第30話イヴ編4
「まったく、僕の分身を殺してそんなにおもしろかったかな」
「ぶ、分身だと!?」
タカタクが驚いていた。俺も言葉の意味を理解することができなかった。
「そうだ、僕の魔導器『アンティークシューター』の属性は風なんだがこいつは少し面白くてね、幻影という技が使えるんだよ。まぁ、名前の通り自分の分身を作りそのまま戦わせることができるんだ。そいつには意志が一応は存在するがオリジナルほどは強くない。でも、ある程度の強さで戦えるんだ」
だから死んでいないよ、とナルノリは俺に対して付け加えた。
タカタクはその言葉を聞いて逆に目がギラギラと光っていた。まるで、飢えたオオカミのようだ。
「ふん、じゃああれが本気ではないんだな。本気の第二形態を見せてもらおうじゃないか」
「第二形態?」
何だ? その第二形態というのは? 俺はその言葉が引っ掛かり疑問に思ったがナルノリは………。
「僕は戦わないさ。お前にとどめを指すのはタークだ。いいよなそれで」
俺に向かって合図を出してくる。俺もそれに応える。
「ああ、大丈夫だ」
今の俺は落ち着いている。だいじょうぶだ、勝てる。いや、勝つんだ。
「いくぜ、タカタク」
俺は大剣を構える。タカタクは不気味な笑みを漏らし銃を俺に向ける。
まず、俺はタカタクに大剣を突き刺すように見せかける。突き刺すと思ったタカタクは銃口を引きバンという音を出した。しかし、俺は大剣で銃弾をはじいた。これには、タカタクも驚いていた。まさか、避けられるのではなくはじかれるとは思ってもいなかっただろう。
俺は、タカタクの背後をとる。
「烈火刃っ!」
タカタクに向けて大剣を刺した。が、避けられた。続けて何回も大剣を突き刺す。何度も突き刺す。しかし、そのどれも避けられた。俺は一回間合いを作ろうと引き下がった。すると、銃口を向けられバンという音が鳴り響いた………が、俺は避けた。
「はぁぁー、穿ち月!」
俺は素早くタカタクの前に踏み込んで大剣を抱えたまま突進した。
「ぐっ」
さすがのタカタクもこれには避けきることができなかったようだ。とどめといくぜっ! 俺は、タカタクに向かって大剣を突き刺した。これで終わりだぁぁぁぁぁ!
久しぶりの更新です。分量は少なくなっています。