8本目 花を作りました、マンドラゴラです。
10話目です!一週間いきました!この調子で頑張りたい。
よろしくお願いします!
この地が砂だけになってから3年が経ちました。
中学生が高校生になり、高校生なら卒業してしまうほどの歳月です。
学生生活3年間って振り返ってみると一瞬に感じますよね。私にとって3年間も本当に一瞬でした。
ついにこの砂漠の終りが見えました。私の創り出したクローバーが茶色の地面をを覆い尽くしたのです。
人や動物の誰も踏み入れたことがないであろうことが簡単にわかるほどまっすぐと伸びた草が陽に照らされ風に揺れて生き生きとしています。
綺麗ですね。あれっ、何故か既視感がっ。
何はともあれ、流石の私でもこんな全ての生命が息絶えてしまっているような砂漠にずっといるのは精神的に疲れてしまいました。
世界樹のある土地が砂漠だとはこれいかに。
あっ、いや、あの神様を責めるつもりはないのですよ。
しかし、こんな土地に世界樹を、命の神を置くとは……。
いやー、神様も業が深いなぁ、と。そう思いませんか?
そこで私はこの渇いた土地を緑化して、素敵な花畑にしてあげようと思いました。
2回目?いや……本番ですよ、本番!前のは練習です。何事にも練習が必要でしょう?
せっかくですからファンタジー的な植物でここを埋め尽くしてあげます!
ファンタジー的な植物ってずばりなんでしょうか。
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マンドラゴラとかどうでしょう!
あの叫び声を聞いたものが死んでしまうとかいう植物です。
流石に人死が出るのは心苦しいですけど、私の周りとかラストダンジョンぐらいの力がないと来れないでしょうし問題ないでしょう。
もし一般人が来れるような土地にあるのであればもう会合しているはずです。きっとそうです。
早速創ろうかと思ったのですが、その前にするべきことがありました。
あの名もなきクローバーくんの名前を決めてあげないと!
クローバーがこの世界にあるかはわかりませんが、もしあった場合、元のそれと私の創ったそれを見分ける方法がなくなってしまいます。
どっかにmade in ユグドラシルとか書いてあれば別なんですけど。
それに今回素晴らしい活躍をした子に報いたいという気持ちもあります。
名前……そうですね。地面に栄養を与えるから……栄養剤……魔剤……。
プラントモンスター!
いや、なんか可愛くないですね。それに、そのうち動物とかを食べはじめてしまいそうなのでやめておきましょう。
そもそも私、そういう系の飲み物怖くて飲んだ事ないんですよね。ペットボトルのエナジードリンクとかは大好きなんですけど。
あぁ、今更ですけど、あの人工的な味はもう飲むことが出来ないのでしょうか。
もしかしたら、この力でそういう味の果物創れそうですね。私に口は無いですけど。
根っこからあれを吸収したら枯れてしまいそうなので……。
もし味覚が備わってからそれは考えましょう。
名前……うーん。そうです!
この子は砂漠緑化計画の結果生まれた便利なクローバーこと、地吹草さんです。
見た目はもちろんクローバーなんですけど、その効果は名前の通り、地に命を吹き込む草です!
いい名前でしょう?
魔力を吸収して、地面に必要な物質をその根っこから放出するなんていうベテラン農家顔負けの植物になっています。
土を口に含んでいい土だななんて言う必要が無くなります。……いや、それちょっとかっこいいですね。
根っこを通して地面から栄養を吸収して。
うーん。いい土ですね。(精一杯のイケヴォ)
さて、私があげた能力をちゃんと生かしているのであれば、理論上この草を植えられたところは、水も栄養もない枯れた土地であったとしてもすぐに植物が生い茂る草原に変えてしまうほどの力を持っているはずです。
畑に使うには、能力が高すぎて難しそうですね。野菜だけじゃなくて雑草まで元気になっちゃいます。
それでも野菜に栄養がいくぐらいには地面を活性化させるのでやっぱり問題ないかもしれません。
後片付けがめんどくさそうですけど。
そうマンドラゴラでしたね。
あの叫び声を聞いたものに深刻なダメージを与えるみたいな根草です。
実はこの世界にはHPの概念があるのです。HPとMPだけは見れるようになっています。神眼の力のおかげかもしれませんけど。
マンドラゴラを引っこ抜くと聴覚麻痺と固定ダメージっていうのはどうでしょうか。
固定ダメージの量は、普通の人間のHPが100でちょっと強い魔物のHPは1000ぐらいらしいので、ダメージ量は1000でいいかな、強すぎると危ないですしね。
因みに私のHPは3000万です。MPはなんと∞!無限です。インフィニティです。いくら能力を使っても無くならないって事ですね。
やっと私が神様たるところが見せれたんじゃないですか。ゲームの裏ボスだってこんな数値滅多に無いですよ。
ですが、HPは3000万。マンドラゴラを3万個も引っこ抜いたら死にます。
聴覚麻痺なんていう追加効果は、全く私に効果無しですね。私には耳にあたる部位は無いので。謎の力で聞き取っています。
それに葉っぱを食べれば回復しますし、全く私には効果なしですね。私には口にあたる部位はないのですけど。根っこで栄養を吸収しています。
よし、それじゃあ、いきますよ!
私が力を込めると、目の前に大きな花がポンっと音を立てて現れました。
マンドラゴラの見た目ですが、上部は赤っぽい色の大きな花になっています。
黒っぽい赤からオレンジ色までグラデーションがあるようにしたので統一性があって綺麗です。
そして、その花の下には大きくギザギザしている濃い色の葉っぱが付いています。
硬くて立派なので、ギザギザに触れたら痛そうですけど、毒なんかはついてないです。そこまで凶悪なものにはするつもりないので。
そして、ここからみることは出来ないのですけど、地下には人型の根っこがあるはずです。
人型と言ってもそんなに精巧なものは作りませんよ。そんなことしたら急に禍々しくなりそうですもん。
下手な土偶みたいな根っこが地面に埋まっているはずです。そして、それが引き上げられ、大量の空気に触れると叫びます。
そして範囲内全てにダメージが。
そういえば、なんて叫ぶんでしょうね?
【痛い!!!】
【助けて!!!】
とか言われた日には泣きながら全て処分する自信があります。
少し不安な部分がありますけど、はじめてのファンタジー植物作成はうまく行きました!
これからどんどんファンタジー植物を創りまくりますよ!
やっぱりマンドラゴラちょっと気になりますね。
せっかくですし、3本ぐらい抜いてしまいましょうか。
周りに生き物居ないですよね。
ちゃんと確認しておかなければ。
うん。いきます!
とりゃー!
【ブックマークッ!!!】1000damage
もう一本!
【感想をっ!!!!】1000damage
ラスト!
【評価を!!評価を!!!!!】1000damage
これがマンドラゴラの叫び声ですか……悲痛ですね。
これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。
平和な松の樹