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2話 クエスト開始!

 さて……さっさと「心の平静」を手に入れよう。

 そして、高校受験もサクッと突破して、青春を謳歌することとしよう。


 ぼくは中学3年生だ……身長170cmほどで、普通の体型をしている。

 見てくれの方は、坊主頭の野球少年そのままである……実際に野球部に入っている。

 決してラノベの主人公のようなサラサラヘアな彼ではない……無念である。


 それでも行きたいと思う高校に進学したい……当然、共学に……そこで、五○ちゃんやア○スのような日常で敬語を使う彼女たちと出会い、デートをするのだ。


 ……。

 ゆえに、ぼくは勉強する……そう、ひたすら勉強、勉強また勉強である。


 ぼくは家で勉強するとき、家族が誰もいなければリビングで勉強する……が、家族が誰か一人でもいたならば、洋室で勉強する。

 この部屋には、壁に向かって横長な白いデスクが設置されている。

 また、アームレスト及びヘッドレストのついた椅子もある。

 それは、まるで、ビジネスホテルのような趣だ……これは完全にパパの趣味である。彼もここでテレワークをするのだ。

 更に、デスクの足下にはパネルヒーターが据え付けられている……冬の寒い環境でも、ぼくが長時間勉強できるよう、母が買ってくれたものであった。


 ……。

 洋室で勉強しながら、ぼくは考えた。

 ぼくが必要としている「心の平静」を手に入れるためには、何から始めたらいいのだろうか、と。


 まずは調べるところからか……手っ取り早くググるか……??

 いや、もっと手っ取り早い方法がある……パパだ……パパに相談しよう!


 パパを探す……リビングにいた。

 リビングの床に仰向けで寝ながら、ハードカバーを読んでいた。

 本のタイトルはストア哲学か……あいかわらず真剣に勉強しているようだ。そんな本を読んで、実生活で役に立つのかよ、とツッコミを入れてしまった……心の中で。

 パパの趣味は読書なのだ……ぼくはラノベしか読まない……だから、少し彼を尊敬している。


 ちなみに……ぼくのパパは……パパであっても彼ではない。

 とにかく見てくれが仕事できる風な大人な女性になっているのだ……つまり、パパは彼ではなく、彼女なのだ。


 フィジカル・インポートとかいう技術を使って、そのようになっているらしいが、詳しいことはよくわからない。

 とにかく、もはやオッサンではなく、見てくれが美しい女性と、格段によくなっている。

 リビングで仰向けに寝ている姿も、胸元あたりがとてもルーズで、目のやり場に困ってしまう……これはほとんど反則ではないか……と本気で思う。


 さて、そんなパパから学ぶのだ……「心の平静」を。

<登場人物>

岡本結太オカモトユウタ:主人公、男性、15歳、中学3年生、身長170cm、普通の体型、坊主頭の野球少年

岡本淳也オカモトアツヤ:男性、52歳、ユウタの父、IT企業に勤めるサラリーマンかつ公認LGBT社員、人格は変わらないが、外観はレイカになっている

桐生麗華キリュウレイカ:女性、25歳、独身、ニューロ・コンピュータ・サイエンスなどなどの権威、故人、自律型AIに生前の人格をコピーし、DCのサーバに潜伏する。アツヤとは脳内チップを経由して会話する。古武術の使い手でもある


<参考文献>

・良き人生について ウィリアム・B・アーヴァイン

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