第39話ダンロード編4
「凍てつく鼓動よ、我の呼び声に従い我を仇なす敵を永却に鎮めよ……魔導器『フロストヘイル』起動っ!」
俺は魔導器『フロストヘイル』を発動した。
俺が魔導器を発動したことには奴らも驚いたみたいだ。奴らは俺が見る限り顔の表情から恐怖を抱いていることが読み取れた。
「こ、こいつ!?」
「ま、魔導器を使えるのか!?」
驚愕している帝国党の奴らもいればその一方では。
「恐れるな! いいから倒せぇー」
「そうだ、俺に続けぇぇぇぇぇ」
周りの奴を鼓舞して必死に士気を下げないようにしようと努力する者もいた。そして、鼓舞していた奴らは実際に俺に攻撃を仕掛けてくる。ただ、その攻撃は俺の目の前から剣を持って特攻同然に突っ込んでくるだけのものだ。俺はその攻撃を3人から受けるがすべてかわす。そして、かわした直後に俺の刀で3人を切り倒す。
「グハッ」
「ち、畜生」
「無念……」
切られた3人は何かをつぶやいてそのまま息絶えた。その最後の姿はあっけないものであった。
「甘いな。そんな腰抜けの剣技じゃ俺を倒すことも殺すこともできないぜ。さっさと終わらせる。氷華の舞!」
俺は残った7人を倒すために魔導器の最大の特徴である魔術を発動する。魔術とは要は必殺技だ。
カーンカーンカーンカーンカーンカーンカーン
1人、2人、3人、4人、5人、6人、7人。それぞれ俺に攻撃をしてきた奴らの剣に一振りずつ俺の『フロストヘイル』を当てる。カーンという甲高い音は刀と剣が思いっ切りぶつかった音だ。
「まだだー」
奴らの中の1人が俺に向かってもう一度攻撃をしようと剣を前に突き出す形で突っ込んでくる。しかし、その状況を見た俺は一歩も動かなかった。
シャキン
「!」
それもそのはず奴ら7人の剣からは突然刃の部分に氷の華が咲いたのだから。そして、華はきれいに咲き誇るとそのまま
パリン
剣は刀身ごと割れたのだ。そう、これが俺の発動した魔術というか技の1つである氷華の舞だ。たった一振りずつ相手の武器に華麗に触れただけでも、その武器から氷の華を咲かせてきれいに咲き誇ったと思ったら一瞬にしてその武器と共に散る。それはこの氷華の舞の能力だ。
「畜生」
「くそがー」
奴らは悔しそうにしている。しかし、もうすでに戦意は喪失している。俺は言う。
「だから言っただろう? 俺を倒すことも殺すこともできないとな」
「ふふふ。それはどうかな?」
「!」
俺は後ろから声が聞こえたので振り返った。そこには新手の敵がやってきていたのだ。
今回は短くなっています。