番外:第2章 水浴びした夜の小話
明けましておめでとうございます。
こちら以前にツイッターで頂いたお題で描いたSSです。
時期はまだ『ウイスキーの街』の治療院に来たばかりの頃です。
新年のごあいさつ代わりにそっと置いておきます。
それでは今年もどうぞよろしくお願いします<(_ _)>
お題: 『彼女の冷たい足をあっためてあげる彼氏そんな二人のハートフルストーリーを書いてみたからみなさんもください』
「なんでつま先って冷たくなるんだろう」
「なんだ冷えたのか?」
布団の上で足を引き寄せて摩ってると黒猫君がひょこりと顔を上げた。
「うー、多分水浴びして冷えちゃったのかな? 身体はもう寒くないのに足元だけ寒いんだよね」
やっぱり井戸で身体洗うのは結構冷える。足元が冷えると眠れないんだよね。
ベッドの端で寝ていた黒猫君、コクンと首を傾けてから音もなく立ち上がって私の引き上げた足をくるみ込むように丸まった。
「仕方ないからここで俺が寝てる間にあったまっとけ」
おお、温かい! これはいいかも。黒猫君の体温が毛皮ごしに染み出してきてじっくりと足が温まってきた。そのぬくもりで気が緩んで一気に眠くなる。
「あゆみ、そろそろいいだろ、放せ」
温もりが離れる気配を察した私は逃げようとする黒猫君を逆に足で無理やり引っ張り寄せた。
「おい……こら!」
あ、足を折ると太腿とふくらはぎの両方に黒猫君の身体が当たって全体があったかい。黒猫君が文句言ってるけど睡魔に逆らえず私はそのまま眠りに落ちた。
* * * * *
あゆみ「……って事があって黒猫君、怖がって私の足元で寝るの止めちゃったんですよねぇ。どう謝ったらいいんでしょうか」
キール「あゆみ、ネロが可哀想だから放っておいてやれ」
あゆみ「?」




