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成人期④
それでも妻と子供のために必死に働いた。
認めて貰えないなら認めて貰えるようになれば良いと信じて。
幸い身体は頑丈だったので数年は酒に逃げながら仕事をした。
この頃の自分は攻撃的な性格をしていたと思う。
会社や上司がこうすべきというものに従い業績を伸ばす事に必死になっていた。
昇進して地方へ転勤になった。
地方独自の緩い感じが肌に合わなかった。
子供にも会えなくなり心を病んだ。
再度弁護士から離婚の旨が届いた。
何もかも嫌になって死のうとしたが死にきれなかった。
気付いたら離婚が成立していた。
その後、体調不良を理由に地方勤務から戻して貰った。
その頃には社内体制も変わっていた。
薬の副作用で以前のように働けなくなっていた。
集中力と思考力が極端になくなり、頭の中が常に霞みがかかったような感じだった。
休職と復職を繰り返していた。
涙も感情も渇れ果てた頃に一人の女性に出会った。