You are... I am...
「う、うそでしょ・・・」
「死にたくない、死にたくないよーー!!」
パァン
あたりに発砲音が響いた。シンと静まり返る草原。
『先ほども言ったように、人狼ゲームをやってもらう。もちろんサバイバル人狼だ。』
変声機を使っているらしく、声が変だった。私は、ジッと、そいつをにらみつけていた。
『なんだ、そこのお前。ずっとこちらをにらめつけてきやがって。』
私のことを言っていた。
『お前、名前はなんだ』
「絵夢、種井絵夢」
『ほう。それで私になんのようだ?』
「こんなことする意味が分からない。どうせ冗談なんでしょ?早く元の場所に返して・・」
パァンという短い発砲音とともにシュッと頬の真横を何かが通り過ぎた。痛みを感じた。かすったのだろうか、傷口が熱い。
『これでもまだ冗談だと思うかな?』
「・・・っ!」
『我々は本気だ。逆らうものには容赦しない。いいな?』
全員そこで悟ったのであろう、逆らうことがいかに無謀なことなのかを。
『ルールを説明する。今ここには二十人いる。十人十人のグループに分かれてもらう。役職は全部で八個、役職無しはいない。内訳だが、人狼二人、狂人一人、占い師一人、霊媒師一人、罠士一人、暗殺者二人、妖狐一人、蝙蝠一人だ。一部の役職によっては武器も異なる。違うのは、罠士、暗殺者、蝙蝠の三種類だ。罠士はスタンダードの装備にトラップ式の爆弾がある。暗殺者は、拳銃の代わりにスナイパーライフルだ。蝙蝠は、罠士、暗殺者の武器のレ≪・≫プ≪・≫リ≪・≫カ≪・≫を持つ。狂人は人狼サイドだぞ。勝利条件だが、人狼は市民サイドの全滅、市民はその逆。妖狐はどちらかが勝った時に生き残っていれば勝利。蝙蝠は最後まで生きていることが勝利条件だ。何か質問は?』
スッと真横から手が上がった。小鷹紅羽だった。
『なんだ?』
「食料はどうするんですか?それと武器の弾とか、あと、スタンダードの装備とは?夜の間は?死亡条件は?」
『安心しろ。エリア中に箱を置いておく。その人にしか開けられないように鍵式になっている。もちろん射貫くことはできない。中に食料、水、弾を入れておく。夜間についてだが、我々が夜十時に鐘を鳴らす。鳴ったら、その場で寝るように。動いていたらすぐに殺す。スタンダードな装備だが、バックパックに鍵、初日分の食料と水、寝袋、拳銃、連絡用携帯だ。死亡条件だが、妖狐以外は普通に死ぬ。妖狐は占い師が占わない限り死なないように防弾チョッキを着せる。占ったことがわかったら、装備品が爆発するようにしてある。ほかは?』
誰も何も聞かなかった。意気消沈しているのだろう。ここからどうなるのだろうか。
『今からグループ分けと、役職を配布する』
そう号令がかかった。私は自分携帯の画面の役職を見て、絶望した。
「こんなの、こんなこといやだ」
こころの中で独り、呟いた。
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その後、役職の内訳が発表された。人狼二人、狂人一人、占い師一人、霊媒師一人、狩人一人、呪われし者一人、妖狐一人、蝙蝠一人、パン屋一人だった。
説明の必要がないくらいテンプレな内訳だったと思う。ややこしいものは説明があった。
「呪われは人狼の襲撃判定を受けたときに人狼になります。狩人は、毎晩一人を選び、人狼から守ります。パン屋は毎朝パンを焼いて自分の存在を知らせます。」
おそらく三階も同じ役職わけだろう。ルールもいたって普通の人狼だった。毎夕処刑があったりだとか、そんな感じでいたって普通な人狼だ。
何の変哲もない、僕がよくやっている人狼と何ら変わりない、ただの人狼だ。
『今から役職を発表する。一回の人たちは部屋にある紙を裏返せ。三階の人たちはモニターを見て待つように。』
僕は、部屋に置かれた紙を裏返して、気づかないうちに口の両端が吊り上がっていた。
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アナウンスに続いて俺はモニターを見て絶句してしまった。
「最悪だな。」
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私はスマホの画面に映し出された役職を見て、何とも言えない感情に飲み込まれた。
全部で四人の主人公がいて、それぞれを描きたいんだけど・・・
小説って難しいな。ここから内容はもっと濃くなります。お楽しみに