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1日目:「月に住むロボット」

初めまして。アブソリュートと申します。

この小説はそれほど長い小説ではなく、10話ほどで終了する予定です。


温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。

あと、感想やアドバイスなどをいただけると幸いです。


それでは、ごゆるりとお楽しみください。

これは、今からそう遠くない未来のお話。

地球に住む人々は、人口が増えすぎたが故に、月への移住を考えた。

そのためには調査が必要だが、月で長期間生活することは人間にとって厳しいことであった。そこで、人々は自分の分身としてあるものを造った。


---ロボットである。


人々は、自分が造ったロボットに[アストロボット]と名付け、月の調査をしてもらおうと考えた。

このロボットはとても不思議なロボットで、自分たちで考え、行動することのできるのだ。

計画が立ってから5年の月日が経ち、完成した30体のアストロボットは月へと打ち上げられた。


月へと到着したアストロボットたちのリーダー[アルタイル]は仲間と共に大型居住空間[ドーム]を建設し、そこで月の調査を開始し、その結果を地球へと報告していた。


・・しかし、月へ到着してから5年・・突然事件が起こる。


ある日、地球と月との交信が途絶えてしまったのだ。原因は不明。そこで彼らアストロボットは原因究明のため、自分たちで考え、行動し、生活していくことを決めたのであった。


この物語は、事件から20年が経った時のお話・・


---クレーター付近---

地球との交信が途絶えてかれこれ20年、未だ事件の原因は究明されていない。

なぜそうなってしまったのか・・それは今の所誰にもわかっていないが、そんなある日・・突然月に何かが飛来した。

それは月の表面に衝突し、巨大なクレーターを作った。その調査として、ドームに住むアストロボット製造者[シリウス]はクレーターを訪れていた。


「これが・・」


今まで何もなかったはずの場所にできたクレーターを覗きこんだシリウスが見たのは、大きなクレーターの中にある、小さな四角い箱のようなものだった。

クレーターによってできた坂を滑り降り、シリウスは四角い箱を拾い上げる。それは何の変哲もないただの四角い箱に見えたが・・


「・・っ?」


箱を持っているシリウスは、何か不思議な感覚に襲われていた。

頭の中に、声が直接響いてくる感覚。それと同時に、何かのデータが流れ込んでくるような感覚もしていた。


「なんだ・・これは・・」


しかしそれはすぐに治まり、体に異常も感じられなかったため、シリウスは箱を持ってドームへ戻ることにした。


・・この出来事から、更に1年が経過した今・・・


---ドーム・居住エリア---


ここは、ドームの中にある、アストロボットたちが生活する居住エリア。数多くのアストロボットが住んでいる。

事故から実に21年が経過した今、その中で多くのアストロボットが造られ、この場所を拠点として様々な仕事をしている。


ドームは4つのエリアに分かれており、1つはここ、居住エリア。そしてファームエリア、ショップエリア、ジャンクエリアがある。

居住エリアでは主にアストロボットの製造が行われており、他のエリアではこの仕事は一切行われていないのだという。

そして今日も、居住エリアのいたるところからアストロボットを造る音が聞こえてくる。

この[アストロボット製造者]は多々いるが、その中でも優れた技術を持つ者たちは[大工(だいこう)]と呼ばれている。


1年前にクレーターの調査を行ったシリウスは、実はこの大工の一体。彼の造るアストロボットは見た目がとても美しく、性能も高いため人気が高い・・・のだが、彼の家ではアストロボットを造る音が響いていなかった。


