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人で在ること
不安という名の怪物が蠢いている
盲目の羊達に混じり自分は狼なんだと言い聞かせ
夢から醒め、どうしようもない現実を目の当たりにして発狂しながら声を殺して泣き喚く
この人は肯定してくれるから味方だ
あの人は否定してくるから敵だ
二極の思考は加速して光を超えてフォーリンダウン
目の前の暖かさを置き去りに
羊達に混じり狂宴の篝火を灯せと囁く
ここに人はいない
翏翏とした寝床はもっと愛をくださいと渇望する
満たされていた頃を懐かしみ独り涙する
いいや違うあの子は信用も信頼もできるんだ
誰かが教えてくれた
そうだ人で在りたいんだと鏡をみて絶望した
一縷の希望を手繰り寄せ握り返す
せめて今夜は静かに眠りたい
不安なんていらないんだ苦しいだけだから




