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完璧少女の亡命先  作者: 雷
2/24

出会い



「いい朝ね。」


私は伸びをして窓を開ける。外にはいつもと変わらない朝市の賑やかさがある。服を着替え、食卓にパンを置く。


「行ってきます。」


きょうだいを起こさないようにそっと外に出る。夜のうちに雨が降ったらしくところどころ水溜まりが出来ていた。


朝市に向かうといい匂いが漂ってくる。最近は柑橘系が人気らしく酸っぱい匂いが強かった。いつもと同じ道を軽やかに進んでいく。賑やかなのは嫌いじゃない。自然と会話が聞こえてくる。今日の話題は隣国の王宮についてらしい。


「隣の女王様が即位したのが二年前のちょうど今日らしいぜ。」

「へぇ、俺はその女王様が貿易を始めるって聞いたぜ。」

「そんな噂が!そうなりゃここも活気づくな!ああ、楽しみだ。...」


(もう二年か...)


私はしみじみと思い返す。そうしていた内に足を止める。着いた先はちょっと奥まったところにある出店。ここの店は場所の割に高く売ると噂されているが店主のアーバンが気前よく安くしてくれる。とても助かっている。


「おはよう。」


アーバンが無愛想な声を出す。アーバンの印象はお姐さんと言ったところか。三十ぐらいに見えるが、実際のところはよく分からない。耳に穴が沢山空いていて髪の色は緑、一部金髪。街の人は怖いというけれど、実は人付き合いが苦手なことを私は知っている。娘が一人。女手一つで育てたらしい。


「これください。」

「はい、お釣り。あんたはもっと食べないとダメだよ。おまけ、付けといたから。」

「ありがとうございます。」


朝市はまだ賑やかだ。石造りの家の間を通っていく。もう最近は迷わない。

~~~

周りとは違う青い扉を開ける。

「ただいま」

小さい声で中に入ると、

「「おかえり!」」

と元気な声が飛んだ。


「起きてたの。」

「うん、スズ偉いでしょ。」


妹のスズは七才。金髪のくるんと跳ねた髪の毛が後ろで三つ編みされている。くりっとした目を輝かせ、エッヘンと胸を張った。


「スズが怖いって起こしてきたんだよ。怖い夢見たって。」


弟のシノが説明してくれる。シノは十三才でしっかりしている。姉としては頼もしい。目付きは鋭い方で最近切ったという青い髪はもう伸び始めている。


「あのね、スズはミャーちゃんにミルクも上げといたの。」

「そうなの、ありがとう。」


私はスズの頭を撫でた。スズはまたエッヘンと胸を張った。


「さぁ、朝ごはん食べよう。」


三人で買ってきたレモンと一緒にパンを食べる。他愛のない話をしながら時は過ぎる。


「それでね、ミャーちゃんたら、他の猫ちゃんまで連れてきちゃったの。だからお兄ちゃんったら」

「全部あげないとかわいそうだろ。」

「もうそろそろ、そのくせ直した方がいいわね。」

「仕方ないだろ!」

「だいたいいつもシノは...」


いつもの口論が始まり、変わらない日々が始まると思っていた。


ドサッ


「スズ?スズ、どうしたの?!」


スズが椅子から倒れた。


「はぁ...はぁ...」


息遣いが荒い。シノがスズの額に触る。


「姉さん、すごい熱だよ。」


幸い嘔吐はしていない。揺らすと危ないかもしれないが...。


「とりあえずベッドに運んで!」

「うん!」

「せーの!」


スズを持ち上げベッドに運ぶ。


この日運命の歯車が動き出した。


