祖母と父へ
祖母は両親の離婚後に亡くなった。
最後に病院へお見舞いに行った時には痴呆で私の事を認識していなかった。
泣きながら『◯◯だよ』と伝えたが大きくなりすぎて最後まで信じられなかったようで困惑していた。
骨壷の中には僅かな骨しか残っていなかった。
父は一度目の結婚の前に亡くなった。
首を吊り自死だった。
発見してくれた新聞配達の方は『大きなテルテル坊主だと思った』と言っていた。
父が亡くなる少し前に一緒に父と二人で2DKのアパートで酒を飲んだ。
部屋の中は散らかっていたがダイニングの私が居る周辺だけは普段掃除なんてしないだろうにホコリもなく綺麗だった。
『息子と酒を飲むのが夢だった』と言っていた。
死ぬ直前に暴力事件を起こしていて私が警察に迎えに行った。
父は『私は神だ』とか訳のわからないことを喋っていた。
分裂症を患っていたようだ。
遺骨は骨壷から溢れるほどあった。
父の死後、いつか私も父のようになるのかも知れないと怯えている。
フィジカルは極限まで落とし命をかけない限りは暴力に頼らないようにしている。
大切な人に何かあれば命懸けで守るつもりはあるが、リスクのある場面ではかなりのストレスを感じている。
死ぬ時は誰にも迷惑をかけずこんな想いをさせないように死にたいと思っている。