳥なんかよりも頭がいい気がしますし、明らかに元よりも大きく立派に成長しています。

 わたしの存在を認識して、少しわたしの考えを理解してるんじゃないかと思うような時もあるほどです。


 見栄えがあんまり良くないかなって思ったので、周りの木々を増やしてあげたらその新しい木を巣にしようと鳥達が別れていきました。

 元々あった他の木々が特殊なものしか無かったので、大きな鳥が巣を作れるような木がなかったのが問題でした。


 巣を別れる時に最初の鳥が指示を出していたような気がするのですけど……。やっぱり知性あがってませんか?



父上!木が増えました!ご指示を!


お前は上のブックマークの木へ行き、そこに巣を作れ!

お前は下の評価の木へ行き、そこへ巣を作れ!


これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。

                 平和な松の樹

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