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悪い夢

作者: 淀川十三

普段は小説のようなものを書きますが、たまには詩を投稿しようと思います

絶望の果てで

虚無と戯れておりました所


永遠の夜が酒瓶を片手に

こちらへ歩み寄ってきました


私は彼も仲間に入れて しばし

酒を酌み交わしました


永遠の夜は私を暗闇に閉じ込めて

一切光を与えてくれませんでした


私にとってはそれがよかった

外の光はあまりにも眩しすぎた


私は誰も見たくないし

誰にも見られたくなかった

とかくに人の世は住みづらいと

かの文豪も申した通り

私はとても世の中では生きられないと思っておりました


そんなわけで自室の六畳間に引きこもって

涙と悲しみと共に絶望の中へ身を潜めていました


やがて虚無と出会い

涙と悲しみを追い払った私は

絶望の果てにたどり着いたのです


ここには悲しみも苦しみも喜びもありません

ただ存在だけがぽつんとそこにあるだけです



永遠の夜も加わったおかげで

私はただ酒を飲むことに没頭できました


私はあの世とこの世の狭間にいました

まだ死んではいませんので

眠くなったら寝ちゃいます


ある日のこと

私が寝ているすきに

涙がやってきました

私は彼女を追い払おうとしましたが

奥のあいた扉の先で誰かがじっとこちらを見つめているのに気づきました


死でした

とうとうきたかと私は思いましたが

涙が私に抱きつくので

いろんな感情が一気に溢れかえってしまいました


正気に戻った私は起き上がり、涙を連れて、永遠の夜と虚無と死を押しのけ、懸命に走り、なんとか現実世界に逃れることが出来ました


永遠の夜と虚無と死はいまも私の後ろをついてまわりますが

今はこうしてなんとか生きております



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