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下町とニア  作者: oga
11/25

二アの秘密

「ちょ、待てよ!」


 俺は、思わず二アの手を掴んだ。


「な、何だよ!」


 二アが立ち入ろうとしているのは、駅前でも屈指の高級握り寿司店だ。

俺に付いてこいと言われ、やって来たのはまさかの寿司屋であった。


「意味分かんねーよ、何で寿司屋なんだよ!」


「ウニ食わなきゃ完璧に思い出さないんだよ。 多分、ウニが記憶と関係あんだ」


「……1人でやってろよ」


 俺は、クルリと反転して来た道を引き返した。


「あっ、待てよ! ウソウソ、メンゴだよぉ! 牛丼の並盛りでも大丈夫だからさぁ」


 調子に乗りやがって。

別に、こいつが何者だろうと知ったこっちゃない。

仮に、この星に宇宙船が不時着して戦争になっても、俺にはどうすることも出来ないしな。

俺にとって今、最も重要なのは、どうやってこれからたこ焼き屋を開くかであって、こいつの秘密なんて気にもならない。

だが、聞き捨てならないセリフが耳に飛び込んだ。


「たこ焼き屋手伝うから、話聞いてくれよっ」


「……」


 俺が今一番欲していることを、二アのやつは的確に突いてきた。

たこ焼き屋をやるに当たって、もし人手が必要になったとして、バイトを雇うのは金がかかる。


「そーゆーことなら、いいぜ。 話聞いてやるよ」


 二アは、ほっとしたような表情になって、また歩き始めた。







 

 やって来たのは、駅からさほど遠くない空き地。

二アのヤツが、ブツクサ言いながらここまで連れてきた。


「っとヒデーよな。 このまま無視されてたら、記憶無くした宇宙人で終わるとこだったし」


 知らねーよ。

別にこいつの宇宙人設定が使われようが使われまいが、俺には関係ない。


「で、ここには何があるんだよ」


「これだよ」


 二アが指差したのは、カップ焼きそばの「UFO」

……こいつ、まだボケかます気か。

俺が、いい加減にしろ、と叫びそうになった時だった。


「1秒だけ見せるから、瞬きしないようにな」


 二アのヤツが屈んでカップ焼きそばに手をかざす。

次の瞬間、俺の目の前にメタリックの巨大な円盤が姿を現した。

 

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