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亜人の王と三獣士  作者: 青と黒
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プロローグ (2016/12/23改稿)

「ここは何処だ、何で俺こんなとこに・・・」


周りを見渡すとそこは、ただ草原が広がり遠くに森が微かに見えるがそれ以外何もない、空からは太陽の光がサンサンと降り注いでいた。


次に自分の体に目をやると一見手は人間のそれと同じだか、人との違いは手の甲に生えた毛の量だろう、銀色の毛が手の甲から腕にかけてびっしりと生えていた。それ以外にも頭には耳がお尻からはこれも同じく銀色の毛で覆われた犬のような尻尾が生えていた・・・。


「どうして・・・」


俺が最後に覚えているのは、仕事から帰って疲れて家のソファーで寝てしまったところまでだった。

必死に自分がどうしてこんな状況にいるのかを思い出そうとしていると突然、頭に鈍器で殴られた様な強い衝撃受けた。


「うっ!!」


目の前の風景が霞みオレはそのまま意識を手放した。次に目を覚ますとあたりは既に暗くなっていて、空には月が二つ輝いていた。


そして俺はすべてを思い出した、何故自分がこうしているのか・・・




俺の名前は、ミカミ タカヤ 歳は23歳 東京の会社でサラリーマンとして働いていた。家族はおらず、友人も少なかった。 務めていた会社は世間で言うブラック企業でサービス残業の毎日、心身共に疲れ果てた俺は自宅のソファーで眠りそのまま死んでしまったらしい


何故自分が死んだ事を理解できているのか、それはある女性に聞いたからだ。その女性は、俺が今居る世界アークレイの神様であるヴェルマだ。


ヴェルマはある頼みごとをやってくれるものを探していて俺が選ばれたらしい。

理由は魂の強さ、普通は転生に魂が耐えきれずに消滅してしまうらしいが俺は魂が強く耐えられるのだそうだ。


そしてヴェルマの頼みとは、今、アークレイで人族が亜人と呼ばれる、エルフやドワーフ、獣人たちを迫害しているらしく彼ら彼女らを助け、安心して暮らせる国を作って欲しいと言うものだった。


何故亜人が迫害されているのか疑問に思った俺はヴェルマに聞いてみると人神教と言う宗教が理由らしい。

人神教は人族こそが神が創り出した完成形でそれ以外の亜人や魔族などは失敗作と言うことを主張する宗教でその広まりと共に次第に亜人の迫害も激しくなっていったそうだ。もちろん人神教の教は間違いなのだがヴェルマにはアークレイに行き助ける事が出来ないらしく、俺に助けを求めたのだそうだ。


この話を涙ながらに語るヴェルマの姿に心打たれた俺は彼女の頼みを聞くことにしたのだが果たして自分に亜人の人達を救い国を作り守って行くことができるのか不安だった、しかしヴェルマが自分がバックアップするから大丈夫だと無い胸を張って言ってくれた。

その内容が以下のとうりだ、


<人族から銀狼の獣人への種族の変更>


理由は身体能力の大幅アップだ、獣人は他の種族よりも身体能力が高くその中でも銀狼の獣人はズバ抜けて高いらしい。もう一つの理由としては亜人の人達の信用を得る為と言うのもある。

人族からひどい扱いを受けている亜人の人達に人族が助けに来たと言っても信じてはもらえないだろうからだ。


<国を造る場所の確保>


アークレイは、一つの大陸からなる世界で地球のオーストラリア大陸を5倍位に大きくした大陸でその中に、ベリチィオ帝国、バルマルク聖王国、サグマリア王国、ユスタンシア国家連合の4つの国が存在する。


その内の一つサグマリア王国の領土に大陸から突き出た荒廃した半島がある。半島と言っても日本の四国くらいの大きさがあるのだが、ヴェルマがこの半島を囲う様に結界を張ってくれたのだ。この結界によって俺か俺の許可を得たものでなければ通ることが出来ない


もともとこの半島は、荒れた土地で生物は住んでいなかった、そこでヴェルマがこの土地に結界を張りその内部を緑豊かな土地に作り変えたのだ。


ただし神であるヴェルマをもってしても結界を維持できるのは5年が限界らしく、それまでに人と対抗出来るだけの国を作らなければならない・・・何だか不安になって来た・・・


<ダンジョン>


この世界には、多くのダンジョンがありそこから出る魔石や魔道具、モンスターの素材などが、冒険者の収入源になっている。ダンジョンには、ゴブリンやオーク、コボルトといったモンスターからドラゴンまで幅広いモンスターが生息し下の階層へ行くほど強くなる特徴を持っている。そんなダンジョンをヴェルマがこの半島に作ってくれたのだ。


このダンジョンは特別仕様で10階層ごとにいる守護者を倒すことやランダムで出現する宝部屋で手に入る宝箱から国造りに必要なレアな魔道具や武具などを手に入れることができるらしい。


<アークレイの知識>


アークレイの事を何も知らなくては不便だからとヴェルマが俺の頭に直接知識を注ぎ込んでくれた。



思い出した事を粗方頭の中で整理できた俺は・・・・・・


「まずは現状確認かな・・・・・・ステータス!!」


その言葉に反応して目の前にディスプレイが現れた。



[名前] ミカミ タカヤ

[種族]銀狼の獣人

[性別]男性

[年齢]23

[身長]183

[体重]78


[魔法] なし


[スキル]剣術 Level 2

体術 Level 2

鑑定 Level 5 (Max)

アイテムボックス


[加護]ヴェルマの加護

( スキルの習得や成長が5倍になる)

[称号] 魔を持たざる者

(魔力がなく魔法を一切使うことが出来ない)


「はぁ〜」


あらかじめ聞いていたとは言え改めて突きつけられるとショックはデカイ。


ステータスの称号の欄を見てもらえばわかる通り、俺は魔法を一切使うことが出来ない、脳筋だ。


何故こんな事になったのか・・・

それは、俺が暮らしていた地球が魔法の存在しない世界で魔法に関する素質が皆無だった為らしい。


素質が皆無のものを魔法が使える様にすることは、ヴェルマでも出来ないのだそうだ・・・・・・


「はぁ〜まぁでも無いものはしょうがない!!」


せっかく魔法のある世界に来たのだから、使いたいと言う思いはあったが、出来ないものを考えて居てもしょうがないので気持ちを切り変え俺が今いる半島の中心から北に15キロほどいったところにあるダンジョンを目指す事にした。


「まずは、10階層の守護者を倒すことを目標に頑張りますか・・・・・・」


こうして俺は、国造りに向けて一歩を踏み出した。

期待と不安に胸おどかせながら・・・





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