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第20話最強の男編2

  そう死を覚悟したところに。


「ハアーイ。何か面白いことやっているね。僕をちょっと交ぜてよ」


誰だこいつ。何でも屋の中に突然知らない男が入ってきた。隣にいた皇女様はその男の登場にとても驚いていた。


「あれれ、皇女様じゃないですか。どうしたんですかこんなところで?」


「リューホ! ナヲユキとケントに会ったからここに来たのでしょう? なら話は聞いているとおりよ」


皇女様の言葉に対してきょとんとしたリューホは首を傾げて答えた。


「ナヲユキって誰ですか? ケントとも会っていないが話とは一体何のことですか?」


 どうやらこいつがリューホという奴らしい。元兵士で伝説の司令官と聞いていたからもっと真面目で怖い奴だと思っていたが、見た感じ案外面白い奴なのかもしれない。


「リューホとりあえず、ここにいる騎士団員は皆私の敵よ。全員倒してくれない」


「そうですか………了解しました」


さすが、皇女様の言うことは素直に聞くんだな。さすがは元兵士。上司の言うことはきちんと守っている。初対面のときの軽薄なやつと評価した印象は見直さないといけないな。


「世界を破滅に導く核の光が正義の戦いへと誘う、我はそれを愛で変えてみせる魔導器『アトミックウォーロード』愛はセカイを救う」


 リューホは魔導器を開放した。ナヲユキ兄と同じく剣型の魔導器であった。しかし、剣の大きさは極めて小さく短剣といえた。あの小さな剣で伝説になったのか。一体どういう戦いを繰り広げるのだろうか。


 「リューホあなたは私の足下にも及ばない。かつては伝説の司令官と呼ばれた男だがそれはもうかつての話だ。今はもうあの時とは違う」


「もうかつてのことかぁ。確かになぁあの時とはもう実力が違いかもしれないなぁ。でもなお前みたいな赤ん坊に負けるような奴ではないぞこの私は」


ゾクッ。ななんだこの迫力、ただの変な奴じゃないのか。こいつの言葉は一見軽そうに聞こえるが一つ一つ迫力も持っている。強いという言葉しか似合わない。


「私をなめるんじゃない。いきますよ催眠空―――――」


「ソードナイトm@ster!」


ザクッ


 「えっ!?」


 知らないうちにリューホの剣がコーキの心臓を刺していた。あまりにも動きが速すぎて全く見えなかった。すご……すぎる。俺は息をのんだ。そして、戦慄した。


「バッバカな。私が負けるなんて」


 コーキはその場で倒れた。


 「全くねぇ、人をバカにするからこうなるのよぉ。人を殺したくはなかったが許してくれ、この世界の平和のためにも」


 そうリューホは言うと周りの騎士も次々と倒していき、先ほどまで追い詰められていた俺達はどうにか危機を乗り越えることができた。


 リューホがコーキらを倒してから十五分後。


 バン。ドアが突然威勢良く開いた………。


 「ユーイチィィィ~生きているかぁぁぁ~」


 俺はユーイチが死ぬという未来を見てしまったので生死が気になっていた。


 「何だよ。ナヲユキ兄うるさいなぁすこしけがしたぐらいだから大丈夫だ――――」


 「ユーイチィィィ~、無事で良かった~」


 「ナヲユキ兄、きついよ」


 俺はユーイチに抱きついていた。


 「わかったよ。だからはやくどいてよ。死ぬっ死ぬっ、首が締まって死ぬっ」


「あっ! わりぃ」


 とても嬉しくて抱きついてしまった。


「ナヲユキちょっと悪いがいいか?」


「何だよ」


「リューホがここにいるが知り合いだったのか?」


 ケントの言葉で周りを見渡してみると………知らない男がいた。こいつがリューホか。


 「いや、俺は知らないぞ」


 「いやねぇ、たまたま散歩していたら面白いことになっていたから入ってみただけですよぉ。まぁ結果オーライで良かったですね」


 リューホがここまでの経緯を語ってくれた。


「なるほどわかりました。で、リューホ殿にお願いしたいことがあります」


 ケントがいよいよ本題を話し始めた。なんかいい返事をもらえない気がするが大丈夫なのか。


 「お願いねぇ、さっき皇女様から少し聞いたけど本当に僕は必要なんですか? まずあなた達にそれを問いたい」


 最初は軽薄な言葉で話していたが途中から目の色が変わり真剣な目をしていた。スイッチのオンオフがすごい。この男から抱くものは[尊敬]の二文字だ。


 その言葉に対してケントはというと。


 「あなたは俺達にとって必要な存在です。あなたはかつて魔術大戦を経験し平和の尊さを学んでいるはずです。しかし、この国はまだまだ新しい戦いを欲している。そんな中ここに居られる皇女様を皇帝に担ぎ上げ第二次魔術大戦を開く、それが大臣をはじめとしたこの国の意志なんです。だからあなたの求める平和のためにもこの方を帝国から逃がさないといけない。お願いします。一緒にきてくださいリューホ殿」


 「「「お願いします」」」


 ケントに続いて俺、ユーイチ、そして皇女様までもが頭を下げた。


 「ったく。熱くては長い説明聞かされるは、皇女様が直々に頭を下げるなどされちゃえば断ることができないじゃねぇかよ。いいぜ、平和のためにもなるし、お前らといると鳥と話しているより退屈しなそうだからな」


「ありがとうリューホ殿」


 ケントとリューホの二人は握手をした。リューホはその後俺、ユーイチと握手をし、皇女様とは会話をしていた。

そんなわけで俺達は旅立つ前に目的がばれてしまった。でも目的は変わることはない。


「行くぞっ!」


「「「「オー」」」」


 俺の後にケント、ユーイチ、皇女様、リューホが返事をし今度こそ旅に出ることになった。


 しかし、この時はまだ俺達は知らなかった。この旅が世界の命運を変える旅の帝国サイドの話だということは…………。


 第2章完

2日ぶりの更新でした。更新が遅かった割に話は変わらないです。…はい。とにかく新しいストーリーをこれからも考えます。

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