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青春リテラシー。  作者: シュレディンガーの羊
9/15

08:針千本、お飲みになります?




「なぁ、相澤」

「なんだよ、倉上」

「一生のお願いとやらは人生で何回なら使用可能だ?」

「……お前はいったい人生を何回やり直せばまともになるだろうな」




「針千本を飲んだらどうなる」


倉上がまた懲りずにそんなことを言った。

「とりあえず、喉の中がハリネズミ状態だろ。というか、常識的に考えて飲む奴いないと思うぜ?」

「そんなこと言ったら警察はいらないぞ」

「いや、むしろいるだろ。実際にあったらまず大事件になるから」

「そうしたら、それは自殺、それもと事故扱いか? それとも、計画的犯行と勘ぐられるのだろうか」


わざと果たせない約束をふっかけて、針千本の約束を交わさせる。

そして、果たせなかった約束を糾弾して、針を飲ませる。

なんかすごく嫌だ。

そんな殺人には死んでも関わりたくない。

まぁ、死んだら関われないけど。


「嘘つきは泥棒の始まりだというからな。約束を違えるのは重大な犯罪に匹敵するわけだ」

「それにしても、針千本って。なじみのあるフレーズなわりに怖いよな」

「だが、口を縫い合わされるよりはよっぽどいいだろう?」

「な、針のもとはそこからきてんの!?」

「いや、なんとなくだ」


なんとなくでそんなグロいことを言う友人は嫌だ。

よし、倉上に不用意な約束は言わないようにしよう。

と、倉上が口を開く。


「あぁ、忘れるところだった。相澤、約束覚えてるか」

「は?」

「なら相澤、一生のお願いだ」


下げられた頭に嫌な予感しかしない。


「借りた初回限定版CD、壊した。許してくれ」


嫌な予感的中。

俺、貸すときに「絶対に壊すな」って言ったよな? 約束したな?

……なぁ、倉上?

針千本って百均に行けば売ってんのかな?




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