Start The Game
一体どのくらいヘリコプターに乗っていたのか。到着したころにはもうすでに夜になっていた。ついた場所はどこかわからなかったが、なんとなく察した。あの時生徒及び先生が乗ったヘリは4機あったのに今では2機しかなかった。兎にも角にも、僕たちに残されたことは、この目の前にある洋館に入ることだけだろう。
「な、なぁヒトハ。俺たち助かると思うか?(小声)」
「いや、わからない。(小声)」
ヘリコプターを降りてすぐに話しかけてきたのは、カズトだった。一応幼馴染ということでそんなに仲が悪いわけではない。チラッともう1機のヘリコプターから降りてきた人たちに目を向けた。そして僕はすぐに気づいた。両方のヘリコプターから降りてきていたのは、運動を得意としない子たちだけだった。
洋館の中に入ると、全員個室に連れていかれた。僕が乗っていたヘリコプターの人たちは一階、もう1機の人たちは三階に連れていかれた。
一階の作りはいたって単純。大広間の周りに廊下がありそこから各部屋に行けるのだ。そして、それぞれ十人ずつぐらいの人数だったと思う。十人程度でやるゲーム・・・
「ま、まさかな・・・そんなこと現実でできるわけがない。」
僕の推理が正しければ、今から行われるのは人狼ゲームで間違いないだろう。しかし、人狼ゲームでは、絶対に誰かは死ななくてはならない。そう、人を殺すことになる。
「ただ、僕にはもうどうしようもないな。」
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「はは。まさかな」
俺はトシキ。自慢じゃないが、運動はできない。だがゲームの腕前ならだれにも負けないだろう。そして、三階に連れてこられた。フロアの構図は小部屋が十部屋あって、ほかは何もなかった。部屋の構図は、有線パソコン一台(メールとかは有線でしかできなさそうだ)、冷蔵庫、シャワー、ベッド、トイレといった具合だった。ふとパソコンの画面に目を向けるとそこに白バックに黒い文字が書かれていた。
人狼ゲーム
すぐに俺は察した。いや、察するまでもなかった。そして絶望した。
ズーズズズーーツッツ
天井にスピーカーがついていた。そこからノイズがしていた。
『あー、あー。もしもし聞こえますか?』
間違いない。学校のアナウンスをしていた人と同じ人だ。
『今から皆さんには人狼ゲームを始めていただきます。三階の人たちはパソコンの画面に従って進めてください。逆らったら、即処刑です。』
最早抵抗する人は誰もいなかった。