~~~


「姉さ...ん。スズは大丈夫?」


シノは心配そうに聞いてきた。


「大丈夫よ。今は落ち着いてる。でも効いたのは眠り薬だけ。ほかの薬は効いてないみたい。熱は下がらない。」

「姉さんの薬なのに?ただの風邪じゃないってこと?」

「私にも...分からないわ。」


私は小さい薬屋の跡を継いだ。ここの近くには薬草がよく取れる山がある。薬や病気に関する知識は結構あると自負している。自慢の薬もあるのだけれど...。


ドンドン。扉を叩く音がした。店の方からだ。


「シノ、行ってくるからスズ見てて。」

「わかった。」


店は家と一体になっていて、表通りに面しているのが店、裏通りの青い扉は家になっている。もちろん中で繋がっている。


店の扉の鍵を開け、扉を開ける。


「はーい。あ、ナテさん。」

「どうも、こんにちは。」


おっとりとしたナテさんはうちのお得意様だ。


「ヤヤちゃんの薬ですか?」

「そうなの。もうすぐ切れそうだったから。」

「はい、わかりました。5タールです。」

「ありがとうね。あんたの薬がよく効くんよ。」

「いつもどうも。」


ナテさんが帰るとシノが店の方に来ていた。妙な胸騒ぎがする。


「姉さん...」

「シノ、店番お願いね。」

「お、おう。」


私は急いで外に出る。山に登ったがどれも試したものばかり、効きそうな薬草は全くなかった。とりあえず切らしていた熱冷ましの草を取って帰ろうとした。


キィーヒョロロロロー


どこからか鳥の声がした。とても似ている声を以前聞いたような。私は頭が真っ白になり、しばらく動くことができなかった。だんだんと意識が薄れていくようだった。


「...だ.....げる.....」


優しく誰かが囁く。


「大丈夫よ。私が守ってあげる。」


~~~


カランカラン

ドアにつけておいたベルが鳴る。


「いらっしゃい。」

「おやおや、今日はシノ君が店番しているんかね。偉いねぇ。儂も若い頃は...」

「ヒノジィ、これだろ。ほい。50シャンだ。」


ヒノジィは若い頃を話し出すと長いから早々に話は切り上げる方がいい。


「ありがとうねぇ。」


オレはヒノジィを追い出してじっくり本、と言っても覚書のようなものを読む。スズの隣に居てあげたいが店を空ける訳にも行かない。世の中、金が必要なのだ。薬屋だけあって薬に関するものは山ほどあった。姉さんは全て読み切ったらしいが俺はまだまだだ。姉さんが見落とすことはないと思うけれど。オレはできることからやるのだ。知識をつけるためにもスズの病気を見つけるためにも。


(それにしても姉さん遅いなぁ。)


いつもならもうそろそろ帰ってくる頃なのだが。まぁ、途中で人助けでもしているのだろう。姉さんはよく言えば面倒見が良くて見つけた病人をよく介抱している。そのつてでたまたま小さな薬屋の店主と知り合った。その人は姉さんの知識を買い、気に入って弟子にした。元は他の家の居候だったオレらはその薬屋で住まわせてもらうことになったという訳である。その店主も一年前に...。


元々のお得意様と姉さんが助けた人達がここの客になっているのでほとんどの人が顔見知りだ。まぁ、国境近くの小さな町だから顔見知りでない人の方が少ないが。ズキン...昔のことは忘れよう。この暮らしに慣れろと言われているのだから。


カランカラン

珍しい。まだ会ったことのない人たちだ。


「いらっしゃい」


そこには不思議な二人組が立っていた。


~~~


不思議とは言い過ぎかもしれない。そこには若い女(いや少女?)と修道服らしいものを着た人がいた。何故薬屋に来たのかわからない程健康に見える。二人が醸し出す雰囲気にはどこかエキゾチックなものがあった。


「どうされましたか?」


オレは自然とそう聞いていた。


「はじめまして!」


元気な声が店に響く。十三.....四?ぐらいに見える少女が言った。オレと同じぐらいの歳に見える。いや、もっと若く見えるし、もっと老けているようにも見える。姉さんは歳より老けて見られがちだがこの人は若く見られすぎて困っている人かもしれない。身長の低さが更に幼く見せるのだろうか。黒く長い髪を後ろの高いところで一つにまとめている。


「それでは答えになっていませんよ。はじめまして、店の方。ちょっとあの方の気の済むまでいてもよろしいですか?」


もう一人が答えた。


「はあ、わかりました。」


オレは答えてもう一人を見る。この人の方がもっと謎だ。炎のような橙がかった赤い髪を低いところで一つにまとめている。イヤリングや、ネックレスなどアクセサリーも炎の形をしている。年齢どころか性別さえわからない。パッと見女にみえるがよく見ると男のように見えてきてそこからだんだん判断がつかなくなる。身長は女にしては高く男にしては低い。それでも来ている服はズボンだから男なのだろうか。喋り方からしてこの「修道士」は「女」の侍従だろう。だが、「女」は普通の庶民服を着ているし身分的には「修道士」の方が上のはずだが。だが一番の疑問は。


(どうしてここに来たんだろう。)


そんなことを考えていると「女」がくるっと振り返った。


「そういえば名前まだ言ってなかったね。ここにはそういう習慣があるんだっけ。私は『リカ』。こっちは『エン』って言うの。」


「女」いや『リカ』はオレに向かって言う。


「『エン』です。」


「修道士」改め『エン』は紹介とともに頭を下げる。


「そういうことだから、よろしくね。」


『リカ』はそう言ってわらった。そしてまた棚に戻る。ここらでは聞かない名前。不思議な発音。


(外人か?)


