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第4話城下町編3

                


 「そんなこと、どうでも……って、えぇ~!? まじかよ。それまったく知らなかったぜ。誰から聞いたんだよ」


「さっきレナさんから聞いたんだよっ」


  まったく、だから夢中になりすぎるなって言っているんだよ。少しは周りを見ろってもう何回言っているんだよ。


 「皇女様、どこに行ったのか知っているか? ナヲユキ兄」


  何でそんなこと聞くんだよ。知るわけねぇだろ。


「知らねえよ。そんなこと知っていたら、とっくに騎士団のエリート様達がもう捜し当てているだろっ」


とくに、ケントとかはすぐに見つけるんじゃないかな。ケントは俺と同じ時期に騎士団に入ったのにもう副団長という座に就いているからな。俺も辞めてなければもう少し上の役職になっていたかもな。何て今になってそう考えてしまう。


 「案外この辺にいるんじゃねの」


 「そんなわけあるかぁ。どうして皇女様がこんな下町の近くにいるんだよっ。いいかユーイチ。ここはな帝都の一部としてもな、最上部とは違って豊かじゃないんだよ」


 「そりゃあそうか」


 なんでユーイチはそんな当たり前のことを言うんだよ。あの皇女様がこんな場所にいるわけないでしょう。

もしいたら、金をかけてもいいぐらいだし。

それはともかく……。


「ユーイチ明日の準備するぞっ」


 「よっしゃー。やるかあ!」


 「その意気込みは、毎度うるさいな。少しは黙ることはできないのか?」


「別にいいじゃんか。そのほうがやる気スイッチつくんだし」


  「はあ~もういいっ。そういえば、さっきからネジを探しているんだがどこにやったんだ?」


 「ネジは向こうの引き出しの三番目の扉の中」


「よく覚えているな」


 関心するよ。俺はまったく覚えていないのに。

 もっもしかして老化? こんなに早く老化するなんて、ヤバ。どうしよう。


「ナヲユキ兄、記憶力昔から皆無っていっていいほどなかったもんな」


グズ。

俺、そこまでいわれるなんて。いや、ネガティブになるなもっと前を向こう。


 「よく覚えているな」


  「!」


 「どうだ! これは俺が少し前に言った言葉だぜ。ちゃんと覚えていただろ。ははは」


 「………」


 「なんだよっ!その目は……」


  「べーつにっ。ただ俺の兄がこんなにもバカであったとは……あの頃のの兄はもう帰ってこないんだね」


「俺ってそんなにバカ?」


 「はい、ネジ取ってきたよ」


  「話の展開ハヤッ!? っていうか無視!?」


  どうして兄たる俺が弟に小ばかにされないといけないんだ。少しは兄としての尊厳を保たないとな。


「ユーイチ、聞け。俺はだな……」




          バン



突然、『何でも屋』の入り口のドアが開いた。しかもその音は尋常ではないほどでかかった。俺とユーイチはすぐさまドアの方へと振り向きそして叫ぶ。


 「「誰だっ!」」


 「はぁはぁはぁ」


「あっあなたは!」


 突如俺達の前に現れた少女は俺達二人が知っている人物だった。というより、この町の住人の誰もが知っていてみんなが慌てて探している……。


「「皇女様!」」


 「リーザでいいよ。私のことは」


  (なんで、皇女様がこんな場所にいるんだよ。ユーイチ。お前の感はあったたぞ。よかったな)


  (知らねえよ。ていうよりよくもないよ。どうしてここに来たのか聞けよナヲユキ兄)


  (何でだよ! と言いたいことだが俺も気になっているのでしょうがないな、聞いてあげますよ。兄であるこの俺が)


「皇女様はなぜここにこられたのですか?」


  どうしてここに? まったく見当がつかない。何か依頼でもあるのかな? でも、そうしたら騎士団に頼むよな。うーん。何だろう。

私ねぇ。兄様を探しているんだよね。兄様はどこかに旅に出たまま帰ってこなくて。何かあったんじゃないかしんぱいで。私を助けてくれないかな」


「そっ、そうなんですか。ははあ」


 (皇女様ってこんな性格の人だった? いつもは気品の高い人じゃなかったっけ?)


 (いや、うわさで聞いたことがある。皇女様は実は天然で本当に不思議な方だと)


(そのうわさは、ウソだって話じゃなかったのか?)


 (いや、でも現に本人が俺達の前にいるのだし……)


 俺とユーイチは、お互いの顔を見合わせて皇女様のさっきの言動について話し合っていた。まぁ、正直言うと俺も驚いたけど。しかし、まさかとは思っていたけど、ケントの手紙どおりに皇女様は天然で不思議な方だったなんて。なんかケントが皇女様に振り回されている絵が見える。あいつもあいつで大変なんだな。俺は少し幼馴染に同情してしまった。

 さて、それよりもさっきのことについて聞いておかないとな。


「で、皇女様はお兄さんといいますとナオト様をお探しになっているというわけですよね?」


「うん、そうだよ。私ね、兄様を見つけたいの。あなた達も知っているでしょ? 兄様は時期皇帝候補だったんだけどね。戦地巡礼という名目で旅に出たんだ」


 ナオト皇子。帝国の先代皇帝の長男であり、頭脳明晰、剣の腕は右に並ぶものはなし、そして操る魔導器の能力もすえ恐ろしいものであった。文字道理完璧な人間であり、帝国の誰もが時期皇帝としての器を疑っていなかった。

 しかし、今から4年前に帝国が戦争をやめると同時に失踪し行方不明となった。当時、連合国の者が誘拐したのではないか? という国民の意見を聞き帝国騎士団は帝国中を探し、連合国にも聞き込みをした結果自らの意志で失踪したという結論が出た。

 これには、俺達国民を含め帝国中に衝撃が走った。皇帝は亡くなったため時期皇帝を誰にするのかということでだ。


 「でも、父様が病気で亡くなってからずいぶんたっているから大臣がついには、私を皇帝にしようとしているんだよ」


「大臣? っていうとヨシキか?」


「いや、違うよ」


 俺の質問に対してあっさりと否定されてしまった。ちなみに、このファン帝国には皇帝の下に大臣という役職がある。大臣は13人いてその中でもヨシキは『筆頭大臣』と呼ばれる。実質他の国における宰相という地位である。

 要するにこの国の実際の最高権力者と言ってもいいだろう。


 「今の大臣はヨシキの代から3代代わっているんだよ」


 「じゃあ、ヨシキはどうしたのですか? あいつはそう簡単にやめるようなやつではなかったと思いますが」


 俺は、ヨシキとは知り合いであった。あいつのことは少しぐらいはわかっている。だからこそあいつがどうなったか気になる。


 「ヨシキ……ヨシキはあの日……」


 皇女様はヨシキについて語りだしてくれた。




 まだまだファンタジーとか言いながら戦いの一つもなくてすいません。

 次回からヨシキ活躍編になります。

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