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第36話ダンロード編1

新章突入です。

 舞台は再び帝国に戻る。

 帝国歴313年。


 「うぅーん。もうダメ―。あと、あと5分、あと5分だけ」


 俺ことナヲユキはうなされていた。なぜかって? それは……


 「ナヲユキ兄ぃぃぃぃぃー。起きろ―! 朝だぁぁー」


 「うわぁぁぁ」


 そう、俺は今弟のユーイチに無理やり気分良く寝ていたのに起こされかけていたのだ。

 さて、俺達は帝都ヴァリオンから旅立ち南にある小さな村サファイア村の宿に泊まっていた。


 「眠ぃ」


 「はぁー。まったくナヲユキ兄はもっと早く起きないとだめだよ」


 ユーイチに文句を言われる。無理やり起こされたから目がまだ覚めきっていない。最悪な朝だよ。


 「ナヲユキ。起きるのが遅いぞ」


 ケントにもユーイチと同じことを言われてしまった。


 「まったく、今日からが大切なんだよ。ナヲユキはもっとしっかりしてよね」


 「……はい」


 皇女様にも説教を受けてしまった。しかしながら、眠いものは仕方ない。睡欲人間の三大欲求の1つである理由もこれなら理解が付く。


 「それで、皇女様。これからはどうします?」


 皇女様に尋ねたのはユーイチだ。ユーイチはユーイチなりにこれからどうするか考えているはずだがここは皇女様の意見を尊重するということか。俺の弟は少しは成長したと思う。


 「そうね。どうしましょう? ナヲユキ、ケント、リューホ何か意見はないの?」


 皇女様は俺達に意見を求めてくる。ただ、俺としては特に考えはない。となると、ここはやはり帝国のエリートたる騎士団の副団長であるケントか伝説の司令官リューホの意見となる。


 「そうですね。俺としてはリューホに任せます」


 ケントはそう言った。それに取っついたのはリューホだった。


 「おいおい、副団長様! 僕に任せるというのはどういうことだよ? やはり作戦を立てるのはケント副団長だろ」


 リューホは何で僕がと言っている。対して、ケントは何と答えたかというと、


 「いやぁー。俺は作戦を立てるのは苦手でね。やっぱりここは伝説の司令官の方がいいかなと思いまして」


 リューホは呆れていた。そして、その矛先は俺にも向いてきた。


 「はぁー。どうせさっきから何も言わずに傍観しているナヲユキにも考えは何もないのだろう?」


 むっ。それは心外だな。俺はリューホの問いかけに対して自信満々に答えてやった。


 「別に何も考えていません!」


 「やっぱり考えていないのかよ!」


 ケントが言う。


 「うるせぇよ。ケントだってわかるだろ。俺にはこういうことが向いていないことぐらい」


 「確かにそうだが、だとしたら人を批判できないだろ」


 「誰もケントを批判してねぇよ」


 と、俺とケントが言い合いをし始める。しかし、言い合いはすぐに横から傍観をしていたユーイチによって止められて一言いう。


 「まぁまぁ、2人とももういいだろ? それでリューホさん。これからどうするの?」


 ユーイチは話題をそらした。リューホはその問いに対してとりあえずと前置きをして、


 「まぁ、僕にも考えが一応はあるがとりあえずはケントはどうしたい?」


 ケントに意見を求めた。ケントには意見がなかったはずだがと俺は思っていたが、ケントはあっさりと答えた。


「そうだな、とりあえずは近くの村にでも移動しようか。ここにずっといても追手が来る危険があるかもしれないし移動しておこう。リューホ、この近くに小さな村はあるか?」


 「そうだなぁ。うーんとなぁ。確か、ダンロードという村がここから南に3キロメートルぐらいの場所にあったはずだが……」


 リューホは自分のうろ覚えの記憶を頼りにダンロードという村に行くのはどうかと提案してきた。もちろん、俺達には反論などは存在していない。


 「じゃあダンロードへ行きましょう!」


 みんなを代表して皇女様が言う。俺達は南に向かって歩き始めた。

 そこで、何が起こるのかまだわからないまま──

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