「・・人工筋肉・・ムーンコア共に異常なし・・」


シリウスは工房に置いてあるデータ端末の前に座り、アストロボットのデータをチェックしている。

端末からはケーブルが伸びており、その先はベッドの上にいるアストロボットに繋がっていた。

本来ならアストロボットが横たわっているはずのベッド。だが、そこにいたのは人間の女の子のようなロボットだった。

白い肌、腰まで伸びている桃色の髪・・だが、足と腕にはロボットのような装甲・・。


「CPU機能正常・・カメラアイ正常・・」


しばらくデータチェックは続き、いたるところの微調整を終えた彼は、チェックとは別の画面をモニターに表示した。


「チェック完了・・起動といくか」


端末を操作し、起動する準備を終えて、画面に[START]と書かれたボタン表示された。

それに触れて数秒後・・ベッドに横たわっていたロボットは上半身を起こし、辺りをキョロキョロと見渡し始めた。


顔を左右に振り続けるロボットに、シリウスは椅子から立ち上がって声をかけた。


「気分はどうだ?」


声をかけられ、シリウスのほうを向くロボット。

今度は首をかしげ、シリウスに問いかける。


「あなたは・・誰ですか?」


まるで記憶喪失の人間のような喋り方をするロボット。それもそのはず。造られたばかりのアストロボットには記憶が存在せず、生活をしていく中で人間の脳とも言える[CPU]に記憶としてデータを追加していくのだ。

質問をしたのだが質問で返されてしまったシリウスだが、彼は気にすることなく答えた。


「俺はシリウス。お前の製造者だ。そしてお前は・・」


シリウスがロボットの名前を告げようとする。

既にどんな名前にするかは決めており、CPUに保存しておいた名前を口にしようとした。

その瞬間、ロボットは何かを思い出したようにシリウスに話しかける。


「あ、申し遅れました!私はラブと申します!」


「!?」


突然のことに驚くシリウス。

彼が驚いたのはロボットが突然挨拶をしたことではなく、名前を名乗ったこと。

先ほどの通り、造られたばかりのアストロボットには記憶がない。造られたばかりのロボットが名前を名乗るなどあり得ないのだ。だがそれを今、目の前の・・なぜか満面の笑みを浮かべている[ラブ]と名乗るロボットはやってのけた。


(どういうことだ・・?やはりあの箱に何か・・)


このアストロボット[ラブ]は、正確にはアストロボットではない。1年前にシリウスが見つけた箱の中に入っていたデータを元に造られた、人間に近いロボット。

彼はこれを[アストロイド]と名付けた。

見た目は人間の女の子だが、中身はしっかりとロボットであり、構造もアストロボットと似ている。ただ1つ違う点を言えば、彼女の中には[箱]も入っていること。箱の中のデータの中に、そうするように書かれていたからだ。


やはりあの箱には何かある・・シリウスが思考を巡らせて考え事をしていると、いつのまにかベッドから降りていたラブが、心配そうにシリウスの顔を覗き込んでいた。


「あのー・・どうしました?」


「・・!い、いや・・なんでもない」


いずれそのことはわかるだろうと、シリウスはそのことを考えることはやめておいた。それよりも、今は自分が造ったロボットの状態を知っておかなければと彼は考えた。


「ラブ、体に異常はないか?」


異常がないかどうか聞かれたラブは、途端に腕や足、首などを動かし、[アー、アー]と発声したりした。

・・そうしてしばらく確認を行ったラブは、シリウスに異常がないことを伝える。


「大丈夫です!問題はありません!」


「そうか・・ならいいんだ」


ラブの体に異常がないことを確認し、安心したシリウスはまた椅子に座ってデータ端末を操作し始めた。

何をしているのか気になったラブが覗き込んでみると、シリウスは文章を打ち込んでいた。

何の文章かわからず、ラブはシリウスから離れ工房の中を歩いて回った。


工房の中はそう広くなく、ベッドの上に立てば天井に手が届きそうだ。そして、端にはロボットのようなものが数体並んでいた。ラブはそれに興味を持ち、近づいて行った。

それらは、恐らく造られていたのだが途中で製造をやめて放置されたロボットたちだろう。美しいフォルムをしているが、あちこち埃だらけだ。しかしラブには、そのことはわからなかった。

