ねずみ
森の奥の小さな小屋に子度は母と姉と3人で住んでいた。
時は幕末。
所は真夏の京。
じりじりと蒸し暑い京の山の奥深くに小さな小屋があった。
そこには母親と姉、そして1人の少年が住んでいた。
彼等は貧しいながらも幸せに暮らしていた。
父親は多額の借金とある刀を残し姿を消した。
少年はそんな父親をひどく恨んでいた。
母は身体が弱く家事は殆ど姉がやっており、少年は
そんな家族を自分が守ると強く思っていた。
「ただいま!」
今日も静かな山に元気な声が響く。
「おかえりなさい、子度。今日は何が獲れたの?」
床に臥せる母が微笑みながら身体をゆっくりと起こす。
「あっ、母さんはそのまま寝てて!今日は小さいけど猪が獲れたんだ!今日は鍋にしよう!」
少年、子度は担いでいた猪を降ろし、履物をぬいだ。
「そう、凄いわね。ふふっ楽しみだわ。」
母は優しく微笑んだ。
「あ、子度!おかえりなさい!」
家の裏から姉がひょっこり顔を出した。
「姉ちゃん!あ、今日猪を獲ったんだ!鍋にしようよ!」
「いいわね!じゃぁ子度、薪を切りに行ってもらっていい?」
「わかった!」
そう言って子度はまた山に入っていった。
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