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カニバリズム  作者: 檸檬。
8/13

〜さん〜常日

「課長!この企画なんですけど……」

「課長。アポとれました。」

「課長、コーヒー淹れますね。」

あぁぁ。課長課長課長。

最高。自分では気づかなかったが、なんだか仕事が人よりできるらしくいつのまにか課長になっていた。

課長とは良いものだ。部下よりも大きな机を与えられ、コーヒーも黙っていれば淹れてもらえる。

大した問題がない限り、責任を負わされることはないし部下の仕事振りをチェックすれば良いのだ。

しかし、知っている。

課長!課長。課長、と声をかけてくるやつの大半が自分の陰口を叩いていることを、知っている。


〝課長って仕事はできるけど、あの年で結婚してないんでしょ?性格悪いんじゃない?〟

〝この前の企画もボツにされたんだけど。あの企画の良さわからないとかクソでしょ。〟

〝アイツ、ケチだよね。〟


いやいや、なんだよ。

結婚してないことの何が悪いのか?性格が良いだけで結婚できてたら誰も苦労しないし。

ボツにされるような企画をもってきたのは仕事のできないやろうだし。ケチとか、たまたま、お金がなかった時に割り勘した一回をネチネチと。毎回奢るわけねぇだろ。と心の中で反論する。

あー。うざい。人のこと大して知りもしないのに、文句だけは言いやがって。無能が。

そんなことを考えながらも、課長と話しかけてくる声には笑顔で返事を返す。

無能共を、適当にあしらって、もってきたカレーを食べ始める準備をする。

スープポットの蓋を開けると、湯気が少したちのぼった。しっかり保温されている。冷たい白米の上にカレーをぽとぽとかけていただく。

おいしい。このカレーで昨日の夕食から連続3回のカレーだったが、飽きなかった。


お昼の後は、無能達が問題を起こすこともなかった。仕事のできない無能はまだ会社に残っていたが、所詮そいつらが仕事のできない奴だから悪いのだ。そんな人を尻目に、午後5時に定時退勤!

いやぁ、仕事ができてすいませんねぇ。

電車に乗って家に帰る。

電車が混んでいた。

電車のドアのギリギリに立たされる。

ガラスに自分の息がかかって少し曇った。

曇ったガラスに映ったのはバーコードハゲの親父だった。親父以外が良かったなぁ。

と少し思った。

電車を降りてコンビニによりおにぎりを2つ買った。


家に着くと、シャワーを浴びた。

気持ち良い。

風呂から上がるととても寒かったので急いで、服を着た。

ジーパンにセーターその上にパーカーを羽織る。

お腹が空いたので、髪より先におにぎり2つを頬張る。

そのあと髪の毛をストーブに当てて一気に乾かす。

少し大きめのバッグに必要なものを詰め込む。

いつもはかない、少しサイズの大きい靴を履く。

玄関に鍵をかけて外に出た。本日3回目の駅に到着。

今度の電車はあんまり混んでいなかった。

近くにいたのは、ブスカップル。

カップルなのはいいけど、ブスのいちゃつきは嫌だなぁ。と思ったが、日本の少子高齢化を止めるために貢献してくれるなら良いかなっと。上から目線でブスのカップルを見た。

会社とは、反対方向の路線に30分ほど揺られて目的の白木駅に到着。寒い。

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