それにしてはやけにこちらの言葉が流暢だった。


「あっ...。」


『リカ』は見ていた薬を元に戻しこちらに向かって言った。


「そういえば、奥に寝てる子、一回見せてもらえない?」


オレはしばらくの間固まってしまった。


~~~


カイナは焦っていた。


(何か...嫌な予感がする。)


どれくらい自分が気を失っていたのかわからない。気がつけば山の麓の家の前に突っ立っていた。


(早くしなくちゃ)


胸のざわめきが全く収まりそうにない。どうして山の中にいたのに麓にいたのか。そんなことを気にする余裕もなかった。ただ言えるのは自分で降りたということ。他人に運ばれた形跡はあきらかになかった。


自分の家の方にただ走る。他の人が止めるのを気にもとめない。倒れている人にも目もくれない。いつものカイナではなくなっていた。他とは違う青いドアの家、その前には見覚えのない人物が立っていた。


~~~


「こんにちは」


目の前の人はそう言った。年齢どころか性別さえも区別がつかない。男の人にも見えるし、女の人にも見える。


「とても似ていますね。」


ドキッとした。なんのことだろう。


「お兄さんと。」


そうですか、と私は答える。今までだれにも家族に似ていると言われなかった。


「気分はどうですか?」


とてもいい。そう思った途端に眠くなってきた。


「おやすみなさい。」


その声がだんだんと遠くになっていった。


~~~


「スズは大丈夫なんでしょうか?」


オレは耐え切れずに『エン』に聞いた。


「大丈夫ですよ。本人も良いと言っていましたから。」

「良かった。」


心の底から安堵した。何故かこの人ならと不思議と信頼できた。


「うん、良かった良かった。」


『リカ』が突然言い出してびっくりした。さっきまで薬棚を見ていたはずなのに。


「お!もうそろそろコウホが来るみたい。じゃ、よろしくね、エン。」

「リ、リカ様?ちょっと...」


『リカ』は片目をつぶり、外に出ていってしまった。


(自由なんだな。)


きっと『エン』は面倒見役なのだろう。少し同情する。いちいち付き合うのは大変そうだ。『エン』は向き直って話す。


「シノさん、この薬を飲ませてください。きっと二、三日のうちに治ると思いますよ。」

「ありがとうございます。」


それ以上の言葉は出なかった。...しかし、一発で病気を見抜くとは一体何者なんだろうか。


「あの...あなた方は...」


聞こうとした途端に外から大きな音がした。


~~~


「アデゥース(こんにちは)」


私よりも背の低い女の子は綺麗な外国語でそういった。


「アデゥース。ハウイュイナイトゥーリーア(店なら表通りです)。」


今は構っている暇はない。スズが心配だ。


「まぁ、なんて綺麗なナライ語。」


それを聞いた途端怒りが湧き上がってきた。笑みを深めて早口に言う。


「ビコゥアラィンァム(急いでいるので)」


ドアノブに手をかける。その時ある考えが浮かぶ。


(もしこいつが家に入ってきたら...)


ひきつった顔を戻そうとしていると、女が私の手を掴み言った。


「弟妹は元気?」


心臓が跳ね上がる。これは怒りなのか。


(違う、恐怖だ。)


私はこの女を怖がっている。自分と同じぐらいの歳の子を。この女はあの人と似ているのだ。父を壊したあの人と。


私は思わず手を振りほどく。女は笑みを浮かべている。恐怖におののき、後ずさりをしてそばの植木を倒してしまった。


ガッシャーン


その音で我に返る。

この人は...あの人とは違う。この人の目には楽しさが宿っている。こんな状況を楽しんでいることは迷惑極まりないが。


家の扉が開き、シノとまた知らない人が出てくる。鼓動はおさまりつつある。見知らぬ人を訳もなくあがらせるようなシノではない。安心感が押し寄せ座り込みそうになったところを耐えた。