彼女にとっては、仲間が何体も並んでいる、としか思えなかったからだ。


そのロボットたちを眺めていると、突然入口のほうから誰かの声が工房中に響いた。


「オーイ、シリウスー!いるかー!?」


驚いたラブは咄嗟にロボットの陰に隠れ、入口のほうを覗き込む。するとそこには、黒いロボットと黄色いロボットがいた。

シリウスも入口のほうを見ており、その2人の姿を確認した彼はデータ端末の電源を切り、入口のほうへ向かった。


「まったく・・ペテルギウス、そんな大きな大きな声を出さずともこの小さな工房なら聞こえるよ」


「おう、すまんな。何分体が大きいもんでな」


2人の会話を聞く限り、どうやら入口にいる2人は怪しい者ではないようだ。だがラブはそのままの状態を維持し、観察を続けた。

すると今度は、黄色いロボットがシリウスに話しかける。


「ねぇシリウス君、例の子は完成したの?」


例の子・・おそらく、ラブのことを言っているのだろう。

そのことを聞かれたシリウスは黄色いロボットに完成したことを告げ、紹介しようとベッドまで歩き出す。

だがそこにいるはずのロボットはおらず、シリウスは首をかしげる。


「む・・?先ほどまでそこにいたんだがな・・」


「いなくなったってーのか?」


黒いロボットと黄色いロボットも、ラブを探すために工房の中へと入る。

今までの会話から、2人はシリウスの仲間だと判断したラブはロボットの陰から出て、シリウスのほうへと向かった。


「ん・・?」


ベッドの下を見ていて、背後に気配を感じたシリウスが振り返ると、そこにはラブの姿があった。


「ラブ、どこに行ってたんだ?」


シリウスに聞かれると、ラブは無言で部屋の隅を指差した。

そこは放置されたロボットたちが並んでいるところ。

もう造らなくなってしまったロボットたちを見たシリウスだが、今はラブのほうが大切。

1年もかけて造った新型に何かあっては、造られなかった彼らに申し訳ない。


「・・あまり工房の物に触るなよ?怪我でもしたら・・」


「シリウス、あの子たちは動かないんですか?」


不意にラブの口から出た言葉。

動かない・・それは当然のことだ。彼らはまだ完成していないのだから。だが、それ以外の理由がシリウスにはあった。


---造れない。


彼らを造ってやろうにも、シリウスにはもう造ることができないのだ。

あの箱を拾って以来・・・。


だがここで造れないことをラブに教えてしまっては彼女はさらに質問を続けるだろう。

そこでシリウスは、その場しのぎの言い訳をすることにした。


「あぁ、彼らは今眠っているだけなんだ。時がくれば動き出すだろう」


「じゃあ、あの子たちは動くんですか?」


「いつかはな」


彼らが動くことを知り、満足げな笑みを浮かべるラブ。

純粋とは、このことを言うのだろうか。だがその純粋さが、シリウスに罪悪感を感じさせる。

2人のちょっとした会話が終わり、ラブの存在に気付いた黒いロボットと黄色いロボットがラブに近づいた。

その二人は、ラブをまじまじと見つめている。


「ほぉー・・本当に人間みたいだな」


「すごいわね~・・」


2人のロボットに見つめられ、たじろぐラブ。

その様子を見かねたシリウスが3人の間に入り、説明を始めた。


「まずは紹介が必要だな。彼女はラブ。アストロボットとは違うためアストロイドと名付けた。」


「は、初めまして!私はラブと申します!」


自分が紹介されたことを理解したラブは、目の前にいる2人にお辞儀をした。

その様子もまじまじと見つめていた2人。よほど気になるのだろう。

次にシリウスは、2人の紹介をラブにすることにした。


「ラブ、こっちの黒いやつがペテルギウス。そして黄色いほうはプロキオンだ。」


シリウスが紹介したのは、彼より一回り大きい人型のロボット[ペテルギウス]と、シリウスと同じサイズの獣人のようなロボット[プロキオン]だ。プロキオンは見た目が少しシリウスと似ているが、兄妹というわけではない。


