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下町とニア  作者: oga
22/25

脇役

「ざけんなっ、侵入者はお前だろがっ」


「……へ?」


 ペンギンの軍勢が二ア目がけて銃を構える。

ダメじゃねぇか!

侵入者が二アだっての、バレてるし。


「剣を置けっ」


「……」


 まさに、絶対絶命だ。

どうする?

どうすりゃいい!?

だが、この状況で自由に動けるのは俺しかいない。

戦っても恐らく勝ち目はない。

もう、一つしか方法は思いつかなかった。

俺は、意を決して、通路へと出た。


「ベーコン、頼むっ」


 そう吠えると、俺は膝をついて全力の土下座をして見せた。

額を思い切り地面に打ち付けたせいで、血が滴る。


「ベーコン、力を貸してくれっ」


「……」


 ダメか?

確かに、こんな状況になってから助けを請うのは虫が良すぎる。

俺がベーコンなら、ざまあって思うだろう。

しかし、予想外のことが起こる。


「……顔を上げろ。 主人公がみっともねぇぞ」


 二アをかわして、ペンギンの前に躍り出るベーコン。


「最後の最後で、こんなかっけぇ役が回ってくるたぁな。 脇役も悪くねぇぜ!」


 そう言うと、ベーコンはペンギンの群れへと飛び込んだ。








 

 ベーコンのお陰で、どうにか俺らは難を逃れた。

そして、今、南サイドから10階へと階段を上り、ぐるっと回って北サイドのサーバー室へと向かっている。


「ここだ!」


 サーバー室へと辿り着くと、剣を振り下ろして扉を破った。


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