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下町とニア  作者: oga
2/25

E

「……まあいいや、サンキューな!」


 そう言って、二アは駅とは真逆の方向へと走り出した。


「お、おいっ……」


 しかし、既に姿は無い。


(ちょっとヤバそうな奴だったし、あんま関わらない方がいいか)


 つか、今は極力人と関わりたくない。

二アのことは放っておいて、俺は駅前へとやって来た。






 

 この街には路面電車が走っていて、最寄りのみたらし駅、抹茶駅と続き、ハロワのある金つば駅へと繋がっている。

金つば駅に到着すると、吐き気がした。


(すっげー人混み)


 仕事でメンタルをやられてから、反射的に人のことを避けてきた。

都心の殺人的な人混みに比べたら屁でもねーけど、それでも若干苦しい。

スマホで位置を確認して、早足でハロワへと向かう。

建物の前に来て、俺は愕然とした。

まるで、夕方のデパ地下ばりの混雑具合で、しかも若いヤツらばっかりだ。

俺は、嘔吐きそうになるのを堪えて、来た道を引き返した。







 

 結局、金だけ払って俺はみたらし駅に戻ってきた。

帰りがけ、コンビニのバイト募集のチラシが目に止まる。


(バイト、か)


 もし、仕事が見つかっても、またすぐ辞めるかも知れない。

それなら、バイトから慣らした方がいいかもだ。


(……生活、かかってるしな)


 貯金なんていくらも無い。

収入が0のままじゃ、今のボロアパートからも立ち退かなきゃならなくなる。

チラシの前に棒立ちしていると、シマシマの制服を着た店長と思しき男が店から出てきた。

咄嗟に、声をかける。


「すいません」


「ん?」


 懐からタバコを取り出した所で、こちらに気付く。


「あの、バイトって、募集してます?」


「バイト? あー、ダメダメ、若い奴は採用してないんだ」


 ……何で?

 

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