第42話ダンロード編7
「そんなわけあるかぁぁぁぁ。もう許さねぇぇぞぉぉぉぉ~。私の『マジック・ボム』の』最後の切り札……核」
ノゾムが技名を言うと爆発音よりも先に世界は真っ白に染まったかのように壊れたと一瞬思われた。
ドッガーン
爆発が起こった。
「し、守護氷連陣!っ!」
俺は、ギリギリのところで防御用の技守護氷連陣を発動して何とかして攻撃を防ぐことができた。そのおかげで俺は無事であった。しかし、俺は周りを見渡すと愕然とした。公園が公園が……消えていたのだ。この公園は意外と大きかったのだ。その公園の範囲は完全に消滅をしていて何一つとして遊具や生えていた植物がなくなり土埃しかなかった。
子供たちは囚われていた子たちは大丈夫かと俺はさらにあたりを注意深く見渡す。そして、公園の外側つまりは大通りに子供たちが無事に逃げていたのを見て俺はほっと安心した。さて、俺は子供たちの安否を確認すると再びノゾムと向き合った。
「おいっ!? これはどういうことなんだっ! 答えろノゾム!」
俺は叫んだ。
「フッハハハハハ。もうもう何もかも消滅しちまえぇぇぇぇぇぇぇ。ハァハハハハハッハハハァァァァァァァァ」
「……」
すでに、ノゾムの精神が崩壊していた。これはもう何もできないな。ここで倒すしかない。この男は何もかもやりすぎた。そう思い、俺は『フロストヘイル』を両手に持ちある技を発動した。
「サウザンドブリザード!」
消えろぉぉぉぉぉ。俺は心の中で叫びノゾムに向かって思いっ切り攻撃をした。地面から無数の氷の剣が出現し今にもノゾムに当たろうとしていた。
「ハァァァァハァァハァァァァ」
未だノゾムは精神が崩壊していて回復することなどなく避けるという行動すらできなくなっていた。
「当たれええええええええ」
あと少しというところで無数の剣がノゾムを貫こうとしていた次の瞬間。
「あなたへの想いを抱き、私の愛をこのホットな力へと変えるさぁ、私の愛よ煌け『ラブ・ハート』」
「私の想い、恋の力、愛の力、全てはアナタへの」ためにだけ存在している受け取りなさい『アイ・ユーアー』」
ボワ
突如炎が上がりノゾムを襲い掛かっていた無数の剣は燃やされてしまった。
それは、2人の女性が発動した炎属性の魔導器の技によるものであった。
「新手か」
俺はすぐさま2人の女性から距離を取り尋ねる。2人はノゾムに近寄ると両肩を支えた。そして、俺の質問には肯定の答えを返した。
「ええ、私は帝国党幹部ナツ」
「私は同じく帝国党幹部のナグですが、私達にはあなたとは戦う気は全くありません。ひとまずは退散しましょう」
「おいっ、待て!」
俺は叫んで2人を止めようと駆け寄る。
「では、さようなら。あなたとは会いたくはありませんがまたどこかで」
俺が駆け寄る前にそう言いノゾム、ナツ、ナグの3人は姿を消してこの場から去ってしまった。でも、何とか子供たちが誘拐されずに済んだからよかったということにするか。
「!」
後ろからたくさんの足音がした。
「お兄ちゃんありがとう」
「「「ありがとう」」」
そう言ってきたのはさっきまで囚われていた子供達だ。近くに隠れていたが公園(跡地)からノゾム達が去ったのを見ると俺に近くにわざわざお礼を言うために駆け寄ってきたのだ。
「お兄ちゃん強いね。コロッセにある闘剣場でも上位の成績を出せそうだよね」
俺は子供たちの中でもある1人の子が言った言葉に耳を傾けた。
「闘剣場?」
俺は首をかしげた。
「そう、闘剣場だよ。お兄ちゃん知らないの。この先にあるコロッセという町には闘剣場と呼ばれる競技場があるんだ」
「そうなのか」
闘剣場。なかなか面白そうな場所じゃないか。俺の力がどこまで通じるのか一度ぐらい試してみたいぜ。
「じゃあね、お兄ちゃん。元気でね」
「「「バイバーイ」」」
その後、俺は子供たちと別れた。別れてすぐにケントから連絡があり宿を見つけたと言うので俺はケントに言われた宿に向かって歩き始めた。
日はもう落ちようとしていた。