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7話 「心の平静」クエストはすでに始まっていた……

 こ、これは一体……!?。

 目の前に広がる不公平感満載の光景(トヲル君と3人の女の子……ボッチのぼくという構図)は一体なんなんだ??


 ……。

 ちょ、ちょっと、待て。

 これは、もうすでに「心の平静」を求める旅の……いわば最初のクエストが始まっているのではないのだろうか。

 つまりだ……イライラしたり、途方に暮れたりしてたら、負けなのではないか、と。


 そうだ、そうに決まっている。

 だから……冷静になるのだ。


 とにかく……ぼくだけ異様に寂しい状態だ。

 1人取り残された感がする……って、そのままだ。このままじゃ、田んぼに立つカカシと変わらないではないか。


 ……。

 ぼくはトヲル君に嫉妬している。

「心の平静」を得るための旅なのに、この程度の出来事(って言っても、女の子3人に囲まれるってすごいんだけど……)で嫉妬して、イライラしてたら……これはマズい。とにかく冷静に対応するのだ。


 さて……トヲル君はどうなったかな、と、もう一度見てみる。

 彼は……相変わらずであった。

 3人の女の子に囲まれ、チヤホヤされるがままである。だが、決して楽しそうじゃない……普通の表情で、可も無く、不可も無く、受け答えしているみたいだ。


 彼はなぜ、動かないんだろうか。

 ぼくの何かしらの行動を待っているのか?

 それとも、剣や杖を持って武装している彼女たちから逃げる算段でも考えているのか。


 とにかく、考えがまとまらない。

 なので、行動することにした。

 よし……とりあえず、トヲル君に声をかけてみよう。


「おーい、トヲル君。先を急ぐんじゃなかったのかい?」

「……」


 トヲル君から返事がない……声が届いていないのかな。

 ってゆーか、トヲル君と彼女たちはすでに歩き出していた。一体、どこに行くのだろう……ってゆーか、ぼくいよいよボッチである。orz


 とりあえず、ぼくも後を追いかける……それにしてもトヲル君は、ぼくの問いかけにも答えず、彼女たちと歩いて行ってしまうなんて……一体、何を考えているんだ。

 

 ……。

 とにかくだ。ここオルタナティブ・ワールドでは勝手がわからない。ぼくは着いていくしか選択肢がなかった。


 歩くこと数時間、街らしきものが見えてきた。

 ここかな、当初目指していたところは。

 トヲル君と彼女たちはそのまま街に入っていった。ここでも、ぼくは後を追いかける。


 そこで見たものは……現代の日本とは打って変わって……まぁ、MMORPGにはよくある中世の街並みだった。

 当然、自動車など走っていない。道路もアスファルトではなく石畳というものだ。みんな徒歩で歩いている。馬すら見かけない。うーん……田舎だな、ここは。


 ってゆーか、なんか千葉にある、なんとかシーというテーマパークの町並みにそっくりだぞ。これはこれで情緒があっていいけど。(笑)


 ……。

 ここまで来て……ふと周りを見ると知らない人だらけである。

 気がつくとトヲル君と3人の女の子の姿が……見あたらない。


 ……。

 ってことは、ぼくは中学3年生にもなって迷子……ということ??

 ヤバっ……どうすればいいんだ??

<登場人物>

岡本結太オカモトユウタ:主人公、男性、15歳、中学3年生、身長170cm、普通の体型、坊主頭の野球少年

桐生徹キリュウトヲル:男性、ユウタの旅のパートナー

・女の子3人組:オルタナティブ・ワールドの住人。謎。


<参考文献>

・良き人生について ウィリアム・B・アーヴァイン

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