「よろしくね、ラブちゃん」


そう言い、突然ラブの頭を撫でるプロキオン。その時ラブが感じたのは、頭が少しだけ揺れる感覚と、彼女の手から伝わる温もりだった。

なぜロボットの手が温かかったのか、ラブには詳しいことは分からないが、ただ温かくて気持ちがよかったと記憶にとどめておいた。


「さてと、私たちはそろそろ帰るとしましょうか」


しばらくラブの頭を撫でていたプロキオンが彼女の頭から手を離し、ペテルギウスに提案する。


「そうだな。シリウス、また何かあったら呼んでくれ」


まだ来て間もない2人だったが、早々に工房を出て行ってしまった。2人はシリウスの工房にラブを見に来ただけだったようだ。

2人を見送った後、ラブはシリウスに質問を投げかけた。


「あの2人はシリウスの友達ですか?」


そう聞かれ、少し考え出したシリウス。

彼ら2人は友達と言えば友達だが、正確にはもっと別の言い方がある。だがシリウスにはその言葉が浮かばす、[仲間]ということにしておいた。

そこでシリウスは、ラブに自分がどのような存在なのかを教えておくべく、彼女を椅子に座らせて話を始めた。


「ラブ、俺たちアストロボットには仲間を造る製造者と呼ばれる存在がある。」


「製造者・・?」


話を真剣に聞こうとしているラブ。シリウスをじっと見つめ、動かない。


「その中でも優れた技術を持つ者は[大工]と呼ばれ、その者が造るアストロボットは芸術とまで言われている」


大工と呼ばれる存在はそう多くなく、かつて最初に月へ訪れた者たちの中に三人だけと言われている。

それ以降その大工の技術は、大工が造ったロボットの一体へと受け継がれていった。

シリウスもそのうちの一人。先ほどのペテルギウスとプロキオンも大工と呼ばれており、この三人は[三大工]と呼ばれている。


「じゃあ、その大工が造ったロボットはすぐにわかるってことですね」


「あぁ。そのうちの1人は、俺だ。」


「えっ!?」


自分を造った者が大工の一人と知り、驚きの声を上げるラブ。

その顔は驚きながらも、大工に関係していることを嬉しく思っているのか、嬉しそうな顔をしている。

シリウスはその後も話を続けた。


「ちなみに、先ほどのペテルギウスとプロキオンも大工だ」


「あの人たちもですか!?すごいです!」


シリウスの話に、純粋な反応を示すラブ。

彼女の笑顔につられ、シリウスも笑顔になっていた。


(不思議だな・・彼女を見ているとこちらも笑顔になってくる・・)


これも箱の影響なのだろうか。だとすると、箱にはもっと凄い力が込められているのではないか・・シリウスはそう考えていた。

考えないようにしようと思っていても、気になってしまう箱の存在。だが箱を調べようにもデータの中にはロックされた個所が多すぎたため、ラブの設計図しか見ることができなかったのだ。

