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20話 脅迫

 クリスマス。

 聖夜とも書く。

 一年において男女が過ごすリア充の祭典。

 もれなくカップルであるものとそうでないものの落差がとてつもなく大きい、そんな1日である。


 小学生まではクリスマスとはサンタからプレゼントを貰う日であり、恋愛に関する知識など皆無であった。

 中学でもあまりその価値観は変わらない。

 さすがにサンタなどは信じてはいなかったが、家族と過ごすパターンが多かったため、全く気にならなかった。

 そして現在、高校生となった俺はクリスマスというものを特別意識するようになった。

 一因としては…………俺の周りの環境の影響が大きいだろう。


「うわああああああああクリスマスぼっちは嫌だあああああああ!!」

「まだ諦めるのは早いぞ中西! あと1週間……! この1週間以内に彼女を作ることができれば俺達は……!」

「望みを捨てなければ神は俺に微笑んでくれるはず……!」


 3バカである。

 例によってこういう話に花咲かせる奴らがいるものだ。


「お前らは毎回騒がしいのな」

「何を余裕ぶってやがる加藤! お前もどうせ桐生のバーターで部活にくっついて出てるだけなんだから、海野さんや天条さんとクリスマスに接点があるわけでもないだろ!」

「バーターなのは俺自身も分かってるからわざわざ言うな」

「だったら何故にそんなに落ち着いてる?」

「いや、俺彼女いるし」


 ピシッという音が聞こえた。

 こいつらの圧で窓が軋む音?

 それとも血管が切れた音?


「貴様…………それは一体どういうことだ」

「桐生のモブであるお前に彼女だと……?」

「流石に画面の中にいる女の子を彼女と呼ぶのはどうかと思うぞ」

「現実の女の子だわ! 誰が二次元と三次元の違いが分かってない男だ!」


 失礼すぎるぜこいつら。

 でも下手したら俺もこいつらと同じ立場であった可能性が高い。

 偶然の重なりで俺は今、陸川里美とお付き合いさせて頂いている。

 モブの中でも勝ち組のモブである。


「ならいくら積んだんだ?」

「金で買ってねーよ」

「監禁は犯罪だぞ」

「拉致ってねーよ」

「ストーカーはちょっと……」

「思い込みでもねーよ」


 どれだけ現実を直視できてないんだこいつら。

 俺に彼女がいることがそんなに不服か。


「まさか天条さんか海野さんじゃないだろうな」

「バカ言え。俺が彼女達と付き合えるとでもーー」

「「「全く思わない」」」


 即答か。

 そりゃそうだけれども。


「この学校の生徒か?」

「いや、他校だな」

「加藤なんぞに彼女がいるなんて許せんな……」

「うるせ。じゃあ彼女がいないお前らに良いものやるよ」

「何だ?」

「粘土」

「「「それで作れってか!?」」」


 うむ。

 おすすめだぞ。


「ちっ。他人の幸せほど妬ましいものはないな」

「ぶち壊したくなる」

すさみすぎだろお前ら……」

「あ、いいこと思いついた」

「何だ中西」


 こいつらの良いことは、確実に俺にとっての悪いことだ。


「加藤の彼女に女の子紹介してもらおうぜ」

「は!?」

「いいなそれは」

「ちょっと待てお前ら! 紹介も何もこの学校にいくらでも知り合える女の子はいるだろ!」

「俺達のことを知らない女の子がいいんだよ!」

「そうだ! ゼロからのスタートだ!」

「嫌だ!」


 こんな奴らに里美を会わせるのも嫌だ!


「そんな事言うなよ親友」

「いつからてめーらと親友になったよ」

「紹介してくれないと……」

「な、何だよ。脅すつもりか? 入学当初みたいにケンカすっかこのヤロー」

「そんな血を見るようなことはしねーって」

「ただ……」

「?」

「クリスマスにお前の邪魔をするだけだ」

「紹介してやるぞ野郎共おおおおお!!!!」

「「「さすが武将!!」」」


 次回!

 開関高校女子と合コン? 編!




「ていう話があるんだけど」

「えーやだー」


 突入ならず!!!

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