「姉さん、どうしたの!?」

「シノ...なんでもないわ。それよりスズは?無事かしら?」


この数時間で急変することはないと踏んでいたけれど。シノは何故か笑った。


「スズなら心配いらないよ。この人、『エン』さんが治してくれたんだ。」


私は信じられなかった。思わず寝室に向かう。スズは寝息を立てていた。寝顔は出ていった時とは違い安らかだ。

振り返るとシノと二人が立っていた。


「三日安静にしておけば大丈夫だって。」

「そう。」


スズの寝顔を眺める。私はスっと立ち上がった。


「『エン』さま、妹がお世話になりました。ありがとうございます。」


私はお礼を述べる。すると『エン』という不思議な服を着た人は少しはにかんで


「お役に立てて良かったです。」


といった。清々しい青年だと思った。もしかしたら青年では無いかもしれないが青年という気がした。


「私はカイナと申します。こっちは弟のシノ、妹のスズです。ここの薬屋を三人で営んでいます。」


自己紹介をする。相手に不信感を与えないように、相手の情報を得るために。


「へー偉いね。若いのに店主なんだ。」


何故この人がいるのか分からないが女は家の中に入ってきた。どうやら『エン』と知り合いらしい。


「私はリカ、でこっちはエン。私たちは旅人なの。よろしくね。」


リカ、エン。なるほど。ここの辺りでは聞かない名前だし、少し訛っている。シノが言いにくそうにしていたのはそのせいだろう。


「もしかして東洋の国の出身ですか?」


リカが驚いたような顔をする。


「よくわかったね。さすがナライ語を使いこなすだけある。」


東洋の方にはこんな名前がメジャーだと聞いたことがある。訛りもあの国に近かった。ちなみに南の暑い国がナライと言うらしい。


「まぁ、出身ってのはちょっと違うけど。私たちが旅を始めたのはカルタからなんだ。」


私の顔がこわばる。ふと隣を見るとシノも固まっていた。カルタ。あの女もその国の出身だった。


「どうかした?」


リカが顔を覗き込む。思わず反射で後退ってしまった。息が苦しくなってくる。


「姉さん?」


シノが不安そうに見てくる。


(私がしっかりしなきゃ。)


あの女の影がチラつくだけでこんなにも怯えてしまうとは。シノが私を落ち着かせようとしたのだろう。いい花の香りが漂ってくる。深呼吸して息を整える。


「ごめんなさい。慌ててしまって。」

「ううん、大丈夫だよ。」


エンは心配そうにしているがリカの判断に従うように黙っている。


「旅を…されていらっしゃるんですよね。」

「そうだよ。人探し。詳しくは言えないけどね。」


リカはこの時だけ感情を押し殺して答えたような気がした。詳しく説明できないとなると私は協力できないようだ。


「そうですか。お役に立てれば良かったのですが。」


そういうとリカは「大丈夫」とニコリと笑った。私はエンの方に向き直る。


「薬に詳しいのですね。」


するとエンは少し困り顔をして、

「この方と旅をするには並では行けないので。」とリカを見ながら言った。

きっと苦労しているのだろう。少し同情する。


「あの、妹の病気はなんなのでしょうか?」


私では治せなかったのた。これからの参考にしたい。エンは顔をしかめる。答えにくい質問だろうか。


「わかりました。答えにくいようなら仕方ありません。治していただいて本当にありがとうございます。何かお礼でもできれば良いのですが。」


リカの目がキラリと光る。ものすごく嫌な予感がする。できれば穏便に済ませられるものがいい。


「それじゃあ、お言葉にでも甘えちゃおっかな。」


リカがニヤリと笑う。エンの方もなぜだか微笑んでいる。エンがこの状況を楽しんでいる訳ではないと信じたい。


「なんでしょうか。」


シノが落ち着いた声で言う。ただ少し緊張しているようだ。そこまで無茶な要求はしないと願いたい。リカが口を開き、体が強ばる。


「ここに泊めてくれない?」


~~~


「この家に、ですか?」

「そう。」

「今日ですか?」

「そうだよ。」

「そ、それだけですか?」

「それだけ。」


私は呆気にとられた。もっと無茶を言ってくると思っていたのに。

「申し訳ないのですが...場所の提供だけでしたら何とかなりますが。」

「え、いいの?」


満面の笑みを浮かべるリカはとても幼く見えた。


「食事の提供は難しいですよ?」

「そんなの要らないよ。私の食事はこっちで食べるから。寝床だけ欲しかったの。」


リカは今にも浮きそうだ。そんなに泊まる宿がなかったのだろうか。心を読んだようにリカが答える。


「いやー、昨日野宿だったんだけど雨が降ったでしょ。テントも持ってなくって仕方なく木の下で寝たんだけど起きたら寒くて寒くて。春って言ってもまださむいから。」

「……」

「ここらに宿ないし。」


リカが話終わったあとエンも言う。


「私もスズさんの体調が心配ですから。止めていただけるとありがたいのですが。」


今日知り合った人を泊めるのは抵抗があるが、悪い人には思えない。それにどうなるか分からないスズを診てくれるなら頼もしい。


「…わかりました。」


そう答えるしかないだろう。


「ありがとう。」


リカはパーッと顔を明るくする。気のせいか周りまで明るくなった。


「寝る場所は物置部屋かなんかでいいよ。」

「で、ではこの部屋で。」


物置部屋と言っても薬の類は薬棚にあり、季節は春だ。ものはそこまで詰まっていない。失礼かもしれないが他の部屋は提供できないから仕方がない。


「ありがとうー!じゃ、私たちこの街を見て回ってるから!夜になったら戻ってくるねー!」


そう言うとリカは裏通りから出ていった。エンはその後頭を下げ扉を閉めた。


「嵐…」


ほんとに突風が吹いたような心地だった。今日は店を開ける気になれなかった。幸い儲かっているし1日くらい休みをとっても支障はない。


カランカラン


「はーい。」


私は店の方へと向かう。しかし店には誰もいなかった。


(悪戯か?)


私は何も気が付かなかった。店の外に入ろうとしている人がいないのを確認して店を閉めたのだった。




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