見事なる高校の一風景
古びた市庁舎に隣接する高校。
一年三組の終礼前だった。
もう師走の寒い日、二学期の期末試験がもう目前に迫ってきている。
教室の外から、廊下でふざけているらしい上級生の叫び声が聞こえてきた。
「こー!こー!こまつまさおーー!」
気がおかしくなったような、ふざけた叫び声であった。
何のことか意味不明で、クラスの一年生全員は、ゲラゲラ笑った。
新任の担任教師曰く、「あんな風になるなよ」
それから二年後。
二学期の期末試験が目前のある日のこと。
一年二組の終礼前だった。
教室の外から、廊下でふざけているらしい上級生の叫び声が聞こえてきた。
「かー!かー!かとうちゃーーー!」
気がおかしくなったような、ふざけた叫び声であった。
何のことか意味不明で、クラスの一年生全員は、ゲラゲラ笑った。
担任教師はおもむろにこう言った。
「あんな風になるなよ。しかもあいつは、小松政夫と加藤茶と区別もできていないしな」