また、おはよう
――三日前に見た、あの、超現実的な夢を、また、見た。
じっとりと、肌が汗で湿っている。
昨晩は、連日の夏の予兆から逸れて、むしろ肌寒いくらいの夜であった。
夜風に当たれば、また春の残滓が風に匂う、そんな肌温度であったのだが、今朝は、初夏も過ぎたような汗ばみで起き上がった。
触覚さえ確かな超現実的な夢。奇妙な体験であったけれど、まあ、夢だなと、ベッドから身を起こす時には頭が整理されていた。出てくる人物がたった一人であるところが、いかにも、空想に馳せることの少ない俺らしい想像力だ。あれは現実的なだけの夢なのだろう……。
それにしても、夢の中の俺は、大変にマヌケだったな。
夢中での事とはいえ、気分はよろしくない。
夢の中でのことに反省しながら、様々をこなすという珍しいことをしながら、食事を取ったり、身なりを整えたり、いま手元にある書類を確認するといったことをした。
外に出ると、夢のことは一旦、頭から消えた。人肌にちょうど良い、涼やかな風になぶられて、現実を思い返し、そこに思い馳せたからだ。
薫りの良い冷たい息吹を吹き込まれたような心地よさを全身で感じながら、歩き出す。
吉兆の予感に、足取りを軽くする。
今日も、良い一日になりそうだった。