そこでシリウスはとあることを思いついた。ラブに聞けば何かわかるのではないかと。


「なぁラブ、お前のデータの中に・・何か気になることはないか?」


「気になること・・?えーと・・あ、あの子たちの名前です!」


そう言ってラブが指差したのは、工房の隅にあるロボットたち。どうやら彼女に聞いても無駄なようだ。

やはりそのうちわかるだろうとこのことはデータの片隅に置いておくとして、今はラブの質問に答えることにした。


「名前・・か。」


シリウスは戸惑った。完成していないアストロボットに名前を付けるなどラブ以外で今までになく、ましてやここで名前を付けるなどと至難の業。

適当な名前を付ければこの場は凌げるのだろうが・・あまりに適当だとラブに怪しまれる。

だがこのままではどうしようもない。とそこで、シリウスはあることに気付く。

それは、とても簡単なことだった。


「あー・・ラブ、彼らにはまだ名前がないんだ」


「名前が無いんですか?なんだか・・かわいそうです」


シリウスが考えたのは、まだ名前が無いということにしてしまうこと。先ほどは眠っていると言ったが、それでもラブには嘘がばれてないようだ。

だがこの嘘はいずればれる。そうなってしまう前に、何とかしなければとシリウスは考えていたのであった。


そう考えていると、突然ラブから奇妙が音が鳴り始めた。

警告音のようでそうでない不思議な音。音が鳴っていることにラブは驚いている。だがシリウスは驚くことなく、言った。


「エネルギーが少なくなってきたようだな・・何か用意するから待っていろ」


そう言い、シリウスは工房にあった入口とは違う扉からどこかへと行き、戻ってきた時には手にパンを持っていた。


「今はこれでエネルギーを補充できる。さ、食べろ」


「ありがとうございます!」


差し出されたパンを、何のためらいもなく受け取って食べ始めたラブ。これも箱の影響か・・。

シリウスたちアストロボットやアストロイドには、共に[ムーンコア]と呼ばれる動力機関を持っている。

これは有機物を摂取することでそれらをエネルギーに変換し、生活するためのエネルギーとしているのだ。

当然エネルギーが無くなると動けなくなってしまうのだが、少しの有機物で一日の活動エネルギーへと変換することが可能であるため、普通に生活するだけなら一日に必要な有機物摂取回数は一回で済む。

しかし、工場で働いていたりするアストロボット達などはエネルギーを多く消費するため、一日に二度の摂取が必要となる。

まるで人間のようなロボット・・地球の人々はそれを目指してロボットを開発した結果、彼らが誕生したのだ。

ちなみに、スリープモード中はエネルギーを消費しない構造となっているのだ。


「あむっ・・むぐむぐ・・」


「・・・」


パンを食べ続けるラブを見つめるシリウス。

人に近い形をしているアストロイドは、行動すべてが人間そのものだ。当然考え方だってアストロボットとは異なる。

そこがシリウスの興味を引く対象となっている。彼女が今後どのように成長していくかが、彼にとってとても楽しみとなっているのだ。

やがてパンを食べ終わったラブは、両手を合わせて「ごちそうさまでした」と呟いた。


「・・不思議なものだな、お前は」


「え?そうですか?」


「あぁ。俺が知らないことをお前は知っている・・いつかは俺がお前に色々と教わることになりそうだ。」


それを首をかしげるラブ。普通のアストロボットにはごく普通の反応だ。

彼女はこれからも成長を続ける。その中で、何か特別なことが彼女に起こるかもしれないと、シリウスは考えていた。


不意に天井にある窓を見るシリウス。そこから入ってくる光は弱弱しく、もうすぐ夜が来ることを示していた。


「もう夜か・・ラブ、そろそろ寝るとする・・か・・」


窓から視線をそらし、シリウスはラブのほうを見る。すると、彼女は椅子に座ったままスリープモードに入っていた。

やれやれといった様子でシリウスはラブを抱え、ベッドの上に置いた。これで椅子から転げ落ちる心配もないだろう。


「本当に・・不思議なものだな」


その呟きはラブには聞こえていなかったが、シリウスは満足そうだった。

ラブを寝かせたシリウスはデータ端末の近くに置いてある箱からエネルギー缶を取り出し、明日の活動エネルギーを補充し始める。

彼には口と言うものはないが、顔の辺りに備えられた給油口と思われる場所にエネルギーを流し込んでいく。


「・・よし、俺も寝るとするか」


エネルギーの補充を終えた彼もまた、スリープモードに入るべく、ラブが眠っているベッドの近くに座った。

人間と違って布団などを必要としない彼らは、寝ようと思えばどこででも寝ることができる。

そこが、人間との違いだろうか。


「明日は・・どうするかな」


ラブを造ってしまった今、彼にはもうやるべきことが無い。

いや、できないと言ったほうがよいのだろうか。

何かを考えるでもなく、彼もスリープモードに入った・・・。



---1日目・終わり---




いかがだったでしょうか、「アストロボット-ラブと月の物語-」1日目。

今後も不定期ではございますが、頑張って更新していきたいと思います。


感想、アドバイス、要望などいつでも受け付けております。

ではまた次回をお楽しみに。


次回からは用語などを説明していこうと思います。

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