前回までのあらすじ
「突然ですが、ここまでのあらすじ~」
壇上に上がったのは、この物語の登場人物、二ア。
右手に撥を持ち、三味線を構える。
「宇宙暦2019年、その日、人類は選択を迫られることとなる」
べべん、と三味線を鳴らす。
「空から突如現れた、デス・スターの攻撃により、人類の数は半分にまで減少。 ここで勇者の血を引く私こと二アが、伝説の剣を携え、敵の総大将と戦う!」
べべん、と再び三味線を鳴らす。
「窮地に陥った二アの額には、竜の紋章が浮かび上がる。 果たして、勝つのは侵略者か、それとも二アか!? 後半も、ごゆるりとお楽しみ下さい」
最後に客席に向かって頭を下げると、幕が下りた。
(決まった!)
2019年4月1日。
地球防衛対策本部こと、アパートの一室。
ここで、俺はいつ宇宙船が地上に降り立つのか、不安な面持ちで待っていた。
「空から何かが来る気配はねーな」
時刻は11時29分。
窓枠から空を見上げるも、曇り空以外は特段何も見えない。
二アはパソコンに釘付けになっている。
「そっちの動きはどうだ?」
俺が質問すると、画面を睨んだまま、二アが言った。
「出てきた!」
二アが見ているのは、ネットの生中継だ。
ぶっちゃけ、そっちは二の次な気もしなくはないけど……
とにかく、今日、新しい元号が発表される。
モニターにはこの国の官房長官の姿が写し出され、手には元号の書かれた用紙。
壇上に立つと、それをカメラの方に向けた。
「新しい元号は、「超令」です!」
一斉にフラッシュがたかれる。
「チョレイ、かぁ~」
二アがチョレイ、チョレイ、と何度か口に出す。
マジで、新しい元号、チョレイかよ。
某卓球選手の掛け声と同じじゃねーか。
「……ん?」
肘を突きながら道路を見下ろしていると、妙なものを抱えた男が歩いて来る。
ダチョウの卵みたいな、巨大な球体を手に持って、よいしょよいしょと右から左に向かう。
「何だ、アレ?」
「や、ヤバいっ」
いきなり俺の横から現れた二アは、勢い良く外へと飛び出した。




