戦闘
「もう一発!」
「おまっ……」
手から波動砲が発射される。
ドオン、という音と共に、地面に穴が空いた。
同時に、尻もちをつく。
「おま、あっぶねーだろ! 至近距離でやるなっつの…… しかも、一日一発じゃねーのかよ」
「予備バッテリーを持ってるんだ。 でもこれで正真正銘、もう撃てない」
ガシャン、と腕の皮膚が外れて煙りが立ちこめる。
でも、何で地面に穴を開けたんだ?
「早く下へ。 敵が集まってくる」
真っ白な壁面。
そこに取っ手がついていて、何かがしまわれているようだ。
試しに一つ引いてみると、映画に出てくるような黒光りしたライフルが姿を現した。
「武器庫かよ」
「早く武器を選んで、階段で10階を目指そう。 そこにサーバー室がある」
「武器っつったって、俺、一般人だぞ? 使ったことねーし……」
一体、どんな武器が最適なんだ?
銃を選ぶにしても、ハンドガンタイプがいいのか、乱射できるマシンガンタイプがいいのか。
(こんなことなら、FPSとか、そういうゲームやり込んどくんだった……)
後悔先に立たずだ。
異変に気づいたのか、入口に立っていたであろう警備が声を張り上げる。
「内側から爆発音がしたぞ。 誰かいるのかっ」
「おにい、何でも良いから武器を取るんだ!」
そんな二アは、モン〇ンにでも出てきそうな身長くらいある大剣を手にしている。
(オメーはビジュアルで選び過ぎだろ!)
あんな扱えない武器じゃ意味が無い。
俺は、肩がけのサブマシガンとカートリッジをいくつか手に取り、ケツポケットにねじ込んだ。
扉が開け放たれる。
「キサマッ」
「うおおおお……」
俺は、トリガーを引いて銃を